「チャレンジ精神」をより魅力的に自己PRで伝えるコツと例文

頭を悩ませる人が多いエントリーシート(ES)の自己PR。「アルバイトやサークル活動などのありふれたエピソードしかない」という人でも、「チャレンジ精神」をキーワードにすることで自信を持って自己PRできるコツを、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー・北島瞳さんに聞きました。

北島さんプロフィール写真プロフィール

北島 瞳(きたじま・ひとみ)

株式会社リクルートキャリア・キャリアアドバイザー。数多くの学生を就活支援した経験を生かし、自己分析や面接対策などのセミナー企画・講師を務めてきた。自身が学生時代に「自己肯定感の低さ」に苦しんだ原体験から、「自分自身の持ち味を信じて就活する」をテーマに就活支援を行っている。

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「チャレンジ精神」は自己PRとしてアリ?

企業が自己PRを聞く理由は、学生がどんな人柄かを知りたいから。自己PRを通じて「これまでどんなスタンスで物事に取り組んできたのか」「どんな長所が発揮されたのか」を知り、その強みが仕事で再現されるかどうかを知りたいのです。

自己PRで何をアピールするかは人それぞれですが、「チャレンジ精神」は企業が選考で重視する要素の1つです。なぜなら、少子高齢化などによる人口減少で日本のマーケットが縮小していく中、企業は変化を求められているから。先の見えない時代だからこそ、新入社員に「チャレンジ精神を持って、新しい風を吹かせてほしい」と期待している企業が多くなっています。

バイトやサークルなど、よくある内容を差別化して埋もれないようにするコツ!

「自分にはチャレンジ精神を語るような経験がない」「アルバイトやサークル活動なんて、ありきたりでは?」「ほかの学生とかぶって、埋もれてしまうかも…」と不安に思う人もいるかもしれません。

そこでポイントとなるのが、“ほかの人との差別化”です。一般的な経験を、自分らしさのある魅力的な自己PRにしていくための手順とポイントをご紹介します。

1. チャレンジのパターン、動機、プロセスを明確にして差別化する

自分のチャレンジパターンはどれか?

チャレンジには大きく分けて3つのパターンがあります。まずは、自分の経験がどれに該当するのかを考えましょう。

  • 新しいことに挑戦する(新しいことを学ぶ)
  • 苦手なことに挑戦する
  • 困難に挑戦する

チャレンジと聞いてすぐに思い浮かぶのは「新しいこと」ですが、「苦手を克服する勇気」や「つらいことや難しいことに向き合う力」も大いに評価されます。自分にとって新しいこと、苦手なこと、難しいと感じたことに取り組んだ経験であれば、どれでもチャレンジ精神としてアピールすることができます。

動機・きっかけは何か?

差別化の要となるのが、“動機・きっかけ”です。「なぜ、それにチャレンジしようと思ったのか?」という動機やきっかけにこそ自分らしさ(他人との差別化)が表れるので、ESにしっかりと盛り込みましょう。

どういうプロセスで取り組んだのか?

単に「〇〇にチャレンジした」で終わるのではなく、「チャレンジするプロセスの中で、何をどう頑張ったのか」「どんな苦労があって、それに対してどんな工夫をしたのか」「その結果はどうだったのか」を伝えましょう。たとえ成果に結び付かなくても、「現在も頑張っている」や「失敗した」でも問題ありません。企業が知りたいのは、成果よりも“努力したプロセス”なのですから。ただし、失敗だった場合には、「そこから何を学んだか」も併せて伝えてください。

「その経験を、仕事にどう生かしていくか」については、触れても触れなくてもいいでしょう。文章が長くなりすぎるようなら省いても構いません。

2. 飾語を補って、より具体的にわかりやすく

チャレンジ精神と似た言葉として、「前向き」「フットワークが軽い」「行動力がある」「好奇心が旺盛」「主体性がある」「積極的」などがあります。「苦手なことにも前向きに取り組むチャレンジ精神があります」など、「〇〇なチャレンジ精神」というふうに修飾語として使ったり、チャレンジ精神を補足する言葉として添えると、より具体的にわかりやすく伝わるでしょう。

北島さんインタビューカット

バイトやサークル、留学など一般的なエピソードも「チャレンジ精神」でOK!ESに書くときの例文

それでは、アルバイトやサークル活動、留学などのエピソードを使ったESの例文をいくつかご紹介しましょう。

新しいことに挑戦する(新しいことを学ぶ)

例文1:新しいアルバイトに次々チャレンジ

私の強みは「チャレンジ精神」です。新しい環境でも臆せず飛び込むことができます。これは、親が転勤族で昔から引っ越しが多かったからだと思っています。

例えば、大学時代は4種類のアルバイトに挑戦しました。イベントスタッフを半年、居酒屋店に1年、コンビニエンスストアを半年、その後は現在まで塾講師をしています。大学期間はさまざまな仕事を体験できるチャンスだと考え、あえて慣れたらアルバイトを変えるよう心がけてきました。

とはいえ、中途半端は良くないので、ひと通り仕事を覚え、周囲に貢献できる成果を出した上で辞めるようにしています。どのアルバイト先でも「短期間で早く一人前になること」を目標に、困ったことがあればすぐ職場の先輩に聞く、出勤前に15分メモを見返す時間をつくるなど、工夫してきました。

社会人になっても、持ち前のチャレンジ精神を生かしてたくさんの仕事に挑戦します。

例文2:アルバイトで新しい取り組みにチャレンジ

私の強みは、新しいことにも好奇心を持って取り組む「チャレンジ精神」です。

大学入学以来、自宅近くのコンビニエンスストアでアルバイトをしてきました。始めた当初はわからないことばかりでしたが、仕事に慣れてくるとお客さまの様子を観察する余裕もでき、ある時オーナーに商品POPを掲示することを提案したところ、新商品の売り上げアップにつながりました。

また、消費税の引き上げに伴い、新しいレジを導入することになった際には、新システムに興味のあった私が、高齢のオーナー夫婦と一緒に業者の説明を受けたいと申し出ました。今では店舗で一番新システムに詳しくなり、オーナーにもほかのスタッフにも頼りにされています。

社会人になっても、好奇心を持って新しいことにチャレンジし、成果を上げていきます。

苦手なことに挑戦する

例文3:苦手な「人前で話すこと」にチャレンジ

私の強みは、苦手なことでも挑戦する「チャレンジ精神」です。

高校までは、人前で話すのが得意な方ではありませんでした。大学生のうちに「苦手を克服したい」と思い、大学のオープンキャンパスのアルバイトや高校生と保護者を案内するキャンパス内ツアーのガイドを3年続けました。初めはマニュアルを読み込み、記憶して暗唱することで、人前でしゃべることに慣れていきました。徐々に、ガイドは相手に合わせる必要があると気づき、年齢層や関心事に合わせて、話す順番や内容を組み替えるよう工夫をしていきました。

こうした取り組みから、今では人前で堂々と話したり、相手の反応を見て内容を変えたりする余裕が身につきました。挑戦して苦手を乗り越え、自信を身につけるというチャレンジ精神を社会人としても発揮し、どんな仕事にも粘り強く取り組んでいきます。

困難に挑戦する

例文4:サークルで難しい登山にチャレンジ

私の強みは、難しい目標でも前向きに取り組む「チャレンジ精神」です。

私は高校まで音楽系の部活に所属していましたが、「大学では運動に挑戦したい」と思い、登山サークルに入りました。しかし、サークルには登山経験者が多く、私は女性の初心者だったこともあり、最初は厳しい山登りを拒否されてしまいました。

ですが、難易度の高い山に登ることをあきらめきれず、まずは徹底的に体を鍛えました。日常生活で必ず階段を使うのはもちろん、特に山行前には週5回ランニングかジムに行き、時には1キロの重りを両足に付けて走り込みを続けました。また、登る技術については、経験者に登り方のコツを質問し、教えてもらいました。1000メートル、2000メートルの低い山から経験を積んでいき、最終的には3190メートルの夏山や3106メートルの雪山登山への参加を認められ、登頂することができました。

こうした高い目標でも前向きに挑む「チャレンジ精神」を生かし、高い成果を上げる社会人になります。

例文5:慣れない環境で学ぶ留学にチャレンジ

私の強みは「チャレンジ精神」です。なぜなら、慣れない環境でも行動を起こし続けられるからです。

具体的には、1年間アメリカへ留学していた際に発揮しました。「ネーティブと対等に話せる英語力を身につける」と目標に掲げていたものの、最初は授業をほとんど聞き取れず、クラスメートとの会話も続きませんでした。英語力を高めるには、初対面の人との会話の機会を増やすのが一番大事だと考え、2つの取り組みを行いました。

1つ目は、現地ボランティアへの参加です。毎回参加者が異なるボランティア活動では、参加者に積極的に話しかけました。2つ目は、週末は知らない場所に必ず出かけるようにして、道中で道を尋ねたり、店員に話しかけたりしました。

こうした行動を続けた結果、留学終了時には現地の人とスムーズに会話ができるようになりました。仕事においても、このチャレンジ精神を生かし、行動し続けます。

アルバイトに励む大学生のイメージ

「チャレンジ精神」をPRするときの注意点まとめ。NGな伝え方はある?

最後に、自己PRを書くときの注意点を2つご紹介します。

自慢話にならないよう気をつける

1つは、自慢話にならないよう気をつけることです。チャレンジ精神というと、バックパッカーの旅やヒッチハイクなどの冒険感あふれる経験でなければならないと勘違いしている学生も多いですが、企業が求めているのは派手な冒険談や自慢話ではありません。自己PRはプロセスの紹介ですが、自慢話は成果と結果の羅列です。その違いを意識して、ESに取り組みましょう。

話を盛りすぎない

もう1つ、話を盛りすぎないことも大切です。例えば、誰かと一緒に取り組んだことを、自分が主体的に取り組んだと書く程度なら許容範囲といえます。ですが、やってもいないことを自分のエピソードにしたり、成果を水増ししたりするのはNGです。うそを書いてESが通ったとしても、面接で突っ込んだ質問をされるとぼろが出てしまいかねないので、注意しましょう。

「いろんなことに挑戦する=飽きっぽい」「フットワークが軽い=考えが浅い」と思われないかと心配するかもしれませんが、ESの時点でそこまで考える必要はありません。面接で聞かれたときに、きちんとフォローすれば大丈夫。自信を持って、自分らしさをアピールしてください。

北島さんインタビューカット(2)

取材・文/笠井貞子
撮影/刑部友康
編集/粟屋寛子

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