教育実習後に進路変更。今からでも一般企業の就活、間に合いますか?【 就活なんでも相談室】Vol.4

「働く」の第一歩となる就活は、誰にとっても初めての経験。思うように進まなくて途方に暮れ、立ち止まってしまうケースも少なくありません。そんなとき、親身になって相談に乗ってくれる人がいたら…と思うことはありませんか。

そんな就活生の相談を、仏のような慈愛の心で受け止め、女神のように温かく励ましながら、これからのことを一緒に考えてくれるキャリアアドバイザーがいます。今回は彼らの元を訪れる就活生とリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーとのやりとりを公開。同じ迷いや悩みを抱える就活生は、きっとヒントが見つかるでしょう。

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<今回のご相談>

教育実習で就活に出遅れました。これから始めても大丈夫でしょうか?

教育学部4年生のCさんは、教育実習のため、就活を一時中断して1カ月余り実習に没頭。気がつけば、選考開始の6月は終わっていました。教育実習を終えてみて、教師にならないと決断したCさんですが、実習に行くまでは教師しか考えていなかったため、現時点では内定もなければ応募中の企業もありません。

「教師にはならないけれど、やはり、教育関連の企業に就職したいんです。今から就活始めます!ここからどうすれば間に合うか、イチから教えてください」

教育実習を経験して進路変更。教師はやめて、一般企業への就活に切り替えたい

キャリアアドバイザー 現在、面接中やエントリー中の企業はひとつもないのですね。

Cさん はい。就活スタートの3月には数社の会社説明会に行きましたし、親からも銀行と食品メーカーを勧められて活動し始めました。ですが、第1希望は教師でしたし、実習(教育実習)の準備もあって、なかなか思うようには進めることができませんでした。1社だけ書類が通過してグループディスカッションまで進んだのですが、6月になって実習が始まり、そのままになってしまって、気がついたら、その企業の募集も終わっていました。

キャリアアドバイザー それは残念でしたね。でも、もともと志望されていたのですから、実習は楽しかったのではありませんか?実習は小学校ですか?

Cさん はい、小学校です。

キャリアアドバイザー 小学校の先生になろうという気持ちは、今はもうないのですか。

Cさん はい、実習は自分で選択したことですが、実際に経験してみて、私は学校という枠の中で授業を通じて子どもとかかわるということにしっくりきませんでした。なんともいえない違和感がありました。

キャリアアドバイザー かかわり方に違和感があったのですね。では、それと比較して、塾や予備校の講師としてのかかわり方はいかがでしょうか。

Cさん 塾は、やはり受験合格を目指しての詰め込み教育になりがちだと思うんです。それは自分の考えている教育や子どもたちとのかかわり方とは違うものです。だから、塾や予備校は考えていません。

キャリアアドバイザー 実習を通してご自分の考えやお気持ちを整理されたんですね。教育の現場に立つこととは違う形で子どもたちとかかわる仕事がしたいという、Cさんのその強い思いに応えてくれる企業や業界を探していきましょうね。

Cさん ありがとうございます。お願いします。かなり出遅れていますのでとても不安ですが、今から仕切り直して就活を始めたいので、自己PRやESなどを、できるだけ自分で記入して、持ってきました。

キャリアアドバイザー わかりました。拝見しますね。
…あ、自己PR文に「納豆のように粘り強い性格です」とありますね!この表現、“就活本”からそのまま引用していませんか(笑)。

Cさん わかりますか?(笑)

キャリアアドバイザー ええ、見たことありますから(笑)。私でさえ、すぐに気づくのですから、企業の採用担当者ならすぐわかりますね(笑)。自己PRは「自分らしさ」を表現するものです。自分の性格、考えに関することは、ご自身の言葉で書くようにしましょう。熱意や誠意とともに、ちゃんと伝わらなければならない大事なことですから。

Cさん はい、そうですよね。不安なので、つい…(笑)。焦っていたかもしれません。

キャリアアドバイザー 提出前にわかってよかったです(笑)。これから内容を磨いていくことで、きっと納得のいく自分の文章になっていくはずです。

「教育実習を経験して進路変更。教師はやめて、一般企業への就活に切り替えたい」教室のイメージ画像

スタートが遅い就活こそ、慎重に業界・企業を選ぶことが大切。途中の変更は機会損失に直結

キャリアアドバイザー さあ、では、この自己分析を踏まえてどこを受けるか、一緒に進めていきましょう。

Cさん はい。よろしくお願いいたします。
この時期でも、まだエントリーできる企業があって安心しました。

キャリアアドバイザー 大丈夫ですよ。教育関連だけでなく、Cさんのように、人の人生に向き合っていきたいと思っていらっしゃる方なら、人材関連の企業も視野に入れてもいいのではないでしょうか。こちらで5社ほどピックアップしてみましたので見てください。関心をひく企業はあるでしょうか。

Cさん はい。あっ、あります!この教育分野のリサーチ会社、いいですね。こちらの人材関連の企業も面白そうですね。「人の可能性を引き出す研修事業」に惹かれます。私は人の可能性を開拓することにやりがいを感じて教師を目指していたので、一般企業でも、この部分に携われる仕事がしたいです。やっぱり人材業界かな…。

キャリアアドバイザー ぜひ、業界や企業選びの軸をしっかり持ってください。私たちは毎年、教育実習後に「教師ではなく一般企業に就職したい」という学生さんから相談いただきます。実習後にほぼゼロから就活をスタートする場合に非常に大切なのは業界選びです。早くからスタートしていれば、途中で「やっぱりここは違う」となれば軌道修正ができるのですが、出遅れてスタートする場合は、軌道修正しているうちに、どんどん企業の採用が終了していきます。途中の軌道修正はそのまま、機会損失に直結してしまうのです。一般企業や業界をイメージだけでとらえると、「なんだか違う」となりやすいので、最初に、業界や仕事選びの軸をしっかり固めておくことが大切です。

Cさん これまで教師しか考えてこなかったので、確かに視野が狭いかもしれません。私、やっぱり、人の可能性を広げることに何か携わりたいと思います。

キャリアアドバイザー では、その軸で業界・企業を見ていきましょうね。次にエントリーのための書類を整えていきましょう。

自己分析が進んで自信がつくほど、面接で失敗するケースがある

キャリアアドバイザー 就活には内定獲得という大きな目標がありますが、そのプロセスにはいくつもの大事なポイントがあります。志望動機に始まり、自分の個性、能力をどうすればわかってもらえるか。エントリー用紙や面接での自分の伝え方、その言語化こそが最大のポイントです。これまでのことを振り返りながら、自分を言葉で表していく作業です。

Cさん それは、どんなふうにやっていけばいいでしょうか。

キャリアアドバイザー 例えば、これまでの自分の活動の中で周りに頼られたこと、褒められ任されたことがあったと思いますが、それはどういうことでしたか。バイト先での経験や、実習などの中にありませんか。それから、得意なこと、苦手なこと。いろいろな場面での自分の態度や気持ちを整理していくと、これからどんな環境でどんなふうに仕事をしたいか。だんだん言葉になってきませんか。考えるということが、すでに言葉を使うことではありますが。

Cさん はい。これまでも自分なりに考えてきたつもりですが、漠然としていた気がします。こうして就活という目標を持って、しかもキャリアアドバイザーというプロの方とお話しすると、言葉がはっきりしますね。伝えたいこともいっぱい出てきましたし、自信も出てきました(笑)。

キャリアアドバイザー そこが次の注意点です(笑)。自分のことを整理していくと、まして自信がつくと、つい饒舌になり、文章や面接での応答が長くなりがちなんですね。質問に答える場面でも、例えば聞かれてもいないことまで話したり、説明が具体的すぎて冗長になったりしてしまうのです。相手が知りたいことを丁寧かつ簡潔に説明するということも“伝える”にはとても大事なことです。
特にCさんは、教師を目指していらしたこともあり、コミュニケーション力は高いですし、対面での会話にも、まったく苦手意識がないことと思います。そういう人こそ、おしゃべりになりすぎるきらいがあります(笑)。

Cさん そうですね。気をつけます。

正論や優等生発言は、時に自分らしさを伝えるのを邪魔することも

キャリアアドバイザー もうひとつ、教育学部出身の方にありがちな傾向について、お伝えしますね。

Cさん はい、なんでしょう。

キャリアアドバイザー 個人差がありますので、あくまで一般論として聞いてくださいね。
さきほどのコミュニケーションに慣れている点とも関係しているのかもしれませんが、質問されたとき、自分らしさよりも正しさを優先して、つい正論というか、優等生的発言をする方がいらっしゃいます。生徒の前で間違ったことは言えませんから(笑)。しかし、面接の場面では、それがかえって邪魔になることもあるのです。一次面接や二次面接は通過しても、最終面接で自分らしさや熱意が伝えられず、企業から「決め手に欠ける」と判断され、残念な結果になることがあります

Cさん なるほど!それ、すごーくよくわかります!思い当たるところがいっぱいあります!気をつけます。相談できたおかげで、希望の職種にエントリーしたり、真っすぐ就活に向き合うことができそうです。本当にありがとうございました。

キャリアアドバイザー 今日はお役に立てて、私もとてもうれしいです。頑張ってください!

その後…

Cさんはその後、学習塾を運営する企業から内定を得て就活を終了。この塾は人間的な成長に重点を置いて幼稚園児から高校生までを対象にしており、面接では非常に話が盛り上がった、とCさんから連絡がありました。


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※本記事は、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが実際に就活生とやりとりした相談を参考に再構成しました。

記事作成日:2018年8月7日 記事更新日:2024年4月4日

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