選考がうまくいかずに落ち込んでるなら、『フットボールネーション』で就活を科学しよう!

連載タイトル「貸本屋店主が辛口エール 悩みに効くマンガ」

都内某所にひっそりたたずむ、知る人ぞ知る会員制のマンガ専門貸本屋「ゆたか書房」。会員の中には、店主のゆたか まりさんに人生相談をする人も。悩みに答えるアドバイスと共に、オススメのマンガを紹介してくれると聞きつけて、はるばる店を訪ねる就活生もいるんだとか。
就活や「働く」ことに悩んでいるあなたの意識を変えてくれるかもしれない、とっておきのマンガを、店主の独断と偏見で紹介します。

スポーツと同じで、うまくいかないのは“やり方”が間違っているからかも?

周囲がどんどん内定を得ていく中で、なかなか選考に通らずに焦っている学生さんもいるよね。「一生懸命やってるのに、どうして通らないの…?」「これって、自分に問題があるからなんじゃ?」ってどっぷり落ち込んじゃう人も多いけどさ、おそらく問題はそこじゃないと思うのよね〜。

そこで今回は、「な〜んだ、そういうことか!」と、ぐるぐる悶々としているその頭を切り替えるためのマンガをオススメしよう!

『フットボールネーション』1巻書影『フットボールネーション』(大武ユキ/小学館)
「日本をサッカー先進国にする」という大きな挑戦に向かい、天皇杯での優勝を目指す超無名のアマチュア・サッカーチーム、東京クルセイド。このチームの取材を命じられたサッカー誌のカメラマン緒方紫は、「脚のきれいな選手、求む!!」という選手の応募要項を見て、当初、「ふざけたチームだ」と思っていた。しかし、サッカー先進国である欧米式の考え方を取り入れた科学的なトレーニング方法に驚愕(きょうがく)する――。
©大武ユキ/小学館

一生懸命やってもお祈りされてしまうのは、キミ自身の人間性のせいじゃない

お〜い、内定をもらえなくて落ち込んでるみなさ〜ん!もしかして、誰にも会わず、部屋の片隅で膝を抱えちゃってたりしてないか〜い?

「こんなに頑張ってるのにお祈りされ続けるなんて、自分自身に問題があるんじゃないか」と、マリアナ海溝よりも深く絶望したりしてないか〜い?

大丈夫よ〜!多分それ、違うからっ!
キミ自身の人間性が問題なわけじゃないからっ!

人間誰しも短所だけじゃなくて、必ず何らかの長所があって、個性もあるものよね。
そして、企業もまた、「頭脳明晰(めいせき)」や「リーダーシップをとるのが得意」な人ばかり求めてるわけじゃないのよ。
「チームワークに向いてる」とか、「コツコツやれる」とか、「うちの会社の雰囲気に合う」とか、いろ〜んなとこを見てるもんなの。

お祈りされまくってる理由って、本当の自分の良さが伝えられていなかったり、自己分析や企業分析の視点がズレてたりすることが意外と多いんだと思うのよね。

例えばこれは“面接あるある話”なんだけどさ、「リーダー経験があるとポイント高いはず」と思い込んで、ちょい盛ってアピールしようと頑張っちゃう子って結構いるみたいなのよねえ。

まさか、「サークルの副代表としてみんなをまとめました!」な〜んて、実は副代表やってもいないのに、ちょい盛りしたりしてないよね?

代表よりもバレにくいと思ってるかもしれないけど、「わ〜お、また副代表が現れた!」って苦笑されてる可能性あるあるだわよ〜!

それとも、「バイトリーダーとして、売り上げ200%達成しました!」な〜んて、ちょい盛りの数字をアピったりしてないよね?
面接担当者が聞きたいのは、スゴい数字なんかより、キミが具体的にどんなことをして、そこでどう考え、どう成長できたかなのよ〜!「うちの会社で活躍してくれそうな子なのかな?」ってことなのよ〜!

あるいは、「サッカーやるなら、やっぱボランチしかないっしょ!」って思い込みが先行して、「企画がやりたいんですっ!企画部署じゃないと!」な〜んて、自分の適性も考えずに、やりたいことへの猛烈アピールかましたりしてないよね?

面接担当者は、それぞれの経験や考え方を聞いて、どんな人物なのかを把握・判断するプロなわけだから、「ほかの仕事の方が向いてそうなのに」「そもそも、自分で自分のことがわかってないのかも」って思われてるかもしれないよ〜?

そう。問題は、キミ自身じゃなくて、キミ自身の魅力や企業が知りたいと思っていることをきちんと理解して、伝えられているかってこと。
だから、そんなに自分のことを責めなくても大丈夫なのだよ!

『フットボールネーション』4巻、東京クルセイドと他のチームの選手の姿勢の違いを解説するシーン

▲脚のきれいな東京クルセイドの選手と、ずんぐりしたほかのチームの選手の体の違いや、それによるプレーへの影響について科学的に解説するシーン。このほかにも、「日頃の歩き方で怪我しやすい体になる」など、「え〜!」と驚くような解説シーンがたくさん登場する。

ダメな自分を責めるより、何がダメなのかという理由を発見し、やり方を見直そう!

そういうわけでね、今やってることがダメだと思っているのなら、そこには何らかのダメな理由があるってだけよ。そこを見直して、やり方を変えればいいってだけの話。自分を責めてストレス溜めるより、そこに時間を使う方が建設的ってもんよ。

例えば、スポーツでがむしゃらにうさぎ跳びするような練習しまくっても、うまくなるどころか体壊すよね?
それより、科学的に客観的にちゃんと分析して、直すべきとこ直す方が、よっぽど上達するじゃん?

就活もそれと同じでね、「やり方が間違ってたら逆効果ですよ」ってことなんだよね〜。
もうね、一人で膝抱えてても解決できないものなのよ。まずは、うまくいってる友人に考え方や方法論を聞いて取り入れてみたり、就活の相談ができる人に客観的なアドバイスをもらうことが大事。そうすれば、「自分の経験をもとに志望動機を考えてみよう」とか、「面接でこう話せばもっと伝わるかも」とか、変えるべき部分が見つかると思うよ〜!

さて、今回のオススメは、スポーツを科学するサッカーマンガ、『フットボールネーション』ですよ!

天才的サッカーセンスを持つ主人公・沖千尋を軸に、無名のアマチュアチームが天皇杯の優勝を目指す物語。日本のサッカーがなぜ海外サッカーと比べてまだまだなのかを、体の使い方から戦術・戦略の理解、さらには脳と運動能力の関係性まで、多様な角度から解説してくれるよ。ダメ選手が科学的な理解を深め、やり方を変えていくうちに、みるみる変化&成長していく姿も描かれていて、「そうか!自分も発想を変えればうまくいくかも」と思えるはず。

キミたちには出場できる試合がまだたくさん残されてるんだから、このマンガを読んで仕切り直してみない?

オススメのひとコマ

『フットボールネーション』4巻、田之上が「プロセスは同じでも…何かがーー根本的に違う……」と気づくシーン

「プロセスは同じでも…何かが――根本的に違う……」

客観的に自分を見つめ、「気づくこと」から人は変われる!

これは、Jリーグチームのユースに所属する選手・田之上が、東京クルセイドと対戦した時に、主人公・千尋と自分との根本的な違いに気づくシーン。日本式のサッカー教育を受けてきた彼は、海外サッカーのように華麗な試合展開をする千尋を見て、自分の才能に限界を感じるのだ。

しか〜し!絶望感に打ちひしがれつつ、彼はそこでは終わらなかった!東京クルセイドの練習場所に出かけ、自分も参加させてもらうのだ。
監督から科学的な体の使い方や考え方のアドバイスをもらったことで、彼のプレーは目に見えて変化し、「自分はもっと変われる」と思ったわけ。

で、何が言いたいかって?彼はダメな自分に腐ることなく、そんな自分を認めた上で、「なぜダメだったのか知りたい」と思って行動したのよね。おまけに相談した相手は、よりにもよって、自分が負けたチームの監督。これ、すごいことよね。

つまりさ〜、自分がもっと成長できるなら、それで状況変えられるなら、プライドなんかどーでもいいじゃん?ってことだよね。

「カッコ悪い」なんて思わず、友人でも先輩でもキャリアセンターの担当さんでもいいから、聞ける人にはどんどん聞いてヒントをもらっちゃった方がトクだし、それで結果を出す方がよっぽどカッコいいじゃない?

彼にアドバイスした監督の最後のセリフがこれ。「キミたちの向上心と真面目さは、発想をちょっと変えればすごい武器になるはずだ」。そう、キミの“一生懸命”の角度、ちょっと変えればすごい武器になるかもね!

ゆたか書房店主 ゆたか まり
都内某所で50年以上続く貸本屋「ゆたか書房」を引き継いだ3代目店主。毎月、50〜70冊程度の新刊マンガを入荷し、年間1000冊前後のチェックを続けている。2016年、旧店舗立ち退きにて、新店舗への移転を果たし、現在も会員の無理難題に応えながら、面白いマンガをオススメし、広めていくことをテーマとしている。(※会員制につき、いちげんさんへのマンガの紹介はお断りしています)

文/ゆたか まり

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「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
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