IT業界の一番の魅力と想定外は?就職先を決める前に知っておきたい、先輩200人の本音集

IT業界イラスト

就活に当たって業界への理解を深めるためには、そこで働く先輩たちの声を聞くのがいちばんの早道。だからこそOB・OG訪問は貴重な機会ですが、実際に足を運べる回数は限られています。そこで当企画では、若手先輩たちにアンケートを実施。中の人だからこそわかる業界の魅力や、「本当のところはどうなの?」という実情に迫ってみました。今回はソフトウェアの開発や、情報処理も含め、ひろくIT業界にスポットを当て、206人の先輩の生の声をお届けします!

先輩たちがIT業界を選んだ理由は?

アンケートに参加したのは、ソフトウェア開発や情報処理系企業などのIT業界で働く入社1年目〜5年目の先輩206人。まず、就活時代のIT業界に対する志望度はどのくらいだったのでしょうか。また、業界のどんなところに魅力を感じて志望したのかを聞いてみました。

■現在お勤めの企業は、就職活動時に志望していた業界ですか? (n=206、単一回答)
「現在お勤めの企業は、就職活動時に志望していた業界ですか? 」についてのアンケート結果

■現在お勤めの業界のどういう点に魅力を感じて志望(入社)したか教えてください。(n=206、複数回答)

「現在お勤めの業界のどういう点に魅力を感じて志望(入社)したか教えてください。」についてのアンケート結果

就活時からIT業界を「強く」志望していたのは18.4%、「まあ」志望していたのは46.6%。IT業界で働く先輩の65%が、学生時代に希望していた業界に進むことができたようです。選んだ理由については飛び抜けて高いものはなく「業界への興味関心」「仕事の内容」が共に39.8%で同率1位。次いで「働きやすさ、ワークスタイル」37.4%となり、全体の4割近くの先輩が上位3項目に魅力を感じていたとわかります。

働いて実感。IT業界最大の魅力は「働きやすさ、ワークスタイル」だった

■実際に働いてみて、この業界で、最も魅力的だと感じた点はどこですか?(n=216、単一回答)

「実際に働いてみて、この業界で、最も魅力的だと感じた点はどこですか?」についてのアンケート結果

では、先輩たちが実際に入社して感じた魅力は何だったのでしょうか。
IT業界で働いて最も魅力的に感じた点を聞いてみると、「働きやすさ、ワークスタイルが」が第1位で、15.0%。さらに「待遇・福利厚生」13.1%、「業界の将来性」12.1%、「仕事の内容」9.7%と続きました。こちらも全体に飛び抜けて多かった項目はなく、IT業界の何を魅力と感じるかは人それぞれという印象です。

「業界の魅力」についてのリアルボイス

【働きやすさ、ワークスタイル】

  • 勤続年数が浅く開発などに専念しているので、割と自分のペースで集中して仕事ができる(情報処理5年目)
  • フレックスや在宅勤務など多様な働き方が可能(その他IT・ソフトウェア・情報関連5年目)
  • 私服で通勤できるし、リモートでも働くことができる(その他IT・ソフトウェア・情報関連4年目)
  • 広々としたエントランスにワークスペース、ビリヤード台、無料の食堂、お酒の飲めるバーもある(ソフトウェア2年目)

【待遇・福利厚生】

  • 就職当初はボーナスもなかったが、会社の業績が上がり、ボーナスや残業代が出るようになった。給料が高くなるとやる気も上がる。大手の親会社の福利厚生が適用され、リゾート施設やジムが割引で利用できる(情報処理4年目)
  • 育児休暇、産休がしっかり取れ、復職後も子どもが小学生になるまで時短勤務できる(その他IT・ソフトウェア・情報関連5年目)
  • 有給消化率が非常に高く休みやすい。1年に有給20日+3日間連続取得の休暇+自己啓発休暇2日がもらえた。(情報処理5年目)

【業界の将来性】

  • 年々さまざまな仕組みがIT化されており、今後も成長は止まらないと思われる(ソフトウェア4年目)
  • 将来さまざまな業種がAIに置き換わったときも、エンジニアとして重宝されると思うから(ソフトウェア2年目)
  • ニュースで目にする時事的な内容が仕事にかかわってくることも多く、自分が世の中の最先端にかかわる仕事をしていることを強く感じる(その他IT・ソフトウェア・情報関連2年目)

【仕事の内容】

  • 大の大人が頭を突き合わせてゲームについて真剣に考えていることが新鮮で、とても刺激的。日々新しいことの発見につながっている(ソフトウェア2年目)
  • 思っていたよりやりがいのある仕事。仕事を回すことができるようになるとともに、業界で必要な資格を取ることができ、ますます精進したいと考える(情報処理5年目)
  • 打ち合わせなどで余計な時間をあまり取られることなく、プログラムを自由に作っていられる(ソフトウェア4年目)

【その他】

  • 業界への興味関心。日々移り変わる業界で、常に新たな知識をつける必要がある。新しいことに挑戦することが好き(ソフトウェア3年目)
  • 業界の安定感。これからしばらくは衰退しない分野だから(その他IT・ソフトウェア・情報関連3年目)
  • 業界の知名度。業界で日本企業トップ(海外売り上げ含め)だから。トップ企業に入ればその分さまざまな角度で先端技術を学べると思う(その他IT・ソフトウェア・情報関連1年目)

IT業界イメージ画像

ギャップが大きかったのは、「仕事の内容」「待遇・福利厚生」「働きやすさ」

■実際に働いてみて、現在お勤めの業界は、入社前に想像していたものと比べて全体として、どの程度ギャップがありましたか?(n=213、単一回答)

「実際に働いてみて、現在お勤めの業界は、入社前に想像していたものと比べて全体として、どの程度ギャップがありましたか? 」についてのアンケート結果

一方、IT業界に入った先輩たちは、入社前の想像に対してどのくらいのギャップを感じたのでしょうか。聞いてみると、「とても」ギャップがあったという人は15.0%、「やや」あったという人は32.6%。合わせて5割弱の人が、良くも悪くも何らかのギャップを感じていましたが、ほかの業界と比較すると若干少なめでした。

■最もギャップが大きく「想定外」だと感じた点を1つ、教えてください。(n=202、単一回答)

「最もギャップが大きく「想定外」だと感じた点を1つ、教えてください。」についてのアンケート結果

特に大きなギャップを感じたのはどんな点でしょうか。アンケートの結果、入社前に感じた魅力の第1位だった「仕事の内容」にギャップを感じた人が最も多く、22.0%。次いで「待遇・福利厚生」15.2%、「働きやすさ、ワークスタイル」12.6%。しかし先輩たちの声を聞くと決して悪いギャップばかりではなく、ポジティブな驚きも少なくなかったことがわかります。

「入社後に感じたギャップ」についてのリアルボイス

【仕事の内容】

  • 技術的なことよりもマネジメント方面の方が重視されており、学ぶ実感がない(ソフトウェア4年目)
  • お客さまと近い立場のシステムエンジニアと聞いていたが、プログラマばかりで、ギャップを感じた(情報処理3年目)
  • 具体的にお客さんの状況を細かく把握するところが予想外。企業情報を多く知ることができる(その他IT・ソフトウェア・情報関連4年目)

【待遇・福利厚生】

  • 入社した年に、手当がなくなった(ソフトウェア3年目)
  • 仕事に縛られ、プライベートの自由があまりない業界かと思っていたが、比較的休みも取りやすく残業時間も適切な範囲内だった(その他IT・ソフトウェア・情報関連2年目)
  • 福利厚生が想定以上に良かったが、仕事場の作業環境は想定より悪い場合もある(ソフトウェア4年目)

【働きやすさ、ワークスタイル】

  • 客先常駐であることや、夜勤、徹夜、休日出勤など、なんでもありだった(ソフトウェア5年目)
  • 保険会社の本社事務を受託していたが、営業所等とのやりとりで板挟みになり、ミスの擦り付け合いも日常茶飯事。大手保険会社のグループでクリーンなイメージだったが、ストレスが多くメンタル不調者も多かった(情報処理5年目)
  • 想像に反してちゃんと定時で終わり、余計な残業はなかったし、休日もしっかり休みがあった(情報処理2年目)

IT業界を目指す就活生へ贈る 、先輩からのアドバイスは?

■これからも、今の業界で働いていきたいと考えていますか?(n=213、単一回答)

「これからも、今の業界で働いていきたいと考えていますか? 」についてのアンケート結果

■後輩に、同じ業界をおすすめしますか?(n=213、単一回答)

「後輩に、同じ業界をおすすめしますか? 」についてのアンケート結果

先輩たちにこれからもIT業界で働きたいかを尋ねてみると、約5割の人が「働き続けたい」と回答しました。さらに後輩に同じ業界をおすすめしたいか聞くと、「すすめたい」「まあすすめたい」が合計33.5%、「あまりすすめたくない」「すすめたくない」が合計35.9%。そして「どちらとも言えない」が30.6%と、おおよそ意見が3分される結果に。これは、ITの仕事を続けるには「適性」が重要であることを、先輩たちが実感しているためかもしれません。

「すすめたい」先輩のリアルボイス

  • 仕事の量や1年目にして任せられる範囲は大きいが、その分早い段階から急成長できる。また、ITは将来性しか感じない(その他IT・ソフトウェア・情報関連1年目)
  • 専門職的なところがあるので、1つのことに没頭できるタイプの人には勧められる職場(ソフトウェア4年目)
  • 会社によるところもあるが、自身の生活と仕事とのバランスを考えて働ける(情報処理 4年目)

「すすめたくない」先輩のリアルボイス

  • 残業や休日出勤が多い割にそれを当たり前と思う風潮があり、頑張っても査定につながらず、やりがいがない(ソフトウェア5年目)
  • 適性のある人にはすすめられるが、「給料が高いから」働く人は長続きしなさそう(その他IT・ソフトウェア・情報関連5年目)
  • 人の入れ替わりが激しい。強い精神力を持っているか、どこかで「抜く」ことを要領よくやらないとやっていけない(ソフトウェア5年目)

最後に、IT業界を目指す就活生へ、先輩たちから応援エールを頂きました。ぜひ彼らの言葉を励みに、就活に取り組んでください!

  • 基本的に論理的思考が必要で、かつ人情も必要。他者への説明機会が多いため、想像以上にコミュニケーションが発生する。人としゃべりたくない人は目指さない方が無難(ソフトウェア4年目)
  • 向いている人には天国ですが、向いてない人はメンタルを壊します。好きなことだけできるような業界ではなく、甘い考えの人は3年も持たず潰れます。それでもやりたいという方は応援します。狭い業界なので、いつか一緒に仕事ができるといいですね!(その他IT・ソフトウェア・情報関連4年目)
  • 仕事内容が想像をはるかに超えるほど多岐にわたるので、ちゃんと企業の業務内容を調べた方がいい。また、同じ内容でも風土や福利厚生がまったく異なることも多いので、足を運んで就活を頑張ってください(ソフトウェア1年目)
  • 無資格、無勉強でも始められる。もちろん続けられるかは努力次第で、勉強して資格を取ったりすれば仕事が楽しくなる。システム屋は毎日チームで大変な数学の問題を解くようなことをしているので、知識をつけるほど貢献度も高くなり、士気も高まる。ぜひ頑張ってください(ソフトウェア4年目)
  • ITやインフラは難しいようですが、とても身近なものです。それに携わり、より良くしていくために働くことは、回り回って自分自身の快適な生活に生かされます。やりがいがあります(情報処理5年目)
  • 興味関心があることが大切。勉強をずっとしていかないといけない業界なので、モチベーションを上げる方法を学生時代から見つけておくこと(ソフトウェア3年目)

IT・ソフトウェア・情報処理の業界研究をしたい人はこちら

【調査概要】
調査期間:2018年12月10日~12月11日
調査サンプル:IT・ソフトウェア業界で働く入社1年目〜5年目の社員206人
調査協力:株式会社マクロミル

文/鈴木恵美子


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記事作成日:2018年12月21日 記事更新日:2024年2月13日

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