スーパー編

各社はPB商品に注力して利益確保を目指す。消費税増税をきっかけとした業界再編にも注目

スーパーは、イオン(イオングループ)やイトーヨーカ堂(セブン&アイ・ホールディングス)といった総合スーパー(GMS/General Merchandise Store)と、食品などの分野に特化した専門スーパーに大別される。

 

日本チェーンストア協会の「チェーンストア販売概況」によると、2012年の販売総額は対前年比1.9パーセント減の12兆5340億円。ピーク時の1997年(16兆8636億円)から15年連続のマイナス成長で、市場規模は4分の3ほどに縮小した。この傾向は直近でも変わっていない。13年上半期の売上総額は対前年同期比でほぼ横ばいだったが、既存店ベースでみるとマイナス1.5パーセントとなっている。12年末以降の「アベノミクス」効果によって景気は上向き傾向となり、高額商品の販売額は増えているとされる。しかし、スーパーの主力商品である一般食料品や日用品については、消費者の財布のひもは固い。さらに、14年4月に消費税率が8パーセントに上がることも、スーパーにとっては痛手になりそうだ。

 

このところ目立つのは、スーパーの大型化だ。97年の国内総店舗面積は1698万平方メートル、店舗数は7876店。1店舗あたりの面積は2156平方メートルだった。これに対し、12年は国内総店舗面積が2415万平方メートル、店舗数は7895店で、1店舗あたりの面積は3059平方メートルと増えた。小規模な店舗の整理が進み、大型店の出店が増える傾向にあると言えるだろう。また、衣料品の不調も顕著だ。97年における衣料品の販売額は3兆4808億円で、総販売額の20.6パーセントを占めていた。ところが、12年には販売額1兆3469億円、総販売額の10.7パーセントにまで落ち込んでいる。ユニクロ(ファーストリテイリング)に代表されるアパレル専門店に顧客を奪われたことが、主な原因とみられる。

 

今後、日本では人口の減少が予測されるため、売り上げの増加は見込みづらい。そこでスーパー各社は、プライベートブランド(PB。小売業者が企画し、メーカーに生産を依頼した独自ブランドのこと)商品の強化に力を入れている。「トップバリュ」(イオンなどが販売)、「セブンプレミアム」(イトーヨーカ堂などが販売)といったPB商品は、知名度を高めるための広告宣伝費などが不要だし、製造会社への大量発注や自社物流網の活用によって製造・物流コストを抑えることも可能。そのため、メーカーの商品(ナショナルブランド=NB)より安い価格で販売しても、利益を確保できる。そこで今後は、加工食品・飲料はもちろん、生鮮食品、日用品、衣料品といった分野でもPB商品の取り扱いが増えるだろう。例えば、イオンは自社直営農地を15年度に現在の3倍の500ヘクタールに広げ、PB野菜の比率を増やす計画。また、イトーヨーカ堂は、食品に加えて、今後は衣料品にもPBを広げる方針を打ち出している。

 

M&Aによる規模の拡大や、業務提携を目指す動きも盛ん。こうすることで、仕入れ時の交渉力強化、PB商品開発の負担軽減などにつながるからだ。例えば、イオンは11年、四国や中国地方が地盤のマルナカを子会社化。13年にはテスコジャパン、ピーコックストア、そして大手スーパーのダイエーも傘下に収めた(ニュース記事参照)。このような動きに対抗し、地方の有力スーパーでも合従連衡の動きが活発化している(下表参照)。消費税増税による売り上げ減が引き金となり、さらなる業界再編が進む可能性もあるため、業界志望者はぜひ関連ニュースをチェックしておこう。

 

押さえておこう <地方を地盤にしたスーパーが合従連衡した例>

新潟と群馬の食品スーパーが経営統合
新潟県を中心に展開する原信ナルスホールディングスと、群馬県が地盤のフレッセイホールディングスが、13年10月に経営統合。
北海道の食品スーパーが岩手のスーパーを買収
北海道・東北地方で展開しているアークスが、11年10月に青森県を地盤とするユニバースを、12年9月に岩手県を地盤とするジョイスを子会社化。
ライフコーポレーションとヤオコーの業務提携
近畿・関東地方地盤のライフコーポレーションと関東地方地盤のヤオコーは、12年5月から業務提携の協議を開始。13年9月には共同開発したPB商品の発売を発表するなど、協力関係を深めている。

このニュースだけは要チェック <M&Aや業務提携は今後も起きそう>

・イオンが、大手商社丸紅が保有するダイエーの株式を取得することで、ダイエーを子会社化すると発表。これにより、イオングループ全体の売上高は6兆円を超えるとみられ、業界首位の座をさらに確固たるものにする。今後は、赤字店の多いダイエーをいかに再建するかがカギ。(2013年3月27日)

・日本チェーンストア協会が、14年4月に予定されている消費税率アップの際に、「税抜き(外税)表示」を基本とすることを発表。今後、スーパー業界では外税表示が主流となりそうだ。ただし、これまで通りの「税込み表示」を優先するスーパーもあると伝えられており、今後の行方に注目が必要。(2013年7月22日)

この業界とも深いつながりが <資本面で商社との結びつきが強い>

総合商社
大手スーパーは、総合商社と資本面で提携関係にあるケースが多い

アパレル
衣料品を扱う専門店は、スーパーの衣料部門にとって強力なライバル

コンビニ
PB開発や仕入れで協力関係にある場合もあるが、同時に競合でもある

この業界の指南役

日本総合研究所 副主任研究員 高津輝章氏

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一橋大学大学院商学研究科経営学修士課程修了。事業戦略策定支援、事業性・市場性評価、グループ経営改革支援、財務機能強化支援などのコンサルティングを中心に活動。公認会計士。

取材・文/白谷輝英 イラスト/坂谷はるか

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