「本気になれない自分」に火をつけろ!熱くて泣ける『BLUE GIANT』

連載タイトル「貸本屋店主が辛口エール 悩みに効くマンガ」

都内某所にひっそりたたずむ、知る人ぞ知る会員制のマンガ専門貸本屋「ゆたか書房」。会員の中には、店主のゆたか まりさんに人生相談をする人も。悩みに答えるアドバイスと共に、オススメのマンガを紹介してくれると聞きつけて、はるばる店を訪ねる就活生もいるんだとか。
就活や「働く」ことに悩んでいるあなたの意識を変えてくれるかもしれない、とっておきのマンガを、店主の独断と偏見で紹介します。

本気になりたきゃ、まず始めてみること。そこから自分も世界も変わる

就活に対して、「イマイチ本気になれない」→「やりたいことがある人がうらやましい」→「でも自分はそういうタイプじゃないし」と、ドン引きスパイラルに入る学生さんって結構いるよね〜。だけど、本気に“なれる人”と“なれない人”の違いって、実は一つしかないんだよね。今回は、“なれない人”なキミを「本気になってみたい!」に変えてくれるマンガをオススメしようじゃないか!

『BLUE GIANT』(ブルージャイアント)書影『BLUE GIANT』(ブルージャイアント)(石塚真一/小学館)
宮城県・仙台市在住の男子高校生・宮本大(ダイ)は、バスケの部活を6年続けても「プロになれるとも、なりたいとも思えなかった」というごく普通の少年。
しかし、ジャズにはまり、サックスに情熱を燃やす中、「世界一のジャズプレーヤーになる」というデッカい夢に向かうことに。一歩一歩前進し、多くの壁を乗り越えて成長していくダイの姿に、心が突き動かされること間違いなし!また、彼を取り巻く人々の生き方や思いも描かれ、深く共感・感動できる。

 やりたいことや立派な目標がなくても、腹くくって目の前のことをやれば、何かが見えてくる!

「就活やりたくない病」にかかってる学生さんって、大きくは2種類に分けられると思うんだな。

まずは、「めんどくさい」派。やりたくなくても状況マズくなったら、渋々やる気出すタイプね。

これに対して、もっと根深いものを抱えてるのが、「自分、そういう人と違うんで」派なのよ。アツくなってる人を冷めた目で眺め、「自分はもともとそういうタイプじゃない」、「本気になるなんてカッコ悪い」と思いがちな、そこのキミですよ、キミ。

こういうみなさんって、「なんでもソツなくこなすのがクール」と思ってたりするとこもあって、就活し始めると大体こういう流れになるんだな。

「やりたいことも興味のある会社もない。そんな就活に意味などあるのか。あるはずがあるまい」と、何もしていないうちから悟りを開こうとする。

会社説明会に行っても、なぜか企業からもほかの学生からも心の距離を1万メートルくらい置き、「就活になんて本気になれないわ〜。自分、そういう人と違うんで」と斜めの構えを死守する。

「志望動機、思いつかないわ〜。まあ、ネットでちょっと調べたらイケるっしょ」と、なぜかここで余裕を醸し出す。

ソツなくエントリーシート(ES)を書き、面接で「ワタクシハー、社会ニ貢献スルタメニ、御社ヲ志望シマシテー」と、スマホの音声認識くらいの棒読みで志望動機を語るも、サクッとお祈りされてしまう…。

いやー、これはイカン流れでしょ!
ズバリ言えば、本気に“なれる人”と“なれない人”の違いって、「本気で何かをやってみようと決め、実際に本気で行動したかどうか」ってだけなのよ。

“本気になれない人“って、なぜか知らんけど、自分の気力と労力を温存したがるのよね。例えるなら、自転車に乗れない人が、 「本気で行きたい場所もない自分に乗れるだろうか、乗る意味があるだろうか」と、 自転車の真ん前に突っ立ったまま問答してるのと同じだね。いや、乗ることにそんな深い意味、求めんでも・・・。

あげくの果てには、「別に今すぐ自転車乗りたいわけじゃないし~?その気になったらすぐ乗れるし~?」と、誰も求めてないのにクールに自分語りを始めたりする。

「あの~…。つべこべ言ってる間に、とりあえず乗ってみりゃ良くね? 」って、ツッコミ入れたくなりませんこと?

そう。「就活に本気になれない」というキミは、これと同じ状態なのよ。最初からやりたいことや立派な目標がなくても別にいいんだってば。そこにこだわって何もしなかったら、ひとつも前に進まないんだってば。

まずは自転車に乗ること=目の前のことを本気でやればいいのよ、ほら簡単!それで乗れるようになって走り出せば、やがて「こんなとこ行ってみたい(=こんな会社に入りたい)」が見つかるってもんなのよね~。

「BLUEGIANT」1巻ダイが初めて人前でサックスを吹くシーン
▲河原で独学での練習を続ける主人公のダイは、楽器店の主人からライブハウス出演のチャンスをもらう。次のステップに向かうため、「すべて を出し切る」と意気込むが、そこにはまた新たな壁が待っていた。

「自分なんてこんなもん」を乗り越えれば、見えてくることがある

何かを本気でやり始めると、いろんなこと考えるし、いろんなことが見えてくる。
それでもって、共感&応援してくれる人も出てくるもんなの。
「どうしていいかわからない」って状況でも、本気になって動き出せば、自分も世界も変わるのですよ!

というわけで、今回のオススメは“本気”の大事さを実感できる『BLUE GIANT』。

ごく普通の高校生男子が、サックスに目覚めて、「世界一のジャズプレーヤー」を目指し、壁を乗り越えて成長していく物語。
スポ根でもファンタジーでもなく、リアルな絶望と希望が描かれてるのよ。
本気ですべてをぶち越えていく、マジ泣けるほどにアツい姿を体感すれば、「自分もこんなふうになりたい!」って、ハートに火がつくハズ!!

「自分なんてこんなもん」と思ってる人間は、「こんなもん」な人生しか送れないのがこの世の常。そうなりたくないなら、ブツブツ言ってないで、とりあえず読むことから始めてみない?

オススメのひとコマ

「BLUEGIAANT」7巻「君のピアノはつまらない」のシーン

「君のピアノは、つまらない」

本気を出さずに臨んだ面接なんて、通用しない!

これは、ダイとジャズバンドを組むピアニストのユキノリが、オーディションを受けた後にダメ出しを食らうシーンなのよね。要領のいい彼は、「こんな感じで演奏すれば通るだろう」と思っていたけど、「つまらない演奏」と一刀両断されちゃうわけ。

さて、このヒゲのおじさんを面接担当者だと考えてみよう。そして、「ピアノ」という単語を「志望動機」に置き換えてみよう。

「これなら通るかな」程度のものじゃ、面接担当者にはあっさり見破られちゃうのよね。面接担当者は、自分の仕事に使う時間を割いてまで、キミたちと本気で向き合おうとしてるのよ。本気で一緒に働く仲間を探してるし、採用活動や新人の教育費って結構なお金もかかるから、とにかく彼らは本気中の本気!

そこに本気じゃない学生が登場したなら…。私なら「何しに来たのよ!?」って思うわなあ(笑)。

面接担当者も人間だから、やっぱそう思うんじゃない?うまいことやろうとする人より、本気でぶつかっていく人の方が、よっぽど好感持たれるものなのよね。

プロフィール
ゆたか書房店主 ゆたか まり

都内某所で50年以上続く貸本屋「ゆたか書房」を引き継いだ3代目店主。毎月、50〜70冊程度の新刊マンガを入荷し、年間1000冊前後のチェックを続けている。2016年、旧店舗立ち退きにて、新店舗への移転を果たし、現在も会員の無理難題に応えながら、面白いマンガをオススメし、広めていくことをテーマとしている。(※会員制につき、いちげんさんへのマンガの紹介はお断りしています)

文/ゆたか まり

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
マジメ系じゃないけどみんなが気になる就活ネタ。
聞きたくても聞けない、ホントは知りたいのに誰も教えてくれないこと。
なかなか就活を始める気になれないモヤモヤの正体。
そんなテーマを取り上げて、ぶっちゃけて一緒に考えていきましょう。

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