面接が苦手です。1次面接で全落ち、1社も通りません【就活なんでも相談室】Vol.5

「働く」の第一歩となる就活は、誰にとっても初めての経験。思うように進まなくて途方に暮れ、立ち止まってしまうケースも少なくありません。そんなとき、親身になって相談に乗ってくれる人がいたら…と思うことはありませんか。

そんな就活生の相談を、仏のような慈愛の心で受け止め、女神のように温かく励ましながら、これからのことを一緒に考えてくれるキャリアアドバイザーがいます。今回は彼らの元を訪れる就活生とリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーとのやりとりを公開。同じ迷いや悩みを抱える就活生は、きっとヒントが見つかるでしょう。

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今回のご相談「面接が苦手。全落ちしています」

面接が苦手です。応募した約50社は、書類は通っても面接が通りません。どうやったら次に進めますか。

都内私立大学農学部から大学院修士課程へと進み、現在、就活中のEさん。

専攻である「稲の研究」を生かせる仕事を、と農薬メーカーを筆頭にエントリー開始。ところが書類は通っても1次面接を通過した会社はゼロ。それでも意欲を失うことなく、「次こそ頑張ろう」とエントリーを重ね、応募総数は50社を超えました。

「書類は通過するのですが、面接が通過した企業はひとつもありません。どうすれば二次面接にすすめるでしょうか。また、自分ではかなり調べつくしたので、ほかに、募集のある農学、生物系の企業があればぜひ教えてください」と、リクナビエージェントの門をたたいたEさん。

苦手な面接を克服して、研究が生かせそうな企業に内定するには、どうすればいいのでしょう。

受けても受けても、面接が通らない

キャリアアドバイザー こんにちは。Eさんとは、3月からの付き合いですね。

Eさん はい。

キャリアアドバイザー 『リクナビエージェント』では非公開の求人についてもご案内していますので、そのお問い合わせをいただいたのが最初でしたね。Eさんは、大学院での専攻である「稲の研究」を生かせる仕事に就きたいから、農薬メーカーの非公開求人を知りたいというお電話でした。

Eさん はい…。

キャリアアドバイザー あいにく希望される業界には、当時ご紹介できる求人がなかったのですが、その後もEさんは農薬メーカーを中心に、専攻を生かしたいという希望で就活を続けてこられたんですよね。これまでの活動を振り返っていかがでしたか。

Eさん はい…。書類選考はほとんど通るんですが、面接になると、1次面接で全部ダメでした。

キャリアアドバイザー   何社くらい受けましたか。

Eさん 50社ぐらいです。面接にも、ほとんど同じ数、行っています。

キャリアアドバイザー それは頑張りましたね。Eさんの素晴らしいところは、途中で報告をうかがったときも、いつも「次こそ頑張ります」とおっしゃっていたところです。就職するんだ、という意欲を消さない。こちらも何とか力になってEさんに結果を出していただきたいと思います。

Eさん よろしくお願いします。

面接をうける男子就活生の様子

面接が通らない理由は何か。原因を探りながら自分らしさを見つける

キャリアアドバイザー では、一緒に問題を整理していきながら対策を考えていきましょう。

最初の問題点は、書類選考は通っても1次面接が一度も通過しないということですね。書類選考で伝えられることと、面接で伝えられることは違います。どんなによく考えて完璧なエントリーシートが作成できたとしても、面接では実際に自分の声で説明しなくてはなりません。自分自身を表現する必要があるのです。

この点に関して、私はEさんとの最初の電話の時から、気になっていることがあります。まず電話が聞き取りにくいほど、声が小さい(笑)、しかも元気がない印象を与えてしまう。これはもったいない。「明るく」「元気に」「大きな声で」は面接の基本です(笑)。Eさんの前向きな性格も、第一印象からは想像することができません。ご自分では、会話やコミュニケーションに関して苦手意識はありませんか。

Eさん …そうでしたか。その通りで、もともと人間関係は苦手です。中学ぐらいから、いやなことがあったりすると、かかわらなきゃいいやって、そのまま自分を閉じちゃうクセがあります。それでやってきたし、やってこられたんですね。

キャリアアドバイザー 逆に言えば、ひとりでも平気、ひとりで作業が続けられるということですね。

Eさん はい、ひとりでコツコツ研究をするのがいちばん好きです。

キャリアアドバイザー それは研究だけでなく、手を動かしてモノを作ったりすることも好きなのではないですか。

Eさん そうです。研究のために必要な装置を考えて作ったり、工夫したりするのも得意です。手を動かしていることが好きですね。

キャリアアドバイザー それは大きなヒントですね。Eさんのことが少しずつわかってきました。次に、専攻を生かした職場に入りたいという意思がはっきりしていることを考えてみましょう。

農学系や生物を専攻した学生さんで、Eさんと同じように専攻を生かした仕事をしたいと就活をする方はとても多いんですね。ところが、それだけ人気があっても、この領域の企業の数は多くないんです。まして、Eさんの第1志望の農薬関連企業は少なく、どうしても狭き門になるのです。そこで、周辺の業界に広げて考える、あるいはまったく関連のない企業だけれど、求められる能力が一致しているところを探す、ということを考えてみてほしいのです。

Eさん そうですか。 

専攻にこだわる視点をずらしてみると、可能性が広がる

キャリアアドバイザー Eさんとお話していて私が考えたことは、仮にコミュニケーションがうまくできなかったとしても、コツコツとモノづくりができるなら、そういう能力のある人を求めている求人はいろいろあるということです。たとえば、そういった企業に目を向けてみませんか。…例えば、この企業です。技術系のモノづくりのアウトソーシングの企業で、機械や車の設計、製造にかかわる仕事です。

Eさん 考えてもみなかった世界ですが、興味はあります。書かれている募集の狙いを読んでも、しっくりきます。自分にとって、決して唐突な印象ではありませんね。

キャリアアドバイザー 農学系の学問領域は広いので、それだけ就職先も幅広いのが特長なんです。しかも実学ですから、問題解決に向けてさまざまな視点やアプローチで取り組む思考の訓練をしてきていますよね。それが仕事にとても役立ちます。さらに、農学系の学生さんは、Eさんのように、目的意識が明確で、勉強や研究に対するモチベーションも高く熱心な人が多くて企業サイドの評価も高い。ですから専攻へのこだわりを少し緩めて、志望業界や企業をちょっと広げるだけで、自分に合う企業が見つかりやすいんです

Eさん 研究内容と直結した事柄ならアピールしやすいんですが、異なる領域だと自信がなくて…。

キャリアアドバイザー 専攻分野の内容だけを見るのではなく、学んできた過程で身につけたことや、先ほどのモノづくりのように自分が得意とすることを洗い出してみてください。仮説を立てて結果を導き出す論理的思考ですとか、ひたむきに観察、研究できる情熱や継続力など。自分を見る目の広がりが、そのまま確実な企業選択、就職につながると思います。

Eさん よくわかりました。次からは、視点を変えて頑張ります。

キャリアアドバイザー あ、声も少し大きくなりましたよ!

Eさん ホントですか(笑)。まだまだでしょうが、次こそ頑張ります。貴重なアドバイスをありがとうございました。

 

その後…

Eさんは、技術系のアウトソーシングの企業の内定を取得した。内定承諾の際、「専攻を生かす」ということよりも「自分の強みを生かせる物づくりに関わる働き方ができる」点に、高い納得感があった、と報告があった。


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※本記事は、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが実際に就活生とやりとりした相談を参考に再構成しました。

記事作成日:2018年8月7日 記事更新日:2024年4月4日

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