就活の自己PRで使える「行動力」のアピール方法【例文付き】

「行動力」を自分の強みとしてアピールしたいけれど、ほかの学生とかぶってしまいそうで心配。そんな就活生のために、どのように伝えれば自分らしい「行動力」をアピールできるのか、言い換えの工夫など、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーに話を聞きました。

自己PRで「行動力」はアピールになる

行動力とは、自分で考えて行動し、実行する力です。企業は、受け身ではなく主体的に、かつスピード感を伴って行動できる人を評価します。

なぜなら、通常、行動の量に比例して習得できる知識や経験は増えていくものですが、技術革新目まぐるしい現代社会においては、そのスピードも重要だからです。こうした行動力は、自己PRでのアピールになり、評価されるでしょう。

ただ、多くの就活生が考える「行動力」で目立つのが、「思い立ってすぐ旅行をしました」「ヒッチハイクで日本一周をしました」などのエピソードです。

好奇心があって、すぐ何かやってみる行動力が悪いわけではありません。ですが、このようなエピソードは、「旅行したい欲に忠実なだけ」「計画性がなく、場当たり的」と受け取られかねません。

社会人として求められるのは、このような自己満足のための行動力ではなく、課題解決や他者貢献にひも付くような、仕事で生かせる行動力でもあるのです。

「行動力」をアピールすることで企業からはどう評価される?

行動力がある人は、エピソード次第で「ほかの人よりも成長機会を自ら増やすことができる人」という評価を期待できます。

また、その行動力が“事”ではなく“人”に向いている場合は、「周りを巻き込む力があり、信頼関係を構築できる人」だと評価されると思います。

人に向いているというのは、例えばサークルの参加者を増やそうとしたときに、全員にアンケートを取って改善していく人もいれば、一人ひとりと直接会って意見を聞いて課題を見つけていく人もいる、といったケースです。

後者のようなケースでは、周囲を巻き込む力や信頼関係の構築力など、社会人として生かせる行動力があると評価される可能性があります。

青空を背景に就職活動するスーツ姿の就活生

自分ならではの「行動力」をアピールするポイント

まずは、行動力にはいろいろな種類がある、ということを認識しておきましょう。その上で、自分の強みとなる行動力を具体的に掘り下げていくとどのような表現になるか考えてみてください。

以下に、行動力を適切にアピールにするためのポイントを3つ紹介しましょう。

ポイント1. エピソードの具体性にこだわる

企業が知りたいのは、下記のような具体性です。

  • 取り上げたテーマや物事に対して、どのように主体的に取り組んできたか
  • どんな目的を持って行動したのか
  • その行動の中でどんな壁を乗り越えたのか
  • 何をどう工夫して課題を解決してきたのか

ですから、エピソードは具体性にこだわりましょう。

「あれこれたくさん取り組みました」では、前述の旅行のエピソードと同様、「やってみたい欲求を我慢できずに、後先考えず始めてみただけなのでは…」と受け取られかねません。

また、取り組んだたくさんのことを伝えようとすると、文字数・時間制限のある中ではエピソードが薄くなってしまうので、どれか1つに的を絞り、「どう工夫したのか」という自分なりの行動をきちんと盛り込みましょう

ポイント2. 行動の理由や背景にある思いを盛り込む

「なぜその行動を起こすことができたのか」という理由や背景にある思いも必ず伝えましょう。理由や思いは、人それぞれ。だからこそ、そこに自分らしさが表れるのです。

ポイント3.応募先企業の仕事内容や求める人物像を理解しておく

応募先企業の仕事内容と求める人物像は意識しておいた方がいいでしょう。誰に対してどんなことをする仕事なのかを理解しておくと、「自分の行動力は、相手(企業)にとってどんなメリットとなるのか」が見えてきて、もう一歩踏み込んだ具体的な表現にすることができます。

それによって、学生時代のエピソードが社会人としても生かせるということが伝わり、より良いアピールになると思います。

アピールする際の注意点

行動力を好奇心と勘違いしないよう注意しましょう。冒頭で紹介した「思い立ってすぐ旅行をしました」「ヒッチハイクで日本一周をしました」などからは、好奇心があることなら伝えられるかもしれません。ただ、好奇心はあくまで行動のきっかけです。

また、「学生時代、こんなにたくさんのことに取り組んできました」「たくさんのアルバイトを掛け持ちしました」というエピソードもよく目にします。ですが、「たくさんのことをやってきた=行動力がある」ではありません。

どちらのケースでも共通して言えるのは、冒頭で述べた「課題解決や他者貢献にひも付くような、仕事で生かせる行動力」のPRにはなっていない、ということです。

自分ならではの行動力をアピールするには、行動のきっかけにとどまらず、そこから「どのような困難に直面し、どのようなアクションを取り、どのような解決・どのような学びがあったか」を明らかにする必要があります。あなたの行動力をより詳しく掘り下げ、言い換えていく作業が必要、とも言えます。

「行動力」をどう言い換える?

単にほかの言葉で言い換えるのであれば、「バイタリティーがある」「実行力がある」「主体的に動ける」などが考えられますが、こうした言葉に単純に置き換えるだけでは、伝わり方はそれほど変わりません。

そこで、例えば「情報収集のために他者を巻き込む行動力」というふうに、言葉を補足することを意識しましょう。行動力を補足する言葉は、「なぜこのような行動を取れたのか」という行動のモチベーションの源泉や理由をしっかり掘り下げていくことで見つかります。

自分の行動力を表すエピソードが、企業の採用担当者から見て納得感のある内容となっているのか不安な場合は、キャリアアドバイザーや身近にいる社会人に相談してみるといいでしょう。

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「行動力」を強みとした自己PR例文

「行動力」を強みとする自己PRの例文をご紹介します。これらを参考にしながら、自分ならではの自己PRをまとめてみましょう。

課題解決に向けて、スピード感を持って行動できる自己PR例

私は、課題解決に向けてスピード感を持って行動した経験があります。

大学1年の時に始めた配送会社のアルバイトでミスをしてしまい、お客さまにも迷惑をかけて叱られたことがありました。口頭で教わったことをすべて覚えることができなかった反省から、その週末を利用して自分用にマニュアルを作成し、教わったことをその都度追加して、常に携帯していました。新人のアルバイトスタッフにも、その自作マニュアルを見せて共有するようになり、スタッフからは「わかりやすくて助かる」と感謝され、社員からは「とても役に立つ。本部に報告して社内で共有したい」と評価していただきました。

このようなスピード感を持って課題解決に当たる行動力を、御社(貴社)の業務でも発揮していきたいと考えています。

みんなの目標達成のために、率先して行動できる自己PR例

私は、目標に向かって率先して行動し、達成した経験があります。

大学でラクロス・サークルに入会したところ、創部3年目ということもあり、和気あいあいと競技を楽しむような雰囲気でした。ところが、メンバーに話を聞くと、「実は、もっと強くなって大会に出場し、上位入賞を狙いたい」と思っていたことがわかりました。そこで、強くなるためにどうすべきかを全員で話し合い、まずはコーチを探すことにしました。「みんなで強くなりたい」との思いからコーチ探しを買って出た私は、友人や先輩30人以上に連絡し、その中の1人からラクロス経験者を紹介してもらうことができました。実力のあるコーチを迎え、本格的な練習メニューを組んで練習に励んで2年、目標としていた大会にも出場し、ベスト8に入賞しました。

メンバーの声を聞き、率先して行動して目標達成に貢献した力を、社会人としても発揮していきたいと考えています。

困難に対してフットワーク軽く行動できる自己PR例

私は、困難に対してフットワーク軽く行動できるタイプです。

一昨年、祖父母がかつて住んでいた地域が被災し、「その地域の役に立ちたい」との思いから、初めてボランティア活動に参加しました。被災地では、ボランティア活動に熟練した人たちと同じレベルで活動に取り組もうと張り切り過ぎてしまい、壁にぶつかりました。そこで、「自分にできることは何か」をあらためて考え、細く長く支えていくことを決意しました。ニュースで取り上げられなくなってからも半年以上、毎週末のように現地に通い続けたことで、被災地の方々からの信頼を得られるようになり、ボランティア熟練者の人たちとも協働できるようになりました。

フットワーク軽く長期にわたって現地に通い、困難に立ち向かった行動力を、御社(貴社)の業務でも発揮していきたいと考えています。


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田添さんプロフィールカットプロフィール 田添優紀(たぞえ・ゆき)
リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー/SV(スーパーバイザー)。新卒で入社した教育系の企業で働く中で、良い大学に入ることだけがゴールとなっている学生が多いことに違和感を覚えてリクルートキャリア(当時)に転職。現在はSVとして、学生との面談や面接アドバイスを行いながらキャリアアドバイザー向け研修の作成・実施、マニュアルの作成、新人育成など、キャリアアドバイスの質向上に取り組んでいる。モットーは、一人ひとりの可能性を広げる手伝いができるよう、学生と真摯(しんし)に向き合うこと。

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