日本の政治・経済で、気になっていることはありますか?
大学1年生に、日本の政治・経済で気になることがあるかどうかを尋ねたところ、約4人に3人の学生が「ある」と回答し、多くの学生が日本の政治・経済に関心を持っていることがわかった。属性別に見ると、文系学生よりも理系学生の方が、関心がある学生の割合が高い傾向が見られた。
一番、気になっていることは何ですか?
次に、一番、関心があることについて尋ねたところ、約3割の学生が、2014年12月14日に投開票が行われた「衆議院議員総選挙」と回答し、「消費税再増税見送り」も、約4人に1人が答えた。「その他」では、「円安」「普天間基地移設問題」「中国船サンゴ密漁問題」といった声が聞かれた。
●衆議院議員総選挙。選挙にかかる莫大(ばくだい)な税金は、むしろ貧困など社会問題の解決のために使った方が、結果が目に見えている選挙に使うより良いと考えるから。(商学部)
●アベノミクスに関心大。企業の経営状態が、2年後の就活に大きく影響するから。(都市教養学部)
●消費税再増税見送りは、生活に直結しているから。消費者としては上がってほしくない一方で、日本の財政の今後を考えるとやはり上げるべきもの。財政をとるか生活をとるかという大事なことだと思う。(工学部)
●社会福祉学部に所属している身としては、社会保障制度が一番気になります。(社会福祉学部)
●集団的自衛権。もし戦争が起きるとすると、自分の年齢だったら確実に徴兵されると思うから。(理系学部)
●北朝鮮拉致問題は、日本が長い間、取り組んでいるにもかかわらず、解決する兆しが見えない難しい問題だから。(文学部)
●TPP交渉。北海道の経済に直接かかわるものだから。(北海道在住・教育学部)
●今回の衆議院議員総選挙は、自分が初めて投票権を持つ選挙だから俄然(がぜん)気になる。(薬学類)
●消費税再増税見送り。今回の総選挙の争点となったことで、かえって本質が見えにくくなっていると思う。生活必需品と嗜好(しこう)品の税率が同じことなど、議論すべき点はもっとほかにあるのに。(教育学部)
●尖閣(せんかく)・竹島・北方領土問題が気になっている。日本は外交的に弱すぎると思うから。(基幹理工学部)
●普天間基地移設問題。自分が住んでいる沖縄県が当事者であるだけに、気になります。(沖縄県在住・農学部)
●アベノミクスに関心があるのは、個人的に株式投資を行っており、株価の動きが気になるから。(経済学部)
なるほど、大学1年生の約4人に3人は、日本の政治や経済に関心があるんだね。特に、そろそろ投票権を得つつあるこの年代としては、先日行われた選挙がとりわけ興味を引いたもよう。政治・経済に関心がない人も、一生活人として、そしてこれから社会人として巣立つ上で、もっと身近な問題として政治・経済のニュースに接してみると良いんじゃないかな。
文/日笠由紀 イラスト/中根ゆたか