就活が進むにつれて、「周りは内定が出始めたのに、自分は内定がなくてやばい」と焦り、落ち込む人もいるかもしれません。
しかし、就活の進み方は人それぞれ。ここでは、なかなか内定が出なくて就活が終わらず、不安なときにお勧めのモチベーションの保ち方や、原因別のリカバリー方法について、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーに聞きました。
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プロフィール 松浦李夏(まつうら・りか)リクナビ就職エージェントのキャリアドバイザー。印刷会社の営業、大手カフェチェーンの店員を経て、2018年、株式会社リクルートキャリア(現・株式会社リクルート)に入社。ITなど情報系の学生、数学、生物、農学など理系学生と文系学生を年間400~500人サポート。面談では、学生が自分の「強み」や「らしさ」を見つけられるようアドバイスすることを心がけている。
「就活がやばい…」と感じたときのモチベーションの保ち方
なかなか内定が出ないと、「なぜ自分だけ出ないのか、何か悪いところがあるんだろうか」と不安を覚え、自分を責めがちになりますが、不安を覚えるのはそれだけ就活を頑張っている証拠。まずは頑張っている自分を認めてあげましょう。
就活は、相性やマッチング度合いも合否の大きな要素となります。応募企業が求めている人物像と、自身の強みや持ち味がマッチしているかどうかで採否が決まります。応募する企業には、自分の経験や強みを生かせるフィールドが本当にあるのかどうかを今一度考えてみましょう。
そして、周りに内定が出始めていても求人がなくなるわけではないので、焦ることはありません。
就職みらい研究所の『就職白書2022』内の、「新卒採用の採用数の計画に対する充足状況(12月時点)」を見ると、2022年卒の採用では採用充足していないと答えた企業は46.4パーセント。半数近くの企業が、採用目標人数に達していないという結果となっています。そして現在、コロナ禍も3年目に入り、これまで採用人数を絞っていた業界や企業でも、2023年卒の新卒採用では採用拡大に転じる動きが出始めています。就活生にとっては追い風が吹き始めたとも言えるでしょう。
自分に合った企業と出会えるチャンスはまだまだあります。必要以上に焦ることなく、今やれることにじっくり取り組む姿勢が大切です。
なかなか内定が出ない原因とその対処法
頑張っているのになかなか内定が出ないという場合、以下のいずれかが原因である可能性があります。自分に当てはまりそうなものを、チェックしてみましょう。
特定の業界や人気企業ばかりに応募している
「なかなか内定が出ない」と相談にくる就活生の中には、知名度の高い人気企業ばかりに応募していたり、「マスコミ業界しか受けない」「総合商社にしか応募しない」など特定の業界・分野だけに応募していたりする人は少なくありません。
企業の知名度や自分の興味だけを重視するあまり「自分の強みや持ち味が求める人物像と合っているか」を見ずに応募先を決めてしまうことで、結果的に落ちてしまっているケースもあるようです。
この場合は、あらためて自己分析を行うことが重要です。これまでの経験を振り返り、主体的に取り組んだことを洗い出した上で、何にやりがいを覚えたのか、何にこだわったのか、その経験からどんなことを学んだのかなどを深掘りしてみましょう。そこから、自分の強み・持ち味が見えてきます。
例えば、「研究室で〇〇の研究に力を入れた」という経験一つ取っても、やりがいを覚えたこと、こだわったことを掘り下げてみれば「PDCA(※)を回すのが得意だった」「トラブルの原因を一から究明することにやりがいを覚えた」「手順通りに正確に進めていくことにこだわった」など人によって異なるはず。それがあなた自身の強み・持ち味です。
その上で、自分の強み・持ち味が生かせそうな仕事は何か、考えてみましょう。
求人情報が多数掲載されているリクナビなどの就活サイトで自分の強みをフリーワード検索して、ヒットする求人を見てみたり、学校のキャリアセンターや就職エージェントに相談してみたりするのもお勧めです。
例えば、「PDCAを回すのが得意」であれば、SE(システムエンジニア)の上流工程でも力を発揮できそうですし、営業職にも生かせそうです。「正確に進めることにこだわる」タイプであれば、品質検査、品質管理などのほか、経理職や労務管理なども向いていると言えそうです。こうして、今まで見てこなかった業界や職種にも視野を広げて考えることで、思わぬ業界・職種と出会えるかもしれません。
※ PDCA=Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセス
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応募社数が不足している
なかなか内定が出ない人の中には、圧倒的に応募社数が少ない人も見受けられます。
「知っている企業だけに応募したいから」「一気に受けるとスケジュールが管理できなくなりそうだから」などの理由で、少数の企業だけに応募する人もいますが、応募先が全滅してまた一からやり直すのは非効率であり、精神的にもしんどいものです。自分の強みが生かせそうな求人を多めにピックアップし、ある程度まとめて応募してみましょう。
応募社数の目安は、逆算志向で考えるとわかりやすいです。
業界の人気度や難易度にもよりますが、1社内定を得るためには、3~4社ほど最終面接まで進んでおきたいところです。そうなると、少なめに見積もっても一次面接は10社ほど確保しておきたい、そのためには倍の20社程度にエントリーしておきたい…と応募社数の目安が見えてきます。「数社程度では足りない」と気づくこともできるでしょう。
業務内容・職務内容の理解が不足している
業界研究や企業研究はできているはずなのに落ちてしまう…という場合、「業務内容や職務内容まで理解ができていない」可能性があります。
例えば、「食品業界の営業」とひと口に言ってもいろいろな仕事があります。自社商品を置いてもらうためにスーパーを回る食品メーカーの営業もあれば、その食品メーカーに食品原料を扱ってもらえるよう働きかける原料メーカーの営業もあります。食品工場の工場長相手に衛生用アルコールを導入してもらえるよう営業するのも「食品営業」です。企業ごとに営業する相手も違えば、提案する内容も大きく異なるのです。
誰に、何を、どういう方法で営業するのか理解せず、ふわっとしたイメージで選考に進んでしまい、面接担当者に「入社後にギャップを感じて辞めてしまうのではないか」と不安を抱かせているのかもしれません。
興味のある企業に出会ったら、仕事内容を具体的につかみましょう。できればその企業のOB・OG訪問を行ってヒアリングするのが一番ですが、難しければ同業他社のOB・OGでもいいでしょう。仕事でどんな役割を担っているのか、普段誰と会い、どんな会話をしているのか、できるだけ具体的に確認しましょう。
なおOB・OG訪問時の注意点などは、以下の記事で確認してみてください。
関連記事:就活でOB訪問(OG訪問)をするメリットは?依頼メール、質問例からマナーまで解説!
企業ホームページの「採用ページ」に載っている、社員インタビューを参考にするのもお勧めです。企業によっては、学生の仕事理解を深めるため仕事内容をかみ砕いて紹介したり、社員の「ある1日のスケジュール」を掲載したりしているので、チェックしてみましょう。
選考途中で人事担当者に質問するのも一つの方法です。会社説明会の場や、面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたときなどに、例えば「御社での業務内容や職務内容を具体的にイメージしたいので、営業担当者のスケジュールを詳しく聞かせてください」などと質問すれば、詳細を教えてくれるはず。入社意欲の高さ、仕事に懸ける熱意も伝わるでしょう。
関連記事:事業内容とは?「業務内容」と「職務内容」の意味の違いと、企業研究のポイントを解説
面接準備が不足している・ズレている
面接で緊張してしまい、自分をうまく出せずに終わってしまう…という人も少なくありません。
応募企業の業務内容を理解し、自分の強みがどう生かせると思うのか言語化できていれば、多少緊張していたとしても思いは伝わるはず。まずはそれができているかどうか確認し、できていないのであれば前述の方法で自己分析・業務内容理解に臨みましょう。
一方で、「準備万端にしよう」と思うがあまり、伝えたい内容の文章をまるまる覚えてその通りに話す人もいますが、面接担当者から「台本を読んでいるように聞こえてしまい、人間性が見えづらい」と判断され、強みや持ち味が伝わりにくくなることがあります。また、想定問答とは異なる質問を受けると、言葉に詰まってしまうケースもあるようです。
この場合、伝えたいことをあえて文章化せず、箇条書きで覚えておくといいでしょう。そして、面接の場でつなげて話すことで「台本を読んでいる感」が軽減できます。
関連記事:就活の面接、緊張した?先輩たちが緊張を和らげるためにしたこと、面接までにできることは?
関連記事:【チェックリストつき】これだけやればOK!就活「面接前日」準備ポイント
「内定がなくてやばい…」「就活が不安…」と感じたら就職エージェントを活用しよう
専任のアドバイザーがマンツーマンで就職をサポートする就職エージェントは、就活生一人ひとりが納得のいく就活ができるよう伴走します。
リクナビ就職エージェントの場合は、志望業界や出身学部ごとの担当キャリアアドバイザーが就活をサポート。自己分析をして強みを一緒に洗い出したり、就活の軸を共に整理したり、面接内容の見直しなども行います。もちろん、一人ひとりに合った求人を紹介してもらうことも可能なので、就活後半戦こそ頼りになります。就活で悩んだり迷ったりしたら、リクナビ就職エージェントをぜひ活用してみましょう。
取材・文・編集/伊藤理子
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