「必着」「消印有効」とは?ギリギリなときにできること・NGなこと

就活で企業に履歴書やES(エントリーシート)などを送るとき、「必着」や「消印有効」が提出条件になっていることがありますよね。これは一体どういう意味でしょうか。また、「必着」と「消印有効」とでは何が違うのでしょうか。そして、書類の送付が締め切りのギリギリになってしまった場合に、何か有効な手だてはあるのでしょうか?さらに、万一間に合わなかった場合のリカバリー策はあるのでしょうか?企業への応募書類の送付に関するさまざまな疑問について、人事・採用コンサルタントの西村武士さんに答えていただきました。

西村武士さんプロフィールカット

プロフィール西村武士(にしむら・たけし)

実践型就活&キャリアデザインゼミナールReaL代表。都内カーディーラーでトップセールスとして活躍したのち、大手人材紹介企業、コンサルティングファームでの採用統括マネージャーを経て2012年より独立。大手からベンチャーまで幅広い企業規模の採用コンサルティングや、企業研修の企画実施に従事。スポーツ選手のキャリア研修も手掛ける。また、「全国就活学外ゼミ」である、実践型就活&キャリアデザインゼミナールReaLは15年間で1030名の卒業生を輩出し、現在も全国8拠点で大学生が主体的に活動中。

「必着」「消印有効」について知っておきたい基礎知識

「○月×日必着」の意味は?

「○月×日必着」とは、指定した期日の○月×日までに履歴書やESが届いた場合に限り、応募書類を受け付けますという意味です。つまり必着=受付期間の最終日までに必ず届くことであり、指定日ピッタリに届かせるという意味ではないので注意してください。

ここで知っておいてほしいのは、企業によって必着の基準が微妙に違うかもしれない点です。その日の到着分をすべて有効とするところもあれば、18時までなど時間で切る、あるいは採用担当者の手元に届くことを条件にしているケースもあります。もし担当者がいつもより早めに17時で退社した後、書留や速達で応募書類が届いたら、果たして間に合ったとジャッジされるか、非常に微妙なところですね。ですから必着当日に届くような送り方は極力避けた方が良いでしょう。

郵便ポストに企業への書類を投函するイメージ

「○月×日消印有効」の意味は?

「○月×日消印有効」とは、指定した○月×日当日までの消印が押されている場合に限り、応募書類を受け付けますという意味です。消印とは、郵便切手やはがきなどが使用済みであることを示すために押印されるもの。日付は郵便局が郵便物を受け付けた日なので、郵便局の窓口から差し出す場合は「消印有効」の当日であれば、締め切りに間に合うことになります。

多くの郵便局の営業時間は9時~17時ですが、「ゆうゆう窓口」が設置された郵便局では、24時間営業しているところがあります。そこであれば極端に言うと、その日の23時59分までに持ち込めば、当日の消印を押してもらうことが可能です。

(編集部注:新型コロナウイルスの影響で、2020年春以降、「ゆうゆう窓口」の営業時間を大幅に短縮している郵便局が多くあります。持ち込み予定の郵便局の営業時間については、必ず事前に確認ください。)

 

窓口ではなく郵便ポストに投函(とうかん)する場合は、消印が押されるまでにタイムラグが生じるので注意が必要です。もしその日の最終の回収時刻が過ぎていて、翌日回収になってしまえば、押される消印も翌日のものになってしまいます。締め切り間際で確実に消印有効に間に合わせたいのであれば、郵便局の窓口を利用した方が良いでしょう。

普通郵便で送付するとき、気をつけるべきことは?

郵便局で普通郵便を出して相手に届くまでの日数は、同じ都市区内であれば翌日、それ以外なら2日〜3日が一般的(離島等を除く)。ただ、気象条件や交通状況にも影響を受けるので、配達にどのくらい時間がかかるかは一概に言えないものです。

その意味で「必着」という締め切り方は、企業側には期日が明確で都合が良いのですが、送り手の就活生としてはある程度余裕を持って発送しないと、配達状況によって遅れてしまう危険があります。逆に「消印有効」は、送り手が郵便局で期日までの消印を押してもらえば、とりあえずクリアです。遠隔地のため配達に時間がかかり、ほかの応募者より1日、2日到着が遅れたとしても、書類は受理されます。

「締め切りギリギリ」なときにやっていいこと・NGなこと

速達で送付するのはOK?

必着日に間に合わせようと頑張った気持ちは通じるので、必ずしもNGとは言えません。速達を利用したことが直接の原因になって、応募書類に目を通してもらえなかったり、書類選考で落とされたりすることもないでしょう。ただ締め切りギリギリで慌てて速達を利用する状況自体が、すでに選考では不利に働いてしまうケースもあると考えられます。

宅配便やメール便で送付するのはOK?

これはNGです。なぜかというと、実は履歴書やESを企業へ宅配便やメール便で送るのは、法律に違反するからです。
郵便法では「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」を「信書」とし、「信書」を送ることができるのは、日本郵便が扱う定形・定形外郵便やはがき、レターパックなどに限定しています。
学生が企業に送る履歴書やESも「信書」に当たり、これらを上記以外の方法で送付すると、運送業者と送り主の両方が郵便法違反になります。だから、もし宅配便の窓口で中身を確認されて、企業への応募書類だということがわかれば受け付けてはもらえないでしょう。

知らずに送ってしまった場合、何事もなく受理されるケースもないとは言えません。でも法令を厳格に守ろうとする企業なら、届いた時点で選考対象から外されてしまう可能性があります。どちらにしても違反なので、応募書類を宅配便やメール便で送ってはいけません。

バイク便で送付するのはOK?

OKともNGとも言えません。送り先に与えるインパクトは強いと思いますが、それがどう判断されるかは、業界やその採用担当者次第です。ベンチャー企業や広告代理店などのクリエイティブ系の企業であれば、こうした応募書類の提出方法を面白がってくれる可能性もあります。逆に金融などの堅めな業界では、少し印象が良くないかもしれませんね。

直接企業に持参するのはOK?

やはりOKともNGとも言えず、どうなるかは企業や採用担当者の判断によります。担当者が認めてくれれば受け付けがOKになる場合もありますが、「いつも行動が締め切りギリギリなんだろうな」という印象を持たれても仕方がないところです。規則を重んじる企業であれば、受け取りを拒否されてもやむを得ません。これはあくまでも最後の手段だと考えた方がいいと思います。

必着日・消印有効日に遅れた場合はどうなる?

締め切りに遅れて選考を受けられる可能性は?

応募書類の「必着」「消印有効」といった期限は非常に厳格に守られるものです。つまり、1日でも遅れてしまった場合には選考を受けられる可能性はほぼありません。1人でも例外を認めてしまえば収拾がつかなくなりますから、どの企業も厳しく対応するはずです。

また、相手先企業の郵便番号や住所を書き間違えて配達が遅れたり、郵便料金が不足して返送されたりして期限に間に合わなくなった場合も、送り手側の責任なので救済されることはほぼないでしょう。

災害で応募書類が遅れたり、返送されたりした場合は?

地震や台風などの天変地異の影響で、大規模な郵便物の遅れが予想される場合は、企業側がなんらかの方針を打ち出して、学生に告知することが考えられます。例えば「○○の影響を受けてESの締め切りを○日延長します」「以降の到着分も受け付けます」などの策が出される場合があるので、あきらめずにまずは企業のホームページなどを確認しましょう。

また、電話ができる場合は、告知を待つだけでなく自分から問い合わせをするのも良いでしょう。

「締め切りギリギリ」は採用担当者を困らせる

応募書類は早く出すほどじっくり読まれる

ここまで書類の締め切りについてお話ししましたが、結論として言いたいのは「必着」「消印有効」にかかわらず、受付期間のなるべく早い時期に送付するのが望ましいということです。
就活生には「期日の1週間前が締め切り」と考えて、必着日よりも1週間早く企業に届くように応募書類を準備し発送することを勧めています。募集期間を第1次、2次と何度かに分けている場合でも、なるべく第1次締め切りに間に合わせた方がいいでしょう。

なぜかというと、どんな企業でも、就活の応募書類は締め切り間際にドッと集中してしまうからです。受け付けを開始してすぐの時期は1日に届く件数が比較的少ないため、採用担当者もゆっくり目を通すことができます。しかし後半に行くにしたがって増え、最終日に数千通も届くとなると企業側は対応が大変です。就活生にとっても、自分の履歴書やESが多くの書類の中に埋もれてしまう結果となるので、あまり得だとは言えないでしょう。

ビジネスマナーは相手を思って守るもの

それでも、どうしても締め切りギリギリになりそうな場合は、とにかく相手に読もうと思ってもらえる応募書類を出すことが大事です。誤字・脱字がなく文字が丁寧なのはもちろんのこと、用紙や封筒を汚さないように気をつけて、その企業で働く意欲を記した添え状も入れておくといいかもしれません。

もちろん、いつも折り目正しい応募書類を作り、締め切りに余裕を持って送るのが理想なのは言うまでもありません。就活生には、自分が書類を送った企業にも人がいること、そして、その人たちが守らなければいけない締め切りもあることを、頭の隅に置いて行動してほしいと思います。

取材・文/鈴木恵美子
編集/鈴木健介

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