専攻や年収・待遇など、何を優先して職業選びをすればいいのか迷う理系学生は多いようです。どのように考え方を整理し、志望職種を選べばいいのでしょう?
リクナビ就職エージェントで実際に理系学生から相談を受けているキャリアアドバイザーに、理系学生の職業選びのポイントについて聞きました。
目次
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理系学生が悩むポイントは、専攻の採用ニーズの多寡によって分かれる
相談に来られる理系学生の場合「専攻を生かせる仕事に就きたい」と考える人が大半を占めています。「ずっと勉強してきたことなので、職業選びにおいても専攻を生かそうと考えるのは当然」と捉え、その他の選択肢は初めから考えもしなかった、という人も少なくありません。
この場合、専攻にどれだけ採用ニーズがあるかによって悩むポイントが分かれます。
【機械・電機・情報系など】一定採用ニーズがあり選択肢の多さに悩む
「理系学生の就活は売り手市場」というイメージがあるかもしれませんが、専攻によってバラつきがあります。機械、電気、情報系専攻などを採用対象とする企業数・採用数は多い傾向にありますが、このような「採用ニーズが高い」専攻の場合、選択肢が多くて具体的にどのような業界、企業、仕事を選べばいいのか悩む人が少なくありません。
例えば、機械系であれば、専攻を生かせるメーカーを志望するケースが多いですが、数あるメーカーの中からどこを選べばいいのか…例えば大型の産業機械がいいのか、精密機械の方が向いているのかなどで迷うケースがあるようです。
専攻を生かせる範囲が広いがゆえの悩みと言えるでしょうが、自己分析が足りず、自分がどんな仕事に向いているのか、何にやりがいを覚えるかなどを判断できない就活生も多いようです。
【生物・農学系など】業界・職種が限られ、生かせる仕事の少なさと難易度の高さに悩む
一方で、生物・農学系専攻などは他専攻と比べると、専攻が直結する業界・職種が限られており、企業数・採用数も比較的少ない傾向にあります。相談に来る理系学生の場合は、特に食品メーカーを志望する人が多いのですが、募集が少ない上に人気が高いので、毎年かなりの狭き門になります。
このような現状を目の当たりにして「専攻を生かしたいのに、思ったよりも募集が少ない」「予想以上に難易度が高そうだ」と悩む就活生が多いです。
「専門性」を生かしたい場合の、職業選びのポイント
専門性を生かしたい場合は、上記の悩みいずれのケースでも、専攻を生かすことを考えると同時にまずは自己分析で「自分自身の仕事選び・企業選びの軸」を洗い出すことが重要です。
もちろん、専攻を生かした職種にこだわるのは悪いことではありませんが、極端にこだわりすぎてしまったがために、自分の志向と異なる企業や採用選考が少ない企業ばかりに応募して、内定がもらえない状況に陥ることもあります。特に理系学生はその傾向が強いので注意が必要です。
4つの観点で「仕事に求めているもの」を洗い出す
お勧めしたいのは、Will、Can、Culture、Mustの4つの観点で「仕事選び・企業選びの軸」を洗い出す方法です。
Willは“やりたいこと”。これまでの人生を振り返り、どんなことに喜びやワクワク感を覚えたのか書き出してみましょう。社会人としての「やりたいこと」のヒントになります。
Canは“できること・得意なこと・強み”です。これまでに夢中になって取り組んだこと、ずっとやっていても苦にならないことを洗い出してみましょう。自分が力を発揮できる仕事や環境を選ぶ際の、基準になります。
Cultureは“文化・環境”を指します。これまでどんな環境で力を発揮できたのか、イキイキと取り組めたのか、振り返ってみましょう。社会人として自分が力を発揮できる環境、輝ける環境がつかめます。
Mustは“どうしても譲れない条件”。例えば、「家庭の事情で東京勤務だけは叶えたい」などです。自分が社会人になるにあたって、これだけは譲れないということを考えてみましょう。
この4つの観点で仕事に求めていること、働くうえで大事にしたいことを洗い出すと、就活に関する自分の「軸」が見えてきます。専攻は生かしたいものの具体的な仕事選びに悩んでいる場合は、軸を元に仕事選びができるようになりますし、専攻を生かせる仕事の少なさと難易度の高さに悩んでいる場合は、ほかの分野に目を向ける際の判断基準になります。
そして、ここで洗い出した「軸」は、エントリーシート(ES)や面接でも生かすことができます。
大切なのは、自分らしさを盛り込むこと。専門性に加え、Will、Can、Culture、Mustを洗い出す過程で出てきたエピソード(原体験)も併せて伝えることで、より納得度の高い志望動機や自己PRになるでしょう。
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給与や待遇などの条件を重視する場合の注意点
初めに触れた通り、相談に来られる理系学生の場合「専攻を生かせる仕事に就きたい」と考える人が大半ですが、専門性にそこまでこだわりを持たず「給与・待遇」を気にする理系学生も一部にはいます。文系学生に比べると、堅実で保守的な学生が多いからかもしれません。給与・待遇で職業を選ぶ際の注意点をご紹介します。
額面だけにとらわれず、収入の中身を確認しよう
職業を選ぶ際に「月給」だけを見て判断する人が多いですが、ボーナスやインセンティブ(仕事の成果などに応じて、通常の給与額に上乗せして給与が支払われる仕組み)が反映される「年収」を見た方が現実に即しています。また、給与額が高くても、住宅手当や家族手当など各種手当がないというケースもあります。できるだけ高い給与を得たいという場合は、額だけにとらわれず、給与の種類や構成、インセンティブの内容なども確認して選ぶことが大切です。
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「給与・待遇」が良いだけでは仕事への満足感を得られるとは限らない
給与・待遇を重視するのは悪いことではないものの、それだけで職業を選ぶことには不安な面もありますよね。
アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグの「動機付け・衛生理論」によると、給与や待遇は「衛生要因=仕事に対する不満」に関わるものであり、仕事への不満を解消する要因にはなるものの、満足する要因にはならないとされています。つまり、いくら高給が得られる仕事であっても、好きな仕事、やりたいと思える仕事でなければ満足感は得られにくいということ。
仕事への満足感を得る「動機付け要因」は、業務そのものだったり、仕事で目標を達成したり承認されたりすることにあります。給与・待遇だけで職業を選ぶのではなく、動機づけ要因である仕事内容も重視して選ぶことをお勧めします。
そもそも、専門性と同様、「給与や待遇が良いから」だけでは志望理由にはなりません。たとえ給与・待遇が自分にとって最も重要だったとしても、2番目、3番目に大事にしているものがあるはず。Will、Can、Culture、Mustなどでそれを洗い出したうえで、志望理由を組み立てましょう。
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職業選びをサポートする「就職エージェント」を活用する方法も
専任のアドバイザーがマンツーマンで就活をサポートする「就職エージェント」。職業選びに悩んだときもアドバイスを受けることができます。
例えばリクナビ就職エージェントでは、理系就活に特化したアドバイザーが付き、就活をフォロー。理系学生の就職動向をつかんでいる上、理系の先輩の就職事例も多数保有しているので、職業選びに関する詳細な情報やアドバイスがもらえます。Will、Can、Culture、Mustなどによる自己分析のサポートも行っているので、職業選びにおける「軸」も共に考えてくれます。
就活本番になれば、ESの添削や面接指導なども行いつつ、内定獲得まで伴走し続けます。相談やアドバイス以外にも、志向に合った企業を紹介することも可能なので、理系ならではの就活の悩みを相談したい、効率的かつ納得できる就活を行いたいという人は、リクナビ就職エージェントの活用を検討してみてください。
取材・文・編集/伊藤理子
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