2015年3月以降、就活にかかった交通費は?
内定を得て就活を終えた短大2年生、大学4年生、大学院2年生に、2015年3月に就活をスタートしてからかかった交通費の額を尋ねたところ、全体の平均は4万8633円。しかし、内訳を見ると、その半数以上となる53.6%は1万円以下で収まっていた。その一方で、10万円を超えた就活生も18.5%に上り、2極分化の傾向が見られ、交通費が多くかかった学生によって全体の平均額が押し上げられたことがわかった。交通費が一番多くかかっていた学生たちは、交通費だけで50万円ほどがかかっており、特に九州地方の学生が多かった。
属性別では、大学生の平均額4万6867円と比べて、大学院生の平均額が6万2538円と高く、対して短大生の平均額は1万9212円と極端に低くなり、大きく差が出る結果となった。
学生の居住地域別に見ると、首都圏は3万4957円、東海圏は4万1948円と、平均より少ない一方で、関西圏が5万3798円、そのほかの地域が6万7273円と、全体平均を上回る傾向が見られた。
2015年3月以降、就活にかかったほかの費用は?
続いて、就活にかかったほかの費用について尋ねたところ、「スーツ代」「靴代」「バッグ代」「シャツ・ブラウス代」「ネクタイ代」のうち、一番高かったのはスーツ代で、平均額は4万円近くに上った。「靴代」もほぼ1万円となり、「バッグ代」「シャツ・ブラウス代」が8000円前後となった。
「もともと持っていて買わずにすんだ」「手持ちのもので代用した」「家族や先輩からもらった」などの理由で買わずにすませた学生の割合は、「バッグ代」が一番多く、約3割の学生が、就活用に新たにバッグを買わなかった。反対に、シャツ・ブラウスを買わなかったのはわずか1.8%にとどまり、ほぼ全員が就活のためにシャツやブラウスを購入したことがわかった。
●同じ日に何件かの用事があるときには、地下鉄の1日乗車券を使う。(介護・福祉会社内定/心身科学部)
●長距離の移動は、新幹線よりも安い高速バスを利用。バッグは姉に借り、大学で使える無料ラウンジを利用して着替えや休憩をするようにした。(宮城県在住/地方自治体内定/農学部)
●食費を減らす。同じ店で食べるようにしてポイントをためて、1回分無料を狙う。友達と一緒に食べて、友達の分のポイントをもらうこともあった。(証券会社内定/経済学部)
●通学定期を、ポイントの付く交通ICカードに変えた。(専門商社内定/法学部)
●航空チケットと宿泊費セットの格安プランを探した。(北海道在住/化学メーカー内定/大学院工学院)
●私服での面接ばかりだったので、その都度そろえるとスーツ代より高くなると考え、なるべく手持ちの服を、組み合わせを変えて着るようにした。(アパレルメーカー内定/短大生活デザイン学部)
●極力JRの学割を申請。また、バス・タクシーを使わず徒歩で移動するようにした。(山形県在住/不動産会社内定/人文学部)
●スーツや靴は入学式で購入したものを使用。バッグは姉のお下がりを使いました。(インフラ系企業内定/文学部)
●夜行バスで移動し、宿泊にはカプセルホテル、ネットカフェを使う。(石川県在住/精密機器メーカー内定/大学院自然科学研究科)
●自転車で行けるところは自転車で行った。(小売会社内定/現代文化学部)
●就活関連書籍を、年上の彼氏や先輩から譲ってもらった。(食品メーカー内定/言語文化学部)
●1駅分なら歩く。カフェには入らず、ファストフード店の100円コーヒーで空き時間をつぶす。(銀行内定/法学部)
交通費とほかの出費をトータルすると、9万円近くの出費になるのね。これに飲食費が加わると、ざっと10万円以上かかると見積もっておくべきなのかも。先輩たちの話では、就活が始まると、アルバイトも今までのようにはできなくなるというから、就活を始める前に就活資金をためておくと良いみたいね。それにしても、「年上の彼氏から就活関連図書を譲ってもらった」というアナタ! ちょっとうらやましすぎるわよ。あとで体育館裏に来なさい!
文/日笠由紀 イラスト/中根ゆたか