【例文あり】「働く上で大切にしたいこと」の答え方|見つける方法、具体例、注意点も紹介

面接で聞かれやすい質問の一つが「働く上で大切にしたいこと」です。しかし、学生の場合は「社会人になったことがないからわからない」「働くことのイメージができない。どう答えればいいの?」と思う人も少なくはないでしょう。

そこで、「働く上で大切にしたいこと」を見つける方法や答え方、具体例、注意点などをリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーに聞きました。回答例文もご紹介するので、参考にしてみてください。

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「働く上で大切にしたいこと」を質問する意図

まずは、企業が「働く上で大切にしたいこと」を質問する意図について解説します。

仕事に対する価値観を知りたい

企業は、「働く上で大切にしたいこと」を通じて、仕事に対する価値観を知り、「自社の働き方に適性があるか」「自社の文化にマッチしている人材か」を見ています。会社組織に属して働く場合は、社内外の多くの人と協力して仕事をすることが必要になります。そのため、企業文化や働き方と本人の価値観がマッチしていることは、長く働き続けていくための大事なポイントと言えます。

働くことに対する意欲や姿勢を知りたい

働くことに対してどのような意欲や姿勢を持っているかも見ています。学生の場合、アルバイトの経験はあっても「社会人として仕事を経験したことがない」という人がほとんどでしょう。しかし、自分なりに「働くこと」について考え、「社会人となって働く際にこうしていきたい」という意欲や姿勢を持っていることが大事です。企業は、そうした部分から自分自身でモチベーションを持って働ける素養があるかどうかを判断しています。

仕事に対する責任感が知りたい

入社後、自分の仕事に責任感を持って取り組めるかどうかも見ています。例えば、「約束や期限を守って働く」「任された仕事をやり遂げる」「苦手な相手でも仕事を遂行するために信頼関係を構築する」など、働く上で大切にしたいことの内容から、具体的にどのような部分に責任感を持つのか知りたいと考えています。

コミュニケーション力を知りたい

働く上で大切にしたいことを通じて、仕事を進める際に、人間関係やチームワークにおいてどのようにコミュニケーションするのかも見ています。背景のエピソードなども含め、本人のコミュニケーションスタイルが自社の働き方にマッチするのか、人と積極的にかかわっていく意欲があるのかを判断しています。

「働く上で大切にしたいこと」を見つける4つの方法

ここでは「働く上で大切にしたいこと」を見つける方法をご紹介します。

「自分なりに考えたけれど、正解がわからない」と悩んでしまう人もいますが、そもそも人それぞれに考え方や価値観は違うため、これが正解と言える回答はないものです。正解を求めて悩むのではなく、「現時点の自分自身として大事にしたいと思えること」を探す意識を持ち、以下の方法を実践していきましょう。

1:集団で取り組んだことを振り返る

部活動やサークル活動、アルバイト、ゼミ、ボランティア活動など、これまでの経験の中で、人と一緒に何かの目標に向かって取り組んだり、やり遂げたりしたこと、やりがいを感じた瞬間、うれしかった出来事などを洗い出してみましょう。

具体的にその経験を振り返り、自分がどのような役割を果たしたのか、その際にどういったことを心がけていたのかを考え、「自分は何を大切にしたいと思うのか」を言語化していくことがポイントです。

2:希望する職種や仕事内容から考えてみる

希望する職種や仕事が明確な場合は、そこに必要な能力は何かを考えてみる方法があります。

例えば営業職の場合は、「顧客との信頼関係を構築する力」「課題を発見する力」「相手に寄り添う提案力」「フットワーク軽く行動できる力」などが挙げられるでしょう。

希望職種に求められる能力に対し、そこに重なる力を発揮した過去の経験を洗い出した上で、「なぜその力を発揮したいと思ったのか」「なんのため、誰のためにその行動を取ったのか」などを深掘りしていけば、自分として大切にしたいことが見えてくるでしょう。

3:将来、自分がなりたい像から考えてみる

仕事を通じて、自分が将来どのように活躍したいのかを考えてみましょう。例えば、「チームをまとめる存在になりたい」「新規事業の立ち上げに携わりたい」など、仕事で実現したいことを考え、そこに必要な力について考えることがポイントです。

その上で、必要とされる力に近いものを発揮した経験や、うまくいかなったことで「そうした力が必要だ」と感じた経験などを洗い出し、「自分の理想の姿を実現するためには、何を大切にすることが必要なのか」を掘り下げていきましょう。

4:社会人に質問してヒントを探してみる

周囲にいる社会人に「働く上で大切にしていること」「仕事で心がけていること」を聞いてみることもお勧めです。OB・OG訪問を行ったり、大学の先輩やアルバイト先の知人などに話を聞いたりすれば、さまざまな価値観を知ることができます。その中から共感できたり、「自分もそうなりたい」と思ったりした話をヒントに、自分なりの価値観を掘り下げてみましょう。

「働く上で大切にしたいこと」の答え方のポイント

ここでは、「働く上で大切にしたいこと」の回答の構成と、答え方のポイントを紹介します。

回答の構成

回答の際には、以下の構成を参考にしてみると良いでしょう。

<回答の構成>
1:結論=働く上で大切にしたいこと
2:根拠となるエピソード
3:入社後に大切にしていきたいこと

冒頭では、端的に「結論」を伝え、何を大切にしたいのかわかりやすく伝えましょう。その上で、根拠となる具体的な「エピソード」を伝え、説得力を持たせることがポイントです。

最後に、「入社後に大切にしていきたいこと」として、どのような場面でそれを役立て、どういったことに貢献していきたいのかを伝えると、入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

以降で、回答の際に意識したいポイントを解説します。

志望する企業にマッチしていることを伝える

志望する企業の働き方や企業文化、志望職種の仕事内容などにマッチしない内容を伝えた場合、入社後に活躍する姿をイメージしにくいと言えます。

例えば、個人で成果を上げることを重視する企業の場合は、「チームで団結することを大切にしたい」と伝えても、自社の働き方にマッチしていないと判断されるでしょう。また、「成果物の正確性を大切にしたい」という場合は、アイデアを発想する職種より、数字の正確性や分析力などが求められる職種に適性があると判断される可能性があります。

「自社にマッチしていない」「志望職種に対する適性がない」と判断されないためにも、きちんと企業研究を行い、マッチしている内容を伝えることがポイントです。

抽象的な表現でなく、具体的に話す

「責任感を大切にしている」「人間関係が大切だと思う」など、抽象的な内容のみを伝えても、自分の人間性や価値観が伝わりにくいでしょう。

「このようなことに対する責任感が大切」「人間関係においてこういった部分を大切にしている」など、なるべく具体的に回答することが大事です。

また、根拠となるエピソードでは、数字なども交えて具体的にどのような状況があったのかを説明した上で、自分はどう考えてどう行動したかまで伝えることも重要です。

相手が背景までしっかりイメージできる内容を心がけると良いでしょう。

自分が体験したエピソードを話す

人に聞いた話をそのままにするのではなく、アルバイトや部活動など、実際に自分が体験したエピソードを話すことで、説得力を持たせることができます。

社会人に話を聞きに行った結果、「こういう部分に共感して、自分も大切にしたいと思った」という場合には、その行動そのものをエピソードとして伝えることに問題はありません。しかし、自分自身に置き換え、なぜ大切だと思うのかをきちんと掘り下げることが大事です。過去の経験を振り返り、そうした力や考え方を大切にすることが必要だと思った出来事を探し、自分自身の根拠も明確にしておきましょう。

自己PRで話す強みと一貫性を持たせる

「働く上で大切にしたいこと」の回答では、「入社後にどうそれを生かすのか」まで伝えることで、自分の強みもアピールすることができます。

しかし、自己PRで話す強みとの一貫性がない場合は、「説得力がない」「自己分析の掘り下げが足りない」などと思われてしまう可能性があります。反対に、回答内容に一貫性があれば、強みの説得力をより増すことができるでしょう。そのほかの質問に対する回答と一貫性を持たせることが大事です。

「働く上で大切にしたいこと」を答える際に避けたいこと

面接で回答する際に避けたいことも把握しておきましょう。

「今の自分にはわからない」と回答することは避けたい

「社会人として働いた経験はないからわからない」と回答するのは避けた方が良いでしょう。「働くことをイメージできていない」「自己分析の掘り下げが足りない」と判断される可能性があります。実際に社会人として仕事をしたことがなくても、自分なりの価値観を明確にすることが大事です。先に紹介した「働く上で大切にしたいこと」を見つける4つの方法を参考にしながら、自分が大切にしたいと思えることを探してみましょう。

働くことへのモチベーションが低いと思われる回答も避けた方が無難

「ストレスをためないためになるべく残業をしない」など、働くことに対するモチベーションが低いと判断されるような回答は避けた方が良いでしょう。企業は仕事で活躍・貢献してくれる人材を求めているものなので、働くことに前向きであることを大前提としているはずです。

「残業をしないこと」を大切にしたい場合でも、「常に仕事のモチベーションを保つために、メリハリをつけて働くことを大切にしたい」「無駄な残業をせず、効率的に成果を出すことを大切にしたい」など、前向きな意欲を伝えることが大事です

また、「寝坊することが多いので、遅刻しないように気をつけたい」など、社会人にとって当たり前とされていることを回答した場合は、「働くことに対する心構えができていない」と思われてしまうでしょう。

「働く上で大切にしたいこと」の例一覧

「働く上で大切にしたいこと」の例一覧を紹介するので、自分に当てはまることを探してみましょう。

  • 信頼関係
  • 人間関係
  • 責任感
  • コミュニケーション力
  • チームワーク
  • 協調性
  • 思いやり
  • 向上心
  • 主体性
  • チャレンジ精神
  • 目標達成
  • 計画的な行動
  • 規律を守る
  • 正確性

「働く上で大切にしたいこと」を聞かれた際の回答例文

「信頼関係」「責任感」「向上心」を大切にする回答例文をご紹介します。自分の回答を考える際の参考にしてみましょう。

「信頼関係」を大切にする例文

「一緒に働く仲間と信頼関係を築くこと」を大切にしたいと思っています。

飲食店のアルバイトで、シフトによって一緒に働くメンバーが変化することがよくありましたが、お互いに信頼関係が成り立っていないメンバーと働くときは、同じ仕事内容でも時間がかかってしまうことを感じていました。一緒に取り組むメンバーとの信頼関係があるかどうかによって、チームとしてのモチベーションも変化し、成果にも差が出るのではないかと考えています。また、信頼関係があれば、お互いの進捗(しんちょく)状況などを共有する動きも活発になりますし、何かトラブルがあっても安心してヘルプを求めることができると思います。

御社に入社後も、一緒に働く仲間との関係構築を大事にし、働く雰囲気を良くしながら生産性の向上につなげていきたいと考えています。

「責任感」を大切にする例文

私は、自分の役割を果たす責任感を大切にしたいと思っています。

学生寮の寮長を経験した際、設備利用のルールを守らない人がいたため、寮生から不満の声が上がったことがありました。そこで、すぐに寮生全員に向けた集会を開催し、ルールを守ることが必要な背景を伝えた上で、全員にルール順守をお願いしました。施設内の各所に貼り紙もし、ルールの周知を徹底した結果、改善することができました。不満の声もなくなり、寮内のムードも良くなったと感じます。それまで私は、人前に出ることが得意なタイプではありませんでしたが、「みんなが快適に過ごせるよう、寮長としての役割を果たしたい」という責任感によって頑張ることができたと思います。

社会人となった後も、自分の仕事が誰のためになっているのかを考え、責任感を持って働いていきたいと考えています。

「向上心」を大切にする例文

私は、常に向上心を持ち続けることを大切にし、成長していきたいと考えています。

大学では陸上部に所属し、自己ベストの記録を更新するために、フォームの改善や食事管理など、あらゆることを行いました。先輩も同期も後輩も、みんな「前回の記録よりも少しでも良い結果を出したい」という思いを持ち、毎日コツコツと努力を重ねていたので、記録が伸びずに苦しい時期も、お互いに刺激を与え合って乗り越えていきました。周囲に向上心の高いメンバーがいる環境に身を置くことで、自分もさらに高みを目指すことができ、結果的に成長できたことを実感しています。

仕事においても、常に向上心を持ち続け、より高い目標を達成し続けていきたいと思いますし、向上心のある仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)しながら一緒に成長していきたいと考えています。

「働く上で大切にしたいこと」と似た質問をされたらどうすればいい?

「働く上で大切にしたいこと」と似ている質問をされるケースは少なくないため、「何が違うのか」「どう答えればいいのか」と焦ってしまう人もいるでしょう。それぞれの違いについて解説するので、回答の参考にしましょう。

「あなたにとって仕事とは」との違いは?

「あなたにとって仕事とは」と質問する場合、仕事そのものに対する価値観を知りたいという意図があります。「仕事に対して求めていること」「仕事を通じて実現したいこと」などを回答すると良いでしょう。一方、「働く上で大切にしたいこと」では、仕事を進める際の価値観について聞かれています。混同しないように注意しましょう。

「あなたが大切にしている価値観」との違いは?

「あなたが大切にしている価値観を教えてください」という質問では、働くことに対する価値観や仕事を進める際の価値観ではなく、「人生そのものにおける価値観」を聞かれています。家族、友人、お金、趣味、仕事、生きがいなど、幅広いことの中から大切にしていることについて回答しましょう。

「仕事をする上で大切にしたいこと」との違いは?

「働く上で大切にしたいこと」と同じ意図で質問していると考えて良いでしょう。また、「社会人になったら大切にしたいこと」を質問された場合でも、同様のことが言えます。

「働く上で大切にしたいことも質問されるかもしれない。回答内容を変えた方がいいのでは?」と悩む人もいますが、自分が最も大切にしている価値観を伝えるためにも同じ内容を回答しましょう。

面接担当者は限られた面接時間の中で、より多くの側面を知りたいと考えています。そのため、一回の面接の中で同じ意図の質問をするケースはほとんどないので、心配する必要はないでしょう。また、もしも同じ意図の質問をされた場合でも、一貫性がある回答をすることが大事なので、「先の質問でお話ししたことと重なりますが」などの前置きをして、同じ内容を伝えると良いでしょう。

「働く上で大切にしたいこと」にどう答えればいいか困ったらリクナビ就職エージェントに相談しよう

「働く上で大切にしたいこと」の答え方のポイントや例文を見ても、自分ならではの回答が思いつかない場合もありますよね。そういったときは、リクナビ就職エージェントを活用するのがお勧めです。あなた専任のキャリアアドバイザーが履歴書の添削や面接アドバイスなどをマンツーマンで行いますので、回答に困ったら一度相談してみてください。


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プロフィール 川越 杏子(かわごえ・きょうこ)新卒領域のキャリアアドバイザー経験を経て、現在、同領域のマネジャー職に従事。より多くの学生さんが、就活経験を通じて自身の「らしさ」を知り、「働く」の解像度を上げた上で「意志」ある意思決定ができるよう、サービス向上に向き合っている。

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記事作成日:2023年9月26日 記事更新日:2024年2月1日

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