忍耐力の自己PRでマニアックな趣味をネタにするコツ【例文あり】

「学生時代はゲームや漫画、アイドルの追っかけなどの趣味に夢中だったけれど、それを自己PRで伝えるなんて無理」と決めつけていませんか?本当に打ち込んできた趣味なら、「忍耐力」をキーワードに自己PRできる可能性大。「趣味×忍耐力=自分らしい自己PR」を導き出すコツについて、リクナビ就職エージェントで長く学生の就活支援を行ってきたキャリアアドバイザー・北島瞳さんに聞きました。

北島さんプロフィール写真プロフィール

北島 瞳(きたじま・ひとみ)

株式会社リクルートキャリア・キャリアアドバイザー。数多くの学生を就活支援した経験を生かし、自己分析や面接対策などのセミナー企画・講師を務めてきた。自身が学生時代に「自己肯定感の低さ」に苦しんだ原体験から、「自分自身の持ち味を信じて就活する」をテーマに就活支援を行っている。

→リクナビ就職エージェント

「忍耐力」をアピールするのはアリ?企業が自己PRで知りたいこと

自己PRを通して企業が知りたいのは、その人の人柄です。「自分のどこをアピールすればいいのだろう?」と悩む人は多いでしょうが、企業は派手なエピソードや突出した成果を期待しているわけではありません。

また、企業が心配していることの1つに、採用した社員がすぐに辞めてしまうことがあります。「忍耐力がある人=ストレス耐性があるのでは」と捉える企業もあるので、忍耐力を適切にアピールすることは有効といえるでしょう。それがたとえ趣味に関することであっても適切に表現をしていくことで「この学生なら、仕事でつらいことがあっても辞めずに頑張ってくれそう」と期待値を高めることが可能です。

 趣味をテーマに「忍耐力」を自己PRする、2つのテクニック

それでは、趣味をテーマにわかりやすく「忍耐力」をアピールするテクニックについて、ご紹介しましょう。

1.プロセスに数字を盛り込んで“大変さ”をわかりやすく示す

趣味など熱中しているものがある人は、「忍耐力」としてPRできるエピソードを持っていることが多いです。自己PRで趣味のエピソードを伝える際は、その趣味に対する知識や理解がない人にもわかりやすく述べられていることが大切です。動機や目標、それを極める大変さ、忍耐力を発揮したプロセスなどを説明するとともに、「耐える=受け身」と思われないよう、「なぜ耐えるという選択をしたのか」についても明らかにしましょう。

そして、忍耐力をわかりやすく伝える一番のポイントは、“大変さ”をアピールすること。その趣味に費やした時間や金額などの“数字”を盛り込んで説明すると、大変さがよりリアルに伝わります。

さらに、忍耐力を似た言葉で言い換えたり、補足したりすると、よりわかりやすく伝わります。忍耐力と似た言葉としては、「継続力」「地道にコツコツ努力する」「根性」「粘り強い」「あきらめずに頑張る」などが挙げられます。

2.経験を通して“自分らしさ”を伝えよう

自己PRで大切なのは、“自分らしさ”を伝えること。学生時代に、時間と労力をかけて最も頑張ったことが趣味であり、「自分らしさが一番伝わるエピソード」であるなら、胸を張って趣味で自己PRをしましょう。

一般的に、忍耐力とは苦しいことやつらいことを耐え忍ぶ力。一方、趣味は楽しいことなので、一見するとその2つは親和性が低いように感じられ、「ただ、遊びに熱中していただけだと受け取られそう」と、不安に思うかもしれません。

採用担当者の中に、メジャーとはいえない趣味に対して良くないイメージを持つ方が一部いるのは事実です。ですが、趣味であっても真剣に向き合い極めようとしたら、つらいことや苦しいことにも遭遇するはず。楽しいだけでは極めることはできないはず。時間と労力をかけて頑張った経験を通して忍耐力を培ったことがきちんと語られていれば、選考の過程でイメージが変わり、良い評価をしてくださる企業様もたくさんいるのです。

実際に、過去に就活支援をした学生の中には、「自分の好きなアイドルの追っかけエピソード」を履歴書の自己PR欄に記入し、志望する会社に内定した先輩もいました。

北島さんインタビューカット

【例文5つ】「忍耐力」の自己PRエピソード~ゲーム・コミケ・アイドルをテーマにした場合~

例文1:アイドル追っかけを通じて、やり通す忍耐強さを体得(広告会社に内定した先輩の実例)

私の強みは「忍耐力」です。日ごろから好きなアイドルを追っかけるために発揮しています。私は好きなアイドルのために、「全国で行われるすべてのライブにできる限り参加すること」を目標にしています。そのためには、遠征費とスケジュールの確保が必要です。

まず遠征費確保のために、アルバイトを2つ掛け持ちしています。毎朝2時間シフトに入ってから大学に行き、講義の合間には大学の近くのカフェでアルバイトをしています。また、スケジュール確保については、例えばテスト期間にもライブに行けるよう、普段から講義に集中し、大事な点をノートにまとめながら聞くなどの工夫をしています。

その結果、学業でも単位を落としたことは一度もなく、アルバイトと趣味の両立もできています。このように、私は一度やり切ると決めたことに対して、忍耐強く取り組むことができます。

例文2:目標に掲げた「国語辞典の読破」が3度目に突入(IT系企業に内定した先輩の実例)

私の強みは「忍耐力」です。

私は趣味の小説を書く上で、語彙(ごい)力をさらに高めたいと思い、「国語辞典の読破」を目標に掲げました。黒と赤のボールペンで色分けして書き込みをするなど、飽きずに記憶に残す工夫をしながら読み進めました。そして約1600ページの国語辞典を、400日かけて読破しました。また、辞書を読む時間をつくるために、この3年間は毎朝6時前に起床しています。

一方で、自分の勉強ペースを崩さないよう、健康管理にも気をつかっています。具体的には、週5日のジョギングと筋トレを1年以上続けています。今では、辞書の読み込みが日課となり、国語辞典の読破は3度目に入りました。最近は日本語教師用の辞書の読み込みも始めました。このように、私にはコツコツ努力ができる忍耐力があります。

例文3:ゲームで目標を達成するために地道な努力を継続

私の強みは「忍耐力」です。なぜなら、目標を追うために地道な努力ができるからです。

例えば、オンライン対戦ゲームのランキングを上げるために忍耐力を発揮しました。ランキングの上位を目指して、まずは3カ月間キャラクターを強く育てるため、150時間以上の単純作業に耐えました。単純作業を飽きずに継続させるため、1日の目標を決めてから取り組むよう工夫をしました。

また、対戦後には対戦記録を欠かさずノートに書きため、相手の戦略の分析や、自分の勝因・敗因の振り返りを行っています。さらに、他人が投稿している対戦動画を見て、自分には思いつかないような戦略を勉強しました。200戦以上の対戦を繰り返し、半年かけてゲーム人口の上位1パーセントにランクインすることができました。

この忍耐力はアルバイトや学業など、日常のさまざまな場面でも生かされています。この強みを生かして、社会人になっても粘り強く努力を続けます。

例文4:Web漫画の閲覧数アップを目標にあきらめずに努力した

私の強みは「忍耐力」です。日ごろから地道な努力ができるからです。

具体的には、趣味のWeb漫画制作活動で発揮しました。大学1年時にWebに掲載し始めましたが、当初の閲覧数は50に満たず、読者からの良い感想をまったくもらえませんでした。

そこで、まずは自分のネタの質を高めようと思い、読者心理を知るため、SNSで話題になっていることの収集を毎日するようにしました。また評価の高い短編漫画を200本読み、自分の漫画に足りない要素を研究しました。閲覧数を増やすためには、学業を阻害しない範囲で1週間に1本漫画を投稿すると決め、9カ月間続けました。休日に徹夜をすることも多々ありましたが、一度決めたことをやめたくなかったので続けました。

こうした日ごろの取り組みの成果もあって、閲覧数が500を超えるようになり、読んだ人から「面白かった」と感想をもらえるようになりました。仕事においても、あきらめずに続ける忍耐力を発揮して頑張ります。

例文5:細部の再現にこだわるプラモデル制作で忍耐力を培った

私の強みは「忍耐力」です。子どものころからプラモデル作りが好きで、高校時代からは父の影響でガンダムのプラモデル制作に夢中になりました。最初は、市販のキットを丁寧に組み立てるだけでしたが、徐々に難しい作品に挑戦したくなり、3年前からはカスタマイズしたオリジナル作品作りに挑戦しています。

パーツを自作し、継ぎ目の処理や塗装にこだわり、外からは見えない内部構造まで詳細に作り込んでいくので、1体を仕上げるのに3カ月近くかかることもあります。妥協したら後悔すると思い、時には前工程に戻ってやり直すこともありますが、完成したときの達成感、SNSに作品を掲載したときの反響は大きな喜びです。

この趣味を通して、私は決めた目標に向けて粘り強く取り組む忍耐力を養いました。

ゲームに没頭する学生のイメージ

趣味の内容で「忍耐力」をPRする時の注意点

趣味の内容を説明する際には、共通の趣味を持つ人にしかわからない専門用語やその狭い世界特有の言葉を使わないよう気をつけましょう。読む相手にまったく知識がない可能性もあるので、誰にでもわかる言葉で伝えることが大切です。例を挙げるなら、「聖地巡礼」(好きなアニメや映画作品などに登場する場所などを巡っていく旅行)や、「推し」(一番応援しているキャラクターや人物)などはNG。

もう1つ、動機を述べるときに「大好きなことなので、頑張れました」という表現は避けるようにしましょう。企業側が「好きな仕事じゃないと、頑張れないのかな?」と不安を抱くかもしれません。頑張ることができた理由を伝えるなら、「一度やると決めたことをやり遂げたいから」「成果を出して、みんなに評価してほしいから」などの表現が適切です。

北島さんインタビューカット(2)

取材・文/笠井貞子
撮影/刑部友康
編集/粟屋寛子

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