会社説明会で設けられる質問コーナー。実はすごく聞きたいけれど、緊張してしまったり時間が無かったり、あるいは「この場で聞いてもいいのかな?」「この人に聞いていいのかな?」と考えて聞けないことがありますよね。
そこで就活を終えた内定者に「会社説明会で実は聞きたかったこと」のアンケートを実施。さらに、聞きにくいことをうまく聞くコツを、人事のプロに教えていただきました。
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目次
先輩たちが会社説明会で質問したかったことは?内定者500人にアンケート
まずは、内定した先輩たち500人のうち、会社説明会に参加したことがある429人に、「会社説明会で質問したかったけど聞けなかったこと」を聞きました。
会社説明会の質問コーナーで、聞きたいけど聞けなかったことがある先輩は約25%
●会社説明会の質問コーナーで、「質問したかったけれど、何らかの理由により質問できなかったこと」はありますか。(単一回答、n=429)
約4人に1人の先輩が聞きたいことがありながら、聞けなかったと答えています。
実は質問したかったことTOP3は「休日」「残業」「給与」
●「質問したかったけれど、何らかの理由により質問できなかったこと」について、下記に当てはまるものがあればお答えください。(複数回答、n=114)
上位を占めたのは「休日」「残業」「給与」、次に「有給(休暇)」と続きました。「具体的にどんなことを聞きたかったのか」という問いには次のような声が寄せられました。以下にその一部を紹介します。
「休日」に関して質問したかったこと
休日出勤はあるのか、あるとしたらどのくらいあるのか/休日はどの程度希望が通るのか/連休は取れるのか
「残業」に関して質問したかったこと
平均残業時間はどれくらいなのか/どんな時に残業時間が増えるのか/休日や残業の具体的な制度はどのようになっているのか
「給与」に関して質問したかったこと
初任給は、額面から税金を差し引くと手取りでどれくらいなのか/昇給ペースはどうか、年代ごとにどのくらいもらえるものなのか/今もらっている給料に満足しているか
有給休暇に関して質問したかったことでは、「新人でも有給が取りやすい雰囲気か」など有給休暇の取りやすさに関する質問や、「有給取得率は実際どうなのか」といったことが聞きたかったという声が多数ありました。
ほかに、福利厚生や教育・研修体制への質問には「産休・育休の男女の取得率」「産後復帰をした方のキャリアはどうなっているのか」「入社後の研修内容やその後の教育体制は何があるのか」といった声もありました。
「印象が悪くなりそうだったから」聞けなかったという声が多数
ぶっちゃけどうなの?と気になる休日や給与に関する質問。でも、なかなか聞けないのはなぜなのでしょう。
「時間がなかった」という理由もありましたが、「休むことばかり考えていると思われそう」「1年目なのに、働く意欲が低いと思われそう」など印象を気にする声が多く寄せられました。また、「大勢の前で言うのは恥ずかしい」「本や就活セミナーでNG質問と言われているから」という意見もありました。
【例文付き】会社説明会で質問しにくいことをどう質問すればいい?人事のプロに聞く質問のコツ
聞きにくいけれど、大切なことだから聞いておきたい…。そんなときはどう質問すると良いのでしょう。採用のプロ・曽和利光さんにコツをうかがいました。
聞きにくいこと・答えにくいことは「前置き」をして質問する
曽和さん 聞きにくいことを質問するときは、“聞きにくいことを聞いている”のはわかっていますよ、という前置きをすることが大切です。
例えば以下のような前置きをひと言添えてみると良いでしょう。
例)
- このような場で聞くのは場違いなのかもしれないですけど、~
- このようなことをここで聞いてしまってもいいのかわからないのですが、~
これだけで、TPOをわきまえた、常識的な感性を持っていることを伝えられます。
また、説明会で話をした現場の社員などに「今後のキャリアプランは?」「仕事でつらいのはどんなときですか?」といった答えにくい質問をする場合も同じです。
例)
- もしお答えいただけたらで構わないのですが、~
- 明確なお答えでなくても構わないのですが、~
このようにひと言添えることで、答える側の負担を小さくすることができるでしょう。「プライベートな話になるので、後で個別に説明しますね」などと対応してくれるかもしれません。
知りたいことはなんでも聞くべし!ただし、すべきではない質問も
知りたいことはなんでも聞いたらいい、と話す曽和さん。しかし中には、すべきではない質問もあると言います。
曽和さん 避けたいのは、答えがあらかじめ決まっている質問です。例えば「風通しはいいですか?」「女性が働きやすい会社ですか?」など、“YES”としか答えようがない質問。
また、「ノルマはありますか?」「残業代は出ますか?」なども答えはいつも“YES”です。ノルマは目標のことなので、ノルマ(目標)がない会社はありませんし、残業代が出ない会社は法律違反です。せっかく質問をするのなら、「残業時間は月平均どれくらいですか?」「男性、女性の産休・育休の取得率はどれくらいですか?」など、具体的な情報が得られる質問をしたらいいと思います。
もし「こんな質問をしたら働く意欲が低いと思われるのでは…」と心配でしたら、質問の意図を加えるといいと思います。
例)
- 私は1年目からバリバリ働きたいと思っているのですが、若手の社員の方の残業時間はどれくらいですか?残業に対して厳しいルールなどはあるのでしょうか
- 幼い頃から習っている書道を続けていきたいと思っているのですが、新人でも有給を取りやすい雰囲気でしょうか
このように意図を伝えることで、誤解されることなく知りたい情報をきちんと得られるでしょう。なお、仮に「ワークライフバランスを重視して働きたい」という場合も同様です。例文のように「頑張っている趣味があるから」といった意図を加えれば印象も良いのではないかと思います。
会社説明会に出ている相手別に質問項目を整理しよう
会社説明会によっては話をする社員も異なり、それぞれのポジションによって聞けることも変わってきそうです。出ている相手に応じて、どんな質問をすべきか、曽和さんにポイント教えてもらいました。
曽和さん 話をするのが現場社員か経営層かによって、事業を見ている視点が違います。「長期⇔短期」「全体⇔部分」「抽象的⇔具体的」の軸で、質問を考える必要があります。
入社数年の若手社員:「短期」「部分」「具体的」な質問を
1日の過ごし方、業務の流れなど、短期・部分・具体的な視点で、仕事内容やその面白さ、働き方を詳しく聞くと良いでしょう。
経営者:「長期」「全体」「抽象的」な質問を
経営者は広い視座と長期的な視点で会社の方向性を考えています。ビジョンや事業の方向性などの質問をすると良いでしょう。
人事担当者:基本的にはどんな視点の質問でもOK
人事担当者は、“会社の代弁者”ですので基本的にどんな質問をしても良いでしょう。企業理念や事業計画など長期かつ全体に関する質問にもしっかり答えてくれるはずです。
いかがでしょうか?
お伝えしたポイントを、質問の場でぜひ使ってみてくださいね。
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【調査概要】
調査期間:2019年2月5日~2月7日
調査サンプル:2019年3月卒業予定の大学生、大学院生、専門学校生、短大生の就職内定者500人
調査協力:株式会社クロスマーケティング