就活の一般常識ってどんなもの?テスト勉強の方法やコツは?クイズ王に聞いてみた

就活の選考では、「一般常識・時事問題」が問われたりします。準備をしようと問題集を手に取ってみると、その内容の多さに「まるで試験勉強みたい…」と途方に暮れる人も少なくないと思います。

今回は、クイズ王決定戦2018年度のチャンピオンの徳久倫康さんに、就活の一般常識テストに向けたオススメの準備方法についてうかがいました。

プロフィール
徳久倫康さんプロフィール写真徳久 倫康(とくひさ・のりやす)1988年、東京都生まれ。2007年日比谷高校卒。早稲田大学文化構想学部にて作家・思想家の東浩紀氏に師事。東氏が2010年に創立した株式会社ゲンロンに2012年入社。事業統括担当の取締役として、編集、総務、経理、SF創作講座など幅広い業務を担当。一般社団法人日本クイズ協会主催クイズ王決定戦2018年度のチャンピオン。

就活の一般常識・時事問題ではどんな問題が出題される?

リクナビで「一般常識・時事問題ではどんなジャンルが出題されるのか」について人事担当者へアンケートを行いました。

その結果、一般常識は、7割近くが時事問題。次いで国語に関する問題、算数に関する問題がそれぞれ半数以上という結果になりました。
時事問題では、昨今社会で問題・話題になっている出来事や世界の流れについて問われます。

参考記事:【就活の一般常識】どんな問題が出る?出題意図、選考に向けたオススメの準備方法を紹介

参考記事:【就活の時事問題】企業の出題意図、試験に向けたオススメの情報収集法は?人事アンケートの結果を紹介!

では、試験に向けて普段からどのように対策をすればいいのでしょうか?まずは、一般常識について、クイズ王の徳久倫康さんに教えていただきました。

オススメの「一般常識」勉強方法は?

問題集1冊を繰り返し解いてみよう

―クイズ王オススメの「一般常識」準備方法を教えてください。

あくまで私なりの勉強法なので、すべての就活生に参考になるかわかりませんが、まずは市販の一問一答式の問題集などを使って、問題をたくさん解いてみることをオススメします。一度間違えても何度か繰り返すことで答えが自然に覚えられると思います。

ただ、それだけでは限界があるので、ある程度キーワードや単語を目にした後、情報が体系化された教科書等の書籍を読むのが良いと思います。そうすると頭の中でバラバラだった単語が、意味を持って記憶に定着されてくるのです。

最初から教科書等を読もうとすると、情報量が多すぎてキツいと思いますよ。まずは一問一答の問題集を見て、なんとなく知っているものが増えてきた状態で、体系的に学習すると、情報の点と点がつながっていき、楽しく学べると思います。

徳久倫康さんインタビューカット

一般常識を勉強するにあたって気を付けたいこと

― 一般常識をインプットする上で、苦労することはありますか?

そもそも、苦労するとクイズが嫌いになっちゃうので、意図的に無理しない仕組みにしています。もちろん、問題集を隅から隅まで読んで覚えるタイプの人もいます。問題集などを使って勉強するのは非常に大事だし、良いアプローチなんですが、私は試験勉強っぽいのが苦手なんです(笑)。どちらのアプローチが優れているとかではなく、「つらい」と思ってしまうと趣味として続けられなくなるので、楽しい範囲で勉強したいと思っています。

わからない言葉と出合ったら、調べてみるくせを

―情報に触れる際、ほかに気をつけていることはありますか?

クイズをしていると、問題文の中にわからない言葉・用語が出てくることが多々あります。解答も覚えるけど、その言葉・用語の背景を深掘りして調べることが非常に大事です。

わからないものを積み残しておくと、いざというときに答えられない。一つひとつ「本当に自分はわかっているのか?」を考えていくと、使える知識になると思います。丸暗記だと応用が利かなくなりますから。

気になったらその場で調べる。その蓄積は非常に大事です。どんどんブラウザのタブが増えますけどね。ちなみに豆知識ですが、Google Chromeのスマホアプリだと、タブが100件を超えるとスマイルマークになるんですよ(笑)。

一般常識の筆記試験を受けている就活生

オススメの「時事問題」勉強方法は?

周りの友人・家族などと一緒にクイズを出し合ってみよう

―徳久さんがやっている「競技クイズ」でも時事問題に関する問題が出題されると思いますが、いかがでしょうか?

まず「競技クイズ」について簡単にご説明しておくと、テレビ番組でよくあるような「早押しクイズ」をイメージしてもらえれば良いです。問題の種類には、時事問題に関する問題、謎解きやパズルなどいろいろあります。

活動としては、競技クイズが好きな人同士で集まって小さなサークルを作り、大会を開催したり、自分たちで問題を持ち寄ってクイズを出し合ったりしています。

―問題を「持ち寄る」とは…?

「クイズ問題集」はもちろん、時事問題の問題集など市販の問題集も使うのですが、あっという間に使い切ってしまうので、問題を自給自足で補充していく必要があります。良い問題を出すためにも、普段の情報収集が重要になります。

新聞社のニュースメールを登録してみよう

―問題を作るにしても解くにしても、普段どうやって時事問題を勉強しているのですか?

新聞社のニュースメールを毎朝届くようにしています。私がチェックしているのは、日経・朝日・毎日の3紙ですね。そのメールで記事の見出しとURLをチェックして、気になったものをとりあえずクリックして、スマホのタブを開いておきます。それで10〜20件くらいニュース記事が集まるので、通勤時間や空いた時間に少しずつチェックしています。

いざ読んでみて、見出しは面白そうだったけど、特に目新しい情報がなければタブを閉じますし、クイズにできそうだ、ネタになりそうだと思ったら、メモ帳にまとめます。最終的にはクイズ用のファイルに問題文・解答として落とし込みます。

ニュースサイトのアプリ、Twitterを活用する方法も

ニュースサイトやアプリは、自ら情報を取りに行くことができるかが鍵

一応ニュースサイトのアプリも入れていますが、自分から情報を取りにいかなければならないのがデメリットですね。先述の「ニュースメール方式」は習慣化されているので、毎日決まった量をチェックできるのがメリットです。インターネットの情報は無限に画面をスクロールできてしまうので、どこからどこまでチェックすればいいのかわからなくなってしまうことがありますね。

Twitterでトレンドを探そう

新聞の見出しだけだとスポーツ・芸能ニュースやサブカルチャーに関するトピックはあまり載っていないので、Twitterの「話題のツイート」が表示されているトレンド欄もチェックしています。

Twitterは検索機能もよく使います。ネット流行語など、今現在使われている言葉について、どんな使われ方をしているのか知ることができます。必ずしもGoogle検索で意図した情報にたどり着けないケースもあるので、検索したい情報の種類に応じて使い分けています。

―ほかにTwitter検索の具体的な使い方はありますか?

自分の知らないジャンルについて、本当に使われている言葉なのか知るために使っています。

例えばサッカー選手の得意技名を記事で読んだとします。でもTwitterでその得意技を検索しても2件しかヒットしなかったら「この記事には書いてあるけど、普通のファンは使わないのかな」と判断します。

世間の常識度というか、どれくらい本当に使われている言葉なのかを知るにはTwitterは便利ですね。

徳久倫康さんインタビューカット
編集部が用意した一般常識・時事問題を、スラスラと解答するクイズ王・徳久氏

無理なく楽しいと思える範囲で勉強することが大切

―就活生へのアドバイス、メッセージをお願いします。

一般常識問題(国語・算数・理科・社会・ビジネスマナー等)については、一問一答式の問題集を一通りやってみてから、わからない部分について教科書等を用いて体系的に学ぶと良いと思います。

時事問題の準備については、やはり日々のニュースメール収集がオススメです。ちょっと時間はかかりますが、就活が本格化する半年ほど前からインプットすれば十分だと思います。

就活は面接を受けに行くなど、どうしても大変な部分はあると思いますが、少なくとも勉強の部分は、あまり無理なくやる方法があるはずです。時間をかけて自分の興味範囲を広げながら知識を付けていく方が、出し入れしやすい知識になるし、応用も利くので、ゆくゆく役に立つと思います。

インプットだけでなく、アウトプットしながらの方が記憶に定着しやすいので、ある程度情報収集をしたら、自分で問題を作ってみてクイズ形式で周りの友人・家族等に出題してみるのも良いと思います。

出題できる相手が周りにいない場合は、自分の作った問題をネット上に公開できるアプリもあるので、利用してみてはいかがでしょう。

取材協力/一般社団法人 日本クイズ協会 http://quiz.or.jp/
取材・文/筒井智子
撮影/向山裕太
編集/鈴木健介

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