6月からの就活でもまだ間に合う?就活スケジュール・やるべきこと・注意点を紹介

大学4年生の6月から就活を始める場合、「まだ間に合うのか?」と不安を感じる人もいるでしょう。また、6月以降に内定が得られない場合、「自分だけ取り残されている」と焦ることもあるでしょう。

そこで、多くの学生の就活を支援するキャリアコンサルタントの大森冨士代さんが、6月からの就活の進め方について解説します。就活スケジュールややるべきこと、注意点などを参考にしてみましょう。

大森冨士代様の顔写真プロフィール株式会社キャリアル 大森 冨士代さん(おおもり・ふじよ)1997年、株式会社リクルート入社。人材採用サービスの企画営業職として採用提案営業を経験後、営業マネージャーとして人材育成、業績構築などの業務に携わる。2011年6月にリクルートを退社後は企業研修、企業内キャリア面談、採用コンサルタント、大学生キャリア形成授業講師(現在は2大学)、転職者セミナー、行政のイベントにて登壇。キャリア面談数は年間約500名、キャリアコンサルタントの技能向上を支援中。
【国家資格】1級キャリアコンサルティング技能士、キャリアカウンセリング協会認定スーパーバイザー、GCDF-Japanキャリアカウンセラー

6月から就活を始めるのは遅い?大学4年生の6月の就活状況は?

まずは、一般的な就活スケジュールや、大学4年生の6月時点の就活状況について解説します。

一般的な就活スケジュールでは、大学生の就活開始時期は「3年生の3月以降」

2025年卒(25卒)以前から、政府は就活スケジュールについて「3月1日以降に広報活動(会社説明会受付など)開始、6月1日以降に面接などの採用選考活動開始」と発表しています。

  • 広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
  • 選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
  • 内定発表:卒業・修了年度の10月1日以降

基本ルールとして「大学生の就活がスタートする時期は、3年生の3月以降、採用選考が始まるのは4年生の6月以降」とされていますが、それよりも早いタイミングで選考を進めている企業も多く見られます。

また、ベンチャー企業や外資系企業などでは、そもそも基本ルールとは異なる選考スケジュールで採用選考を行っているケースもあります。

6月に内々定がないと厳しい?

就職みらい研究所「就職白書2024」(※1)の調査によると、5月までに内々定を得ている人が全体の7割超を占めており、多くの企業が6月以前に内々定出しを行っていることがわかります。

これを踏まえると、6月に就活を始めるのは一般的なスケジュールより遅いと言えるかもしれません。また、ある程度就活を進めていても、6月時点で内々定がない状態では、「今からでも間に合うのか?」と不安を感じる人もいるでしょう。

しかし、6月以降も応募を受け付ける企業や夏や秋に採用選考を行う企業もあります。スピード感を意識しつつ、焦らずに集中して取り組むことが大切です。

(※1)就職白書2024(株式会社リクルート・就職みらい研究所)

今からでも間に合う。6月からの就活スケジュールを参考にしよう

6月以降も、大学4年生に向けた合同企業説明会や、大学での説明会が実施されるケースは少なくありません。まずは6月からの就活スケジュールを把握しておきましょう。

夏・秋の選考はいつから始まる?

一般的に、夏に行う採用選考のエントリー時期は、6月末〜7月下旬ごろで、選考期間は7月〜8月と短い傾向があります。

秋に行う場合は、エントリー時期は8月末~10月下旬頃、選考期間は9月〜12月上旬ごろで、夏の採用選考よりも幅があるでしょう。

また、新卒採用枠が充足していない企業などは、期間を区切ることなく、随時募集で追加採用を行うケースもあります。

大手企業でも二次募集を行っているケースがある

大手企業や学生に人気の企業でも、二次募集や夏・秋の採用選考などを行っているケースはあります。

ただし、多くの学生が応募するため、競争倍率も高くなる傾向があるでしょう。大手企業のみに絞るのではなく、グループ会社や関連企業などに目を向けてみることも大事です。

また、規模や業種などにこだわりすぎないことでも、チャンスを広げやすくなるでしょう。

6月からの就活スケジュール例

限られた時間の中で活動を進めるためには、今後の就活スケジュールを把握して取り組むことが大事です。ここでは、参考となる就活スケジュール例を基に、6月からの就活の進め方を紹介します。

6月:情報収集と説明会へのエントリー・参加を行う

まずは企業選びの軸を定めた上で、就職情報サイトや大学のキャリアセンターで情報収集を行います。

就職情報サイトでは大学4年生向け情報のチェックが、キャリアセンターでは求人サーチができます。6月からは新卒応援ハローワークも活用できます。気になる企業があれば説明会にエントリーし、参加しましょう。

複数社のエントリーを並行すれば効率的ですし、合同企業説明会や大学の会社説明会に参加すれば、より多くの企業に出会えるでしょう。

説明会参加と同時に企業研究やエントリーシートの作成・提出、筆記試験への準備も併せて進めることが時間短縮のポイントです。

7月:面接準備を進め、選考に臨む

書類選考に通過した企業を中心に面接準備を進めましょう。二次面接や最終面接に進んだ場合は、内々定承諾の意思決定に向けて、選考を並行している企業との比較検討もしておくと、よりスムーズです。

面接に通過できなかった場合は、追加でエントリーして活動を続けていきましょう。

8月以降:内々定承諾の意思決定と、秋の採用選考の情報収集を行う

内々定を得た企業に対しては、十分に検討した上で内々定承諾の意思決定を行います。一般的には、10月1日に内定式を行う企業が多いでしょう。

8月以降も就活を続ける場合は、秋の採用選考に向けて情報収集を行い、準備を進めていきましょう。

スマホの画面を見つめる若い女性

6月から就活を始める場合にやっておきたいこと

これから就活を始める学生の皆さんに向けて、やっておきたいことを紹介します。

自己分析を行い、就活の軸や自分の強みを明確にする

まずはしっかりと自己分析を行うことが重要です。

自己分析を進める際には、無料診断ツールなどを最大限に活用することもおすすめです。「リクナビ自己分析ツール」(※2)では、無料で適職診断を行えるので、自分の志向を把握しやすくなるでしょう。

(※2)「リクナビ自己分析ツール」はこちらをご参照ください。

自己分析の詳しいやり方については、下記も参考にしてください。

志望したい企業を探すために情報収集を行う

就活の軸が定まったら、就職情報サイトで気になる企業をピックアップしましょう。その際はキーワード検索を活用するのがポイントです。例えばリクナビでは、検索欄に「食品」「物流」「商社」などのキーワードを入力すれば、関連する企業を抽出できます。

また、大学名でキーワード検索する方法もあります。自分の大学の先輩たちがどのような企業で活躍しているのかを知ることができるかもしれませんし、OB・OG訪問などに役立てることもできるでしょう。

企業研究をしっかりと行う

企業研究を進める際は、その企業の強みや仕事のやりがいを理解し、「なぜその企業で働きたいのか」を明確にすることが大事です。

企業研究の詳しいやり方については下記を参考にしてください。

エントリーシートを作成する

自己分析や企業研究の成果を基に、エントリーシートを作成しましょう。志望動機や自己PRは、指定の文字数の中で自分の思いや強みなどをしっかりとアピールすることが大事です。

エントリーシートについての解説は下記を参考にしてください。

【参考】プロが教えるエントリーシート書き方のコツと例文【企業のチェック観点も解説】

面接準備を行う

書類選考に通過した場合、面接選考に進みます。その際の準備として、想定質問に対して何を回答するのか整理しておくことが必要です。

面接準備のポイントについては下記を参考にしてください。

【参考】就活面接まとめガイド:質問・回答例やマナーをプロが解説! 

6月からの就活で注意したいこと

ここでは、6月からの就活で注意したいことを解説します。これから就活を始める人だけでなく、「これまで就活を進めてきたが6月になっても、どこからも内々定がもらえない」という人も参考にしてみましょう。

準備に時間をかけすぎてエントリーのタイミングを逃さない

自己分析や企業研究、企業探しなどに時間をかけすぎることで、エントリーのタイミングを逃してしまうケースもあります。

就活準備にはじっくりと時間をかけることが大事ですが、考えすぎて動けないままでいるよりも、まずは行動してみた方が物事は進みやすくなり、自分の考えも深まっていくものだと考えましょう。

特に、6月以降は採用選考を行う企業の数がどんどん減っていくため、タイミングを逃さずエントリーすることも重要になってきます。夏や秋などの採用選考の時期に間に合うよう、スピード感を意識して準備を進めることをおすすめします。

エントリー時期も含め、採用情報をしっかり収集する

通年採用を行っている企業もありますが、夏や秋の採用選考については、情報収集をしないとエントリー時期を逃す可能性があります。

「春の採用で不足した人員を補充するために二次募集を行う企業」「より優秀な人材を発掘するために戦略的に採用を行う企業」についての情報収集もできるだけ行いましょう。

ただし、前年に夏や秋の採用選考を実施していた企業でも、翌年は実施しない可能性があるので注意が必要です。

エントリー数は、「少なすぎず、多すぎず」を意識する

限られた時間においては、エントリー数を絞りすぎず、複数社にエントリーし選考を並行することも大事です。企業規模や業界・職種にこだわらず幅を広げることで、自分の可能性を広げられます。

とはいえ、片っ端からエントリーするのはおすすめできません。1社ごとに集中できないほどのエントリー数では、企業研究やエントリーシート作成、面接準備に時間を割けず、選考で良い結果を得ることが難しくなってしまいます。

就活の軸を定め、自分の希望にマッチする企業に絞ってエントリーし、各企業に向けた準備に時間を使うことが重要です。

周囲の人に積極的に協力を仰ぐことも大事

できれば周囲の友人や先輩、キャリアセンターの協力を得て、客観的なアドバイスをもらいましょう。エントリーシートを見てもらったり、模擬面接の相手をしてもらったりすることで、書き方や話し方などの改善点を発見でき、完成度も高まります。

また、ゼミの先生への相談や先輩を通じてのOB・OG訪問も有効です。さらに、6月以降も就活を続ける友人と情報を共有し、応募企業やエントリー時期の情報収集を進める、という方法もあります。

「6月になっても内々定なし」という場合の注意点

早くから就活を始めてきたものの、「まだ内々定を得られていない」という場合は、これまでの就活の内容を振り返ることが大事です。

自己分析や企業研究を十分やってきたのか、面接での回答内容や話し方、振る舞いなどで改善した方が良い点はないかを振り返ってみましょう。手応えを感じたことや、うまくいかなかったことについて整理し、周囲の人に相談して客観的な視点のアドバイスをもらうことをおすすめします。

また、就活の軸を再度明確にした上で、これまで志望してきた業界・職種以外にも幅を広げてみることも重要です。志望業界や志望職種にこだわりすぎると、エントリーのチャンスを逃してしまう可能性もあることを踏まえておきましょう。

6月からの就活で焦らないために、就職エージェントを活用する方法もある

「自分一人で進めるのは不安」という場合は、就活支援のプロに相談することも一つの方法です。

リクナビ就職エージェントでは、自己分析や企業選び、企業研究、エントリーシートの作成、面接準備までサポートしてくれます。

また、「どのようなことを改善すれば内々定をもらえるのかわからない」という場合も、プロの視点から客観的なアドバイスを受けることで、改善点を見つけやすくなるでしょう。


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