「インターンシップに落ちたら、その企業から内定もらうのは無理?」就活本番までに準備することは?

インターンシップの選考に落ちてしまい、「もう、この企業には入るチャンスがないってこと?」「就活本番の選考も厳しいんじゃ…」と心配になる人もいるのではないでしょうか。
しかし、インターンシップの選考に落ちたからといって、応募した企業への就職の可能性がまったくなくなってしまう訳ではありません。また、落ちた理由を振り返ってみることで、就活本番までに準備しておくべきポイントや、今の自分に足りなかった弱点が見えてきます。

今回は、多くの就活生をサポートしてきた廣瀬泰幸さんに、落ちたインターンシップ選考の振り返り方、就活本番までに準備するための方法をうかがいました。

廣瀬さんいわく、振り返りは、自分で考えた「落ちた原因」別に行うのが効果的、とのこと。うまくいかなかった経験を本番に生かすためにも、きちんと振り返りを行って、本番に備えましょう。

インターンシップの選考落ちは就活本番では不利?

インターンシップは、社会に出る前に企業での就業体験ができる制度。参加することで仕事や業界への理解を深め、自分がどんな仕事に興味があるのかを考えるきっかけになります。参加のために書類選考や筆記試験、面接などの選考を実施している企業もあります。

インターンシップの選考で落ちてしまったら、その企業への就職は難しくなってしまうのでしょうか。数多くの企業の採用・人材育成を経験し、現在では就活生向けの支援を手がける、廣瀬泰幸さんに聞きました。

インターンシップの選考に落ちても、その企業に就職できるチャンスはある!

廣瀬さん 新卒の採用選考で内定・内々定を出す人数に比べると、インターンシップの受け入れ人数の方が少ないケースは多くあります

また、インターンシップの選考時点では自社で活躍できる能力に満たないと判断しても、本番の選考までに学生の能力は伸びると考える企業もあり、実際私がお手伝いをした学生さんの中には、インターンシップの選考に落ちてしまった企業に入社したケースもあります。

プロフィールオールウェイズ代表取締役・廣瀬泰幸さんプロフィール写真オールウェイズ代表取締役・廣瀬泰幸(ひろせ・やすゆき)慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、株式会社リクルートに入社。大企業からベンチャー企業まで1000社を超える企業の採用と人材育成を支援。その後、一部上場企業の人事部採用責任者を経て独立し、2010年のオールウェイズ設立以降、1000名を超える学生に就活コーチングを行っている。著書に『新卒採用基準』(東洋経済新報社)がある。

「インターンシップの選考になぜ落ちたか」の振り返りが肝心

では、インターンシップの選考に落ちたことを就活本番に生かすためにはどうするとよいでしょうか。

廣瀬さん インターンシップの選考に落ちた際、ぜひやってほしいのが“振り返り”です。多くの人が「自分にはこの企業は合わなかった」で済ませてしまいがちですが、スポーツで試合に負けた際「何が良くて何が悪かったか」を振り返って次の糧にするように、「なぜ自分は落ちてしまったのか」を振り返ってみてください

例えば面接で落ちてしまった場合は、面接担当者とどのようなやりとりをしたのかを思い出してみましょう。面接の手応えがあったかどうかは答えられる人は多いのですが、具体的に“自分がどのように話して、相手からはどんな反応が返ってきたか”、一連のやりとりを思い出すように心がけてみてください。

振り返る際にオススメしたいのは、友達や家族など第三者に聞いてもらうこと。自分一人では思い出せなかったことも、人に聞かれると案外思い出すものなんですよね(笑)。

企業にとって「自社で活躍できる人物」と評価されたか、振り返ってみよう

振り返る際には、企業がインターンシップの選考で見ている観点も意識してみましょう。

廣瀬さん インターンシップの選考では、企業は「この学生が自社で活躍できるかどうか」という観点で、自社で仕事をしていく上で必要な能力を身につけているかを重点的に見ています。
ここで言う能力は、「現状の中から課題を見つけ、他の人と協力しながら解決する力=問題解決力」だと私は捉えています。

選考に落ちてしまったということは、この力が企業の求める水準に達していなかったと判断されたことになりますが、企業によって学生に求める能力の水準はさまざま。「自分に能力がない」という訳ではありません。そうした能力を身につけていて、選考でもきちんとできていても、自分より優秀な学生がたくさん申し込んできたというケースもあるでしょう。

ただ、選考を振り返ってみて、「自分は企業が求める基準まで能力が達していないかもしれない」と感じた人は、本番の就活までにそれを身につけることを意識してみましょう。

また能力は備えていても、十分に伝えられなかったという場合もあるでしょう。そう感じた人は、伝え方に問題はなかったか、それとも伝えた内容に不足がなかったかを考えてみましょう。

インターンシップに落ちた理由を考えている女子就活生

【選考に落ちた原因別・振り返り方法】就活本番までに準備することは?

採用選考が始まるまでには、まだ時間があります。今からの取り組み次第で、本番での挽回はいくらでも可能です。

ここでは、インターンシップに落ちた原因として考えられる

1.企業の求める水準に能力が達していなかった

2.自分の能力を相手に伝える力が足りなかった

3.伝える内容に関する準備が足りなかった

の3つを中心に、それぞれ就活本番までに準備できることを紹介します。
落ちた理由を企業が公表することは、ほとんどありませんので、自分なりに振り返って思いあたる“原因”を推定して、意識して取り組んでみましょう。

1.「問題解決力」が足りなかったと感じた人は、問題意識を持って身の回りを見てみよう

先ほどインターンシップの選考で企業が重視しているのは、仕事をしていく上で必要とされる「問題解決力」だと説明しました。では、具体的にこの能力を身につけるにはどうするとよいのでしょうか?

廣瀬さん ゼミやサークル、バイトなど、自分が普段かかわっている取り組みについて、ぜひ「何か問題はないか」を考えることから始めてみましょう。問題なんてないと思っていても、意識して振り返ってみると、解決した方が良い問題が浮き上がってくるでしょう。

最近の学生さんを見ていると、求められたことに真面目に取り組む人は多いものの、与えられた環境に対して問題意識を持つ人は少ないように思います。しかし、何かに取り組んでいく中で、まったく問題がなく進められるケースは少ないものです。

解決方法を考えるときには、自分だけでなく他の人と一緒に考えてみてください。社会に出て仕事をしていくとき、自分一人で完結する仕事ばかりではありません。

就活でアピールできる能力と言うと、語学などスキルをイメージする学生さんも多いと思いますが、それでは個人で完結してしまいます。そうではなく、同じ取り組みにかかわっている人と協力して解決することを意識できるとよいでしょう。

2.自分の能力を伝えられなかったと感じた人は、1対1のコミュニケーションの力をつけよう

企業が求める能力は身についていても、選考時に自分の思いを伝えきれなかった場合、伝える力をつけていくためにはどんなことができるでしょうか。

廣瀬さん 相手に伝える力をのばすためには、できるだけ人と1対1で話し合う機会をつくってみてください。そこで、自分が発信した情報を相手がどう受け取ったのか反応を見て、「きちんと伝わっていないな」と思ったら修正していきましょう。

相手の話を聞く際には、自分の思っていることを表情やあいづちなどの反応によって伝えることも意識してみましょう。同じ「聞く」でも、なにも反応をしないで聞いているのでは、自分が何を考えているかが相手には伝わりません。

メールやSNSでのやりとりは手軽にコミュニケーションをとることができますが、ニュアンスをくみ取る力は、1対1のやりとりによってこそ身についていきます。普段のコミュニケーションでこうした力をつけておけると、面接で企業の人とやりとりする中でも生きてきます。

3.伝える内容について準備が不足していたと感じた人は、内容、書き方をブラッシュアップしよう

最後に、選考で伝えた内容に不足があったと感じた人に向けたアドバイスです。ここでは、人事担当者がインターンシップへの参加意欲や学生の論理的に考える力を判断していることが多いとされる「自己PR」と「志望動機」について準備できることを考えていきましょう。

廣瀬さん インターンシップへの参加意欲を伝えるために意識したいのは、エピソードの「具体性」

例えば自己PRでは、アルバイトやサークル、ゼミ、部活などの中からあなたが一生懸命取り組んだことについて、具体的に説明するようにしましょう。

また、志望動機にインターンシップ選びの基準や参加に対する期待が具体的に書かれていると、人事担当者はあなたの興味関心や学びたいこと(志向)がインターンシップの内容とマッチしているか判断しやすくなるでしょう。

ESや履歴書に書いた内容や面接での受け答えを論理的なものにするためには、事前に自己PRのエピソードや志望動機を整理しておくとよいでしょう。そのためには、自己分析や業界・企業分析を行っておくことが大切です。

さらに「結論・理由・結論」の順で書く・話すように意識する、一文が長くならないようにする、面接では相手の目を見て話す、などを意識すると、より相手に伝わるでしょう。

インターンシップの疑問解消! 自己PRの考え方・伝え方解説はこちら
どう考える? どう伝える? インターンシップの志望動機はこちら

「落ちたからもうダメ…」とあきらめず、就活本番までの準備に生かそう!

「このインターンシップに参加してみたいな」と思って受けた選考に落ちてしまったら、気持ちが落ち込んでしまったり、就活本番のことが心配になってしまったりするでしょう。

けれど、落ちてしまった理由をきちんと振り返って、準備が足りないところをブラッシュアップしていく、企業が求める能力を伸ばせるように意識を変えるなど、就活本番までにできることはたくさんあります。廣瀬さんのアドバイスを参考に、ぜひ取り組んでみてください。

取材・文/日笠由紀
撮影/鈴木慶子

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