大学入学から就活開始までに、じっくり話したことのある社会人は何人いますか?
内定を得て就活を終えた大学4年生・大学院2年生に、大学に入ってから、じっくり話したことのある社会人が何人いるかと尋ねたところ、全体の約7割は、少なくとも1人以上の社会人とじっくり話したことがあることがわかった。じっくり話したことがある人数では、「5人」が15.0%、「3人」「2人」が1割強で続く結果となった。平均は5.2人で、属性別に見ると、理系学生よりも文系学生の方が、じっくり話したことのある社会人の数が多い傾向が見られた。
その中に「こんな社会人になりたい」と思った人はいますか?
次に、じっくり話したことのある社会人がいると答えた先輩に、「その中に『こんな社会人になりたい』と思った人はいますか?」と尋ねたところ、約半数の学生が「はい」と回答し、約2人に1人は、学生時代の間にロールモデル(お手本にしたい人物)となり得る社会人に出会っていることがわかった。属性別に見ると、理系学生よりも文系学生の方が、「はい」と答えた学生の割合が多い傾向が見られた。
●大学の教授。夢や自分の将来のビジョンがあり、高い目標を持っている。他人への接し方が平等なところも尊敬している。(じっくり話したことのある社会人は20人・国際関係学部)
●アルバイト先の料理長。ほかの人への気配りがすごい!(じっくり話したことのある社会人は100人・大学院理系研究科)
●サークルの先輩。会社で年間No.1の実績をあげるような方なのに、一後輩である私の細かい情報まで覚えていてくれて、その上かなり丁寧な対応をしてくれる。(じっくり話したことのある社会人は30人・経済学部)
●自分の姉です。かなり厳しい環境で働いていたのにもかかわらず、自分が社会の役に立てていることにやりがいを感じていて、いつも瞳をキラキラ輝やかせながら働いています。(じっくり話したことのある社会人は10人・生活科学部)
●作業療法士の先輩。地域の人のためにNPOを作って町を元気にする方法を考えている。自分が社会にどう役立つかを考える機会をくださった方。(じっくり話したことのある社会人は4人・保健福祉学部)
●教育実習で出会った先生。忙しそうに見えないが、やるべきことはすべてこなしていて、上司や同僚、保護者からしっかり信頼を得ていることがわかる。こんな大人になりたいと思った。(じっくり話したことのある社会人は20人・教育人間科学部)
●大学の学科の女性の先輩。営業パーソンのホープとして、周りから期待されている。新規事業も任されていて、かっこいいし、私も営業に興味があるので憧れる。(じっくり話したことのある社会人は2人・学芸学部)
●大学のOB。典型的な日本のビジネスパーソンとしてバリバリ仕事をしつつ、しっかりとワークライフバランスを考え、自分の仕事と生活の両方を充実させている働き方ができているから。(じっくり話したことのある社会人は5人・商学部)
●大学の教授。かなりの高齢なのに、若者と変わらない感覚を持っていて、常に新しいことにチャレンジしている。(じっくり話したことのある社会人は5人・大学院工学研究科)
●内定先のリーダー。部下のことを一番に考えている点がかっこいい!(じっくり話したことのある社会人は3人・大学院薬学研究科)
●大学の先生。日ごろから新聞や記事などを読み、時事問題にとても詳しい。また、卒業論文のレポートなども丁寧に添削してくださる。私もこんなふうに、多忙な中でもしっかり他人をフォローできる人になりたい。(じっくり話したことのある社会人は25人・表現学部)
●留学先で会った、親くらいの年齢の日本人学生。自分の力で、悩みながらも生きてきた話に感銘を受けた。私も、自分の意思を持ち、自信と実力を備えた人になりたいと思った。(じっくり話したことのある社会人は3人・工学部)
先輩たちが挙げてくれた「なりたい社会人」。読めば読むほどステキで感激しちゃう! こんなふうにお手本にしたくなっちゃう魅力的な社会人と出会えると、自分の中の“社会人像”がどんどん磨かれて、これからのキャリアを考える上でもとても役立ちそうよね。みんなの大学生活においても、こうした素晴らしい出会いがたくさんありますように! そのためにも、ぜひ、いろいろな機会をとらえて、積極的に人や社会とかかわってみてね。
文/日笠由紀 イラスト/中根ゆたか