理系におすすめの仕事と職種&学部・専攻別の就職活動の進め方とコツ

理系が活躍しやすい仕事を紹介するほか、就職に専門性をどう生かすか、研究と両立しやすい就活スケジュール、学部・専攻別の就活のコツなど、理系就活の進め方を網羅。企業の採用担当者が理系学生をチェックするポイントや、効率的に就活を進めるための解決策をリクナビ就職エージェントがアドバイスします。

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理系学生が活躍しやすい仕事・職種9選

これまで多くの理系学生の就活をサポートしてきたリクナビ就職エージェントの経験を基に、理系学生が活躍しやすく、積極的に理系学生の新卒採用をしている企業の主な理系職種のうち代表的な9つを紹介。それぞれの仕事内容と採用に当たり企業がよく見ているポイントを解説します。

<理系学生が活躍しやすい仕事・職種9選>

  1. 研究開発
  2. 設計
  3. 生産技術
  4. 品質管理
  5. SE
  6. 組み込みエンジニア
  7. MR・臨床開発
  8. 金融専門職(アクチュアリー・アナリストなど)
  9. 営業・フィールドエンジニア

1.研究開発

研究開発は、商品の根幹となる研究を行う仕事です。要素技術開発とも呼ばれ、一般的には将来的な商品展開など、その素材が何に役立つかを考えながら研究を進めていきます。一つの研究テーマ(技術開発)が実を結ぶのに5~10年かかるケースも多い一方で、働く人数の多さが売り上げや成果に直結するわけではないため、企業は人材の育成や研究に対する投資を重視する傾向にあり、採用数の少ないポジションでもあります。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 論理的思考力:話の流れがロジカルか、理解やのみ込みが早いか。
  2. 研究:内容はもちろんだが、主体性を発揮しているか。自分で0から考えることができているか。

※研究開発職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

2.設計

設計は、素材、形状のデザインや機能的に問題ないかなどを一つひとつチェックしながら商品の設計図を開発する仕事です。この仕事は実製品を作成するすべての部署とかかわるため、仕事を進める上での関係者も多くなりがちです。そのため、スケジュール管理なども求められるでしょう。オフィス内で、マーケティングデータや自社技術を生かした商品の設計をPCや図面で行うことも多いようです。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 人柄:他部署との調整業務も多くなるため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。
  2. 研究:高い専門性よりは、基礎知識がしっかりしているか。

※設計職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

3.生産技術

生産技術は、効率的に商品を作るにはどうすれば良いのか、ということを突き詰めて考える仕事です。例えば品質・コスト・スピードの面で最適な生産システムや生産ラインの計画と具現化などを行います。これまでの新卒採用の傾向を見ていると、理系総合職や技術系総合職として入社した際に配属される可能性が高い職種のうちの一つです。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 人柄:製造現場との仕事も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。
  2. 研究:高い専門性よりは、基礎知識がしっかりしているか。

※生産技術職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

4.品質管理

品質管理は、顧客に提供する製品やサービスに対して、一定の品質を備えていることを保証するための検査や検証をしたり、品質向上などを目的に管理体制を整備・設計したりする仕事です。全体を俯瞰(ふかん)し、事前にリスクを回避したり、コントロールしたりすることが求められるため、工場などの現場を理解する力と、現場で働く人たちを束ねていくマネジメント力なども鍛えられるでしょう。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 人柄:社内外の関係者と会話する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるかまた、困難な状況に粘り強く取り組むことができるか。
  2. 研究:高い専門性よりは、基礎知識がしっかりしているか。

※品質管理職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

5.SE

SEは、プログラミング開発を行うプログラマーを束ね、開発プロジェクトの一部または全体の指揮・管理などをする仕事です。企業によっては、SEとして営業職に同行し、顧客へ直接提案をすることもあります。チーム体制のプロジェクトや、社内外顧客との調整やコミュニケーションなども求められるため、仕事を要素分解し、プロジェクトマネジメントや、メンバーマネジメントをする力が育ちやすい職種と言えるでしょう。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 人柄:チームで物事を進めていくコミュニケーション力があるか。お客さまと接する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。
  2. 論理的思考力:ロジカルに考えることができ、理解やのみ込みが早いか。また、それを人に伝えることができるか。

※SE職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

6.組み込みエンジニア

組み込みエンジニアは、携帯電話やデジタル家電、自動車、医療機器などのハード製品と連携させる、ソフトウェアを開発するのが主な仕事です。製品の企画構想から試作評価まで幅広い業務があります。多くの企業ではプログラミング実務から入りますが、経験を積んだ後は開発業務以外にも顧客との仕様調整や構想設計、進捗(しんちょく)管理などを担当するケースもあるでしょう。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 人柄:チームで物事を進めていくコミュニケーション力があるか。他部署と接する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。
  2. 論理的思考力:ロジカルに考えることができ、理解やのみ込みが早いか。また、それを人に伝えることができるか。

※組み込みエンジニア職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

7.MR・臨床開発

MR(医薬情報担当者)や臨床開発(CRO:医薬品開発業務受託機関)は、作られた薬が世の中に普及するまでに携わる仕事です。臨床開発職は薬の安全性を保証する治験を行い、安全と証明された薬をMR職が顧客である医療機関に売り込みます。新薬開発の成功は製薬会社の生命線と言っても過言ではなく、多くの製薬企業が研究開発に莫大(ばくだい)な費用を投じています。病院などで処方される医薬品は、テレビやポスターなどでの広告が禁止されているため、MR自身が広告塔となります。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 人柄:患者や医師と接する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。粘り強く物事に取り組むことができるか。
  2. スタンス:成果を求める、貪欲な姿勢を持つことができるか。

※MR職、臨床開発職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

8.金融専門職(アクチュアリー・アナリストなど)

金融専門職と呼ばれる仕事には、アクチュアリーやアナリスト、ファンドマネージャー、クォンツアナリストなどがあります。一般的にこれらの仕事は、資格の取得が必要など、一人前になるまでの道のりが長い職種でもあります。また、これらの職種を雇用している企業は少なく、採用人数の少なさもあって、狭き門と言われています。会社によっては何種類かを兼務している場合もあるでしょう。

 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 論理的思考力:話の流れがロジカルか、理解やのみ込みが早いか。
  2. 研究:大学で金融工学や統計学を高いレベルで学べていたか。資格をすでに保持していると優位な場合もある。

※金融専門職(アクチュアリー、アナリスト、ファンドマネージャー、クォンツアナリスト)の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

9.営業・フィールドエンジニア

営業・フィールドエンジニアは、メーカーなどの開発部門で開発された商品と、ユーザーや顧客をつなぐ役割を持つ仕事です。相手にわかりやすく説明をするためには、製品に関連する知識や技術習得が必要です。企業によっては、理系知識を生かして専門性の高い提案をしたり、顧客の根本的な課題解決のためのコンサルティング提案をしたりする機会もあるかもしれません。

<採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ>

  1. 人柄:周囲と円滑なコミュニケーションができるか。
  2. スタンス:成果を求める、貪欲な姿勢を持つことができるか。

※営業職、フールドエンジニア職の詳細な仕事内容と就職後のキャリアパス、この職種がおすすめの人の特徴などは、こちらのページを確認ください。

理系学生の就活(仕事・就職先選び)で重要な5つのポイント

理系学生が仕事や就職先を選ぶときに、考えておいた方が良い5つのポイントを紹介します。以下の5つは、多くの理系学生が悩みやすく、決断した内容によっては就活の進め方がガラッと変わるものでもあります。漠然と就活を進める前に、少し時間を取って考えてみることをおすすめします。

▼理系学生の就活(仕事・就職先選び)のポイント

  1. 大学院へ進学するかどうか
  2. 専攻を生かすことをどこまで重視するか
  3. 教授推薦・学校推薦・研究室推薦の選考を受けるかどうか
  4. 給与や待遇をどこまで重視するか
  5. 5.忙しい研究の合間に就職活動をする時間をどう確保するか

理系学生の就活の分かれ道

ポイント1.大学院へ進学するかどうか

研究が忙しくて就活の時間が取れず「なんとなく大学院」を選ぶ人もいますが、大学院に進学しても1年目ですぐ就活が始まります。学部生との差別化のため、大学院での実績をアピールしようとしても、修士課程1年目では研究が本格化し始めたばかりで「〇〇学会で発表した」などのわかりやすい実績が少ないケースもあり、企業に「大学院に進学したからこそ得たスキルや実績」が伝わりにくい場合もあります。

大学院進学が就活に不利になるということはありませんが、明確な目的がないのであれば、とりわけ有利に働くこともありません。今の研究に対する自身の思いや熱量を、今一度考えてみましょう。

企業としては高い専門性が必要で大学院卒業者の方が望ましい分野や職種もある一方で、大学院卒業にはこだわらず、自社の教育・育成制度を通じて業務に合った専門性を高めてほしいと考えている場合もあります。自分が希望する仕事や就職先はどちらのケースに当てはまりそうかを企業説明会などに参加して確認してみるのも一つの手でしょう。

ポイント2.専攻を生かすことをどこまで重視するか

理系学生の就職には、「専攻を生かした就職」と「専攻外の分野への就職」の大きく2パターンがあります。また「専攻外の分野への就職」には、理系の基礎知識や素養を生かすことができる業界や企業への就職もあれば、営業や事務などのいわゆる文系職種への就職もあります。どちらを希望する場合も、自己分析で「仕事選びの軸」「企業選びの軸」を洗い出すことが重要です。

専攻を生かした仕事や職種にこだわるのは悪いことではありませんが、極端にこだわり過ぎてしまったがために、自分の志向と異なる企業や採用人数が少ない職種ばかりに応募して内定が得られない…ということがないように注意しましょう。研究や実験で培った学びや姿勢、研究プロセスに関する知識やノウハウは、専門外の業界や研究職以外の仕事でも十分に生かすことができます。

例えば、商品開発職を目指している場合は、品質管理、生産管理職などつながりがある職種にも目を向けてみると良いでしょう。また、職種名は企業ごとに定義や担当する仕事内容が違う場合があるので、希望する仕事内容ができるのはどこなのか職種名にこだわり過ぎずに調べてみるのもおすすめです。

もしも「専攻を生かせる就職先の見つけ方がわからない」「専攻を直接生かせる仕事の選考にはすべて落ちて就職活動をどう進めていけばいいかわからない」という場合には、 キャリアセンターや、就職エージェントに相談をしてみるのも一つの手です。

例えばリクナビ就職エージェントでは、理系に特化した専任キャリアアドバイザーが無料で、専攻を生かした就職サポートはもちろん、専攻外の分野への就職サポートも行っています。専攻を生かせる企業に全落ちした後に、キャリアアドバイザーと二人三脚で自己分析からやり直した結果、自分の強みを生かせる企業を新たに見つけて就職を実現したケースも多数あるので、悩んでいる場合は相談をしてみましょう。

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ポイント3.教授推薦・学校推薦・研究室推薦の選考を受けるかどうか

理系学生の就活は、文系学生に比べると教授推薦、学校推薦、研修室推薦などの応募機会も多いでしょう。これらの推薦は、専攻を生かして働ける可能性が高く、また就職情報サイトなどを経由した自由応募と比べると内定までの選考プロセスが少ないケースが多いのが特徴です。明確にやりたいことが定まっていて、それが各種推薦の募集内容と合っているならば、推薦応募を選ぶと良いでしょう。研究室の先輩も多数就職しているケースが多く、先輩を参考に仕事内容や会社の雰囲気が事前につかめたり、入社後に何かと相談できたりするメリットもありそうです。ただし、基本的に内定辞退はできないため、迷う気持ちがある場合は注意が必要です。

一方、自由応募は内定を得るまでの選考プロセスは多いですが、さまざまな企業との出会いが期待できるため、より自分にマッチする仕事を見つけられるかもしれません。

ポイント4.給与や待遇をどこまで重視するか

専門性にそこまでこだわりを持たない場合、各種推薦ではなく自由応募で就活を進めることになるでしょう。その場合は、給与や待遇などの条件を重視したいという理系学生も少なくありません。給与や待遇で仕事や就職先を選ぶ場合は、「月給などの基本給」だけを見て判断せずに、ボーナスやインセンティブ(仕事の成果などに応じて、通常の基本給額に上乗せして給与が支払われる仕組み)が反映される「年収」を確認しましょう。また、基本給額が高くても、住宅手当や家族手当など各種手当がないというケースもあります。できるだけ高い収入を得たいという場合は、給与の種類や構成、インセンティブの内容なども確認して選ぶと良いでしょう。

一方で、「給与・待遇」が良いだけでは仕事への満足感を得られるとは限らないことも忘れてはいけません。例えば、いくら高給が得られる仕事であっても、好きな仕事、やりたいと思える仕事でなければ満足感は得られにくいかもしれません。給与・待遇が自分にとって最も重要だったとしても、2番目、3番目に大事にしているものがあるはずなので、仕事内容などにも目を向けてみましょう。

ポイント5.忙しい研究の合間に就職活動をする時間をどう確保するか

理系学生の就活は、授業や研究室が「特に忙しい時期」を把握することから始めましょう。先生や先輩などに忙しい時期を確認して、それ以外の期間でインターンシップ等のキャリア形成プログラムに参加したり、前倒しで自己分析をして自己PRを作成したりするのがおすすめです。

インターンシップに行きたくても、忙しくて長い期間は参加できないというケースも少なくありません。その場合は数日~1週間以内のプログラムを探してみると良いでしょう。少ない日程でも実際の仕事を体感できるように企業も工夫を凝らしていますし、オンラインで会社や仕事をリアルに体感できるプログラムなども増えています。

また、研究の都合上、スケジュール調整が難しい時期がある場合には、あらかじめ応募企業を多めに設定しておくのも良いでしょう。例えば1社応募して、その企業の選考が駄目だったら、次に応募する企業を考える…という進め方をすると、採用が終わって応募できる企業の選択肢が少なくなってしまう可能性もあるので注意が必要です。

ほかにも、「リクナビ就職エージェント」のような理系学生専任のキャリアアドバイザーが就活サポートをしてくれるサービスに登録して、就活の効率化を図るのも一つの手です。

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理系学生の就職活動スケジュール

理系学生の就活スケジュール

理系就活は学生優位って本当?「学部・専攻別」の就職活動のコツ

「理系学生の就活は学生優位な状況 」というイメージがあるかもしれません。しかし、専攻を生かした仕事に就職したい場合は、その専攻内容によって採用ニーズにバラつきがあります。

選択肢が多くてどのような業界、企業、仕事を選べばいいのか悩む学部・専攻もあれば、募集が少ない上に人気が高くて狭き門となってしまっている学部・専攻もあります。

ここでは、以下の7つの専攻ごとに、企業の採用ニーズと就職活動のコツを紹介します。

  1. 機械・電気系
  2. 情報・通信系
  3. 化学系
  4. 物理・数学系
  5. 生物・農学系
  6. 建築・土木系
  7. その他専攻

機械・電気系の就職活動のコツ

一定の採用ニーズがある専攻です。機械・電気系専攻を採用対象としている企業数は多く、採用数も比較的多いため、数ある選択肢の中からどこを選べばいいのか悩むことも多いでしょう。

例えば、機械系の専攻を生かせるメーカーを志望する場合、大型の産業機械がいいのか、精密機械の方が向いているのかなどで迷うケースもあるようです。専攻を生かせる範囲が広いがゆえの悩みと言えるでしょうが、自分がどんな仕事に向いているのか、何にやりがいを覚えるかなどを判断できないと就活に迷いが生じてしまうため、自己分析をしっかりすることが大切です。

情報・通信系の就職活動のコツ

一定の採用ニーズがある専攻です。情報・通信系の学生の中には、専攻を生かすためにIT業界への就職を考えている人も多いでしょう。IT業界は、ゲームなどを制作する「ネット」系、メーカーなどで働く「ものづくり」系、コンサルなどを請け負う「インフラ」系に大別されます。それぞれで仕事内容や働き方、納期、必要になる知識なども異なるため、自分の志向に近い就職先を選ぶためには業界研究や企業研究が大切でしょう。

また、顧客訪問やプロジェクト管理なども行う上流工程、実際の製作工程をしっかり行う下流工程のどちらにかかわりたいかも決めておくと良いでしょう。

化学系の就職活動のコツ

化学の専門知識を求めている企業や求人は多く、採用ニーズが高い専攻です。ただし、研究テーマと直結する求人にこだわり過ぎると、選択肢は限られてしまいます。就活生にメジャーな化粧品業界や化学メーカーだけではなく、素材開発をしている機械・電機メーカーなどにも目を向けてみると良いでしょう。

また、「研究開発」は人気職種です。年間採用数も少なく狭き門になりがちなので、ほかの関連職種も一緒に応募してみると良いかもしれません。例えば、PDCA(※)をどんどん回して結果を得ていくことが好きな人は「品質管理」、人とかかわることが好きな人は「生産技術」などもおすすめです。

※PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったもので、これらを繰り返すことによって継続的に改善していく手法のことを指す。

物理・数学系の就職活動のコツ

研究内容をそのまま生かせる業界や企業を少し探しづらい傾向にあります。そのため、「研究を通して得た力を就職に生かす」という視点に変えてみることをおすすめします。

例えば、物理専攻の学生に人気なのが宇宙業界や半導体、機械メーカーなど、数学専攻の学生に人気なのが金融業界などですが、ほかにも「考える力を生かせる」コンサル業界やIT業界なども一緒に見てみると良いかもしれません。

企業からは、物理・数学系専攻の学生に対して「研究をひと言で説明することが難しいのか、要点がわかりづらいことがある」というフィードバックをもらうこともあるので、研究内容をシンプルに伝える練習をしておくと良いでしょう。

生物・農学系の就職活動のコツ

生物・農学系の専攻は他専攻と比べると、専攻が直結する業界・職種が限られており、企業数・採用数も比較的少ない傾向にあります。この専攻の学生に人気がある医療や製薬業界、食品メーカーの研究職は、募集が少ない上に人気が高いので、毎年かなりの狭き門になります。第一志望の業界のほかにも、自分の専攻や研究で得た力を生かせる求人を探しましょう。

例えば、機械メーカーの材料を扱っている部門などでも専攻は生かせます。ほかにも、研究室で仮説を立ててPDCAを回す経験を多く積んでいる場合は、IT業界で仮説を立ててプロジェクトに取り組む力を生かせるでしょう。生産管理職の求人でも、全体を見渡して構造把握や課題特定する力を評価されるでしょう。

建築・土木系の就職活動のコツ

建築・土木系の専攻を生かした就職をしたい場合は、「都市開発」と「設計」のどちらを学んだかによっても方向性が変わります。都市開発の専攻を直接的に生かすには、大きなプロジェクトにかかわれる大手企業のデベロッパー職や国の事業にかかわる企業である必要があります。設計を生かしたい場合は、2年の実務経験を経て一級建築士の資格取得を目指すケースもあるでしょう。ただし、これらはどちらも狭き門です。

デベロッパー職や設計職だけではなく、施工管理職や設備技術職、技術営業職などにも目を向けてみると良いでしょう。小売・外食業界では店舗開発・設計職の採用を行っている場合もあります。建築・土木専攻の学部を出ているからこそ取れる資格も多いので、幅広く将来の可能性を考えてみることをおすすめします。

その他専攻の就職活動のコツ

特殊なテーマを扱っている学生の中には、専攻を生かせる求人になかなか出会えないという悩みを抱える人も少なくありません。専攻を直接生かせる就職先がなかなか見つからない場合は、就職活動の幅を狭めないためにも、研究をする過程で得た力を生かせる仕事も探してみましょう。

例えば、環境系の専攻をしていた学生が、その周辺業界である外資系衛生コンサルティング会社に内定を得た例もあります。理系を専攻する上で培った数値分析力や論理的思考力を生かして、シンクタンクのコンサル職や、金融専門職を目指すのも良いかもしれません。ほかにも、仮説を立ててプロジェクトに取り組む力がIT業界で評価されたり、全体を見渡して構造を把握し、課題を特定する力が生産管理職で評価されたりすることもあるでしょう。

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理系学生が就職活動で企業にアピールすると良い4つのポイント

ここでは、就職活動で理系学生が企業にアピールすると良い以下の4つについて解説します。

  1. 論理的思考力
  2. コミュニケーション力
  3. 研究内容や研究を通して身についたスキルや知識
  4. 能力・性格・意欲

1.論理的思考力

どの企業も理系学生には「論理的思考力」を期待する傾向があります。エントリーシート(ES)や履歴書、面接でも「この学生は、ロジカルな視点で物事を捉えて業務に臨んでくれそうかどうか」という視点で見られることが多いでしょう。

論理的思考力の高さは、自己PRの構成やまとめ方を通じてアピールすることができます。就活全体を通してアピールする内容に一貫性を持たせ、物事をロジカルに整理して、わかりやすく伝えることを意識すると良いでしょう。

2.コミュニケーション力

理系学生は、コツコツと研究に向き合う粘り強さなどが評価されやすい半面、「文系学生に比べるとコミュニケーションが苦手そうだ」という懸念を持つ採用担当者も少なくありません。そのため選考では、コミュニケーション力があるかどうかも見られています。

どんな研究や勉強であっても、多かれ少なかれ他者とのかかわりがあったはずです。周囲とどう協力して研究を進めたのか、どんなフィードバックを得てそれをどう生かしたのかなど、人とのかかわりや、協働経験などを自己PRに交えてみるのも良いでしょう。

3.研究内容や研究を通して身についたスキルや知識

特に大学院生の場合は、研究内容や成果、研究を通して身についたスキルや知識なども見られます。研究内容や専攻を応募企業での仕事に直接生かせない場合も、研究を通して身につけた数値分析力や構造把握力、課題特定力などは、あらゆる仕事に生かせるはずです。応募企業での仕事内容と身につけたスキルとの接点を探してアピールしてみると良いでしょう。

また、研究内容を説明する場合は、誰が聞いてもわかるように言い換えたり補足説明を加えたりするなどの工夫が必要です。専門用語の羅列や、前提となる説明ばかりが長くならないように注意しましょう。

4.能力・性格・意欲

学部生の場合は、就活をする時期が、研究室に入る前から入りたての時期に当たるため、企業の採用担当者は、研究内容よりも能力・性格・意欲を重視する傾向にあります。

能力・性格は「何ができるか」を見ており、企業は学生のできることが自社で仕事をしていく上で合っているかどうかを確認しています。また、意欲は「応募した企業での仕事をすることに対するモチベーションが高いかどうか」を確認しているので、なぜその企業でその仕事をしたいと考えているのかを、過去の体験や自分の考えを交えて伝えられると良いでしょう。

【忙しい理系学生が仕事選びを効率的に進める方法】
理系学部・専攻に特化した「リクナビ就職エージェント」専任アドバイザーに就職活動をサポートしてもらおう

理系学生の就活では、「専攻に直結する業界や、関連する仕事をしたいけれど、それが具体的にどの企業なのかがわからない」というケースが多々あります。また、「研究を直接生かせる企業へのアピールはたくさんあるけど、関連業界へのアピールの仕方や志望動機の伝え方が難しい」という人も少なくないでしょう。これらの問題をクリアするためには、入念な自己分析や業界研究、企業研究、面接準備が欠かせませんが、研究や実験に長い時間を費やす理系学生が、就活に使える時間は限られています。そこでおすすめなのが、就職エージェントの活用。

例えばリクナビ就職エージェントでは、理系の専攻ごとに特化した上で就活の専門知識にも長(た)けた専任アドバイザーが、マンツーマンかつ無料で就職をサポート。メールと電話の両方でコミュニケーションが取れるので、忙しいとき、じっくりと悩みを相談したいときのどちらのニーズにも応えることができます。理系学生全般の就職動向をつかんでいる上、同じ専攻の先輩の就職事例も多数保有しているので、仕事選びや就職先選びに関する詳細な情報やアドバイスがもらえます。

サポート1:自己理解のお手伝い

自分の強みや良さは、自分一人で見つけるのは難しいものです。また、見つけたとしても、「こんなことをESや面接で言っていいのかな?」と自信が持てない場合もあるでしょう。そこで、リクナビ就職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが一緒に強みを整理し、ESでの書き方もアドバイスしています。

キャリアアドバイザーは「研究しかしていない」という人も含めて、多くの理系就活生のサポートを何度もしてきているので、あの手この手でこれまでの経験を引き出すのが得意です。自分でも気がついていなかった経験や感情を掘り起こすことができるかもしれません。

サポート2:仕事理解のお手伝い

企業理解や仕事理解は、理系として専攻を生かした仕事や、研究で培ったスキルを生かせる仕事を探すためにとても大切です。しかし、まだ働いたこともなく、研究などで就活に十分な時間を割きづらい理系学生が、自分一人だけで仕事理解を深めるのはなかなか難しいのが現実です。

リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーは、これまでに何十社、何百社と企業研究と職種研究のサポートをしてきているので、早くそして的確に企業の仕事内容やそこで求められる力を見抜くことができます。その上で、その人に合った仕事紹介ができるので、実際の求人を見ながら、その仕事で求められることはどんなことで、どういうところが合っているかもアドバイスが可能です。紹介する企業については、リクナビ就職エージェントの企業担当者が、どんな人物を採用したいかなど、企業の採用要件をヒアリングしているので、企業ごとのES添削や面接準備もしっかりとサポートが可能です。

サポート3:面接のフィードバック

就活はES提出だけでは終わりません。書類選考通過後には、面接が待ち受けています。リクナビ就職エージェントでは、面接の準備もしっかりとサポートします。また、万が一面接に落ちてしまった場合にも、企業から面接評価とその理由を教えていただき、「なぜ面接で落ちたのか」「何が足りなかったのか」を就活生にフィードバックしています。すべての企業からのフィードバックを保証するものではありませんが、これまでに多くの企業がこの取り組みに協力してくれています。

フィードバックを聞いてみると、面接における個人の課題が明確になる場合もあれば、これといった落ち度はなく「ご縁」が原因だと判明する場合もあります。この場合のご縁とは、例えば「企業からの評価は高く好印象だったが、偶然その企業の事業内容とほぼ同様の研究をしていたほかの候補者がいて採用人数上そちらを優先した」など、自分ではどうすることもできないような内容を指します。

フィードバックがないと、落ちた原因を想像することしかできず、「自分には価値がないのかもしれない」と落ち込みがちになります。しかし、フィードバックがあれば、落ちた事実は変わらなくとも、改善するべきことが明確になります。自分に足りないことを補うために努力することで、他社の選考に生かすこともできるでしょう。


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