就職ジャーナル | 1日10分の社会勉強サイト

HOME > 仕事・キャリア > 人事部長インタビュー > キヤノンITソリューションズ株式会社

人事部長インタビュー

テレビで見たことがある、なんとなく知っている。。。学生の皆さんの企業選びは「企業イメージ」からスタートすることが多い。しかし消費者目線で知りうる情報は、ビジネスの世界のほんの一部。知名度の高い企業も、実は国内外の厳しい競争を生き抜いてこそ、 今があるのだ。そこで、この特集では、各社の人事部長に、今後の経営戦略・人材戦略をうかがった。どんな人に、どう活躍してほしいのかは、今後注力する分野と密接にかかわる。自分の持っていた企業のイメージと照らし合わせながら、社会人として活躍するヒントを探ろう。

Vol.21 キヤノンITソリューションズ株式会社 総務人事本部 本部長 溝口 稔さん

培ってきた強みを生かし、グローバル市場に進出

当社は、複数の企業が合併しながら成長してきた会社です。これまでのあゆみを背景として、住友金属システムソリューションズの製造業向けシステムに関する技術、アルゴ21が積み上げてきた金融系システムでの実績、そしてキヤノン製品で培った組み込みソフトウエアという強みを持っており、現在はキヤノンマーケティングジャパングループにおいてITソリューション事業の中核を担い、多様化するお客さまのご要望にお応えし、幅広い課題に対してコンサルティングからシステム構築、運用・保守までを一貫して手がけています。

ITビジネスにおいては、業界ごとのニーズに合わせてシステムを構築するための技術やノウハウが競争力の源泉となります。注目すべき強みのない汎用的なシステムを手がけていては、他社と差別化できないからです。この点、当社の強みの一つと言えるのは、住友金属やキヤノンという製造業にルーツがあること。モノづくりのDNAを生かし、実績をアピールしながら、ほかの製造業のお客さまにも生産システムや在庫管理システムなどのノウハウを展開していくことが成長の鍵を握っていると考えています。

また、現在はITビジネスにおいてもグローバル化が大きなテーマです。当社は上海にグループ会社があり、すでに製造業向けにはアジアに進出する企業を支援するソリューションの提供を行っていますが、今後は得意とする金融分野においてもグローバル市場に進出していきたいと考えています。

景気の低迷が続くなか、IT業界全般で競争が厳しくなっています。案件によっては競合他社と一緒にプロジェクトに取り組むケースもありますが、そのような場合にプライム(元請け)として仕事をいただいていくには、やはり競争は避けられません。私は、このような環境においてIT業界でイニシアチブをとっていくためには、やはり人材を育て生かしていくことが重要だと思っています。ITビジネスは人材そのものが商品ですから、「人こそすべて」と言ってもいいでしょう。

受け継がれる「三自の精神」。自立心を持ってこそ人は成長する

ITビジネスにおけるキーパーソンは、一つひとつのプロジェクトをけん引するプロジェクトマネジャー(PM)です。当社では優秀なPMの養成を目指し、入社時から長期的な視野で人材育成を行っています。研修をしっかり行うのはもちろんですが、若手のうちに「現場で実際にプログラムを書く」という経験を積んでもらうことも重視しているのがポイントです。

私たちの主な業務は、お客さまのニーズをヒアリングしてシステムに求められる要件を詰めていくこと、プロジェクトを主導していくことですが、PMとして活躍するためには、現場への深い理解も必要となります。新人のうちに自分で手を動かしてプログラムを書くというステップを踏むことが、現場がわかるPMの育成につながると考えています。

仕事でオリジナリティを発揮するには、やはり基礎を学ぶことが大切です。新入社員のころは、先輩がそれぞれオリジナルの“型”を持っていると感じるものですが、それらの“型”はすべて基礎の上に成り立っているもの。入社2〜3年目くらいまでに基礎の“型”を身につけなければ、オリジナルでもなんでもない、“勝手流”になってしまいかねません。

また、人が成長するには自立心も必要です。当社は教育制度の充実に力を入れていますが、制度に頼り切りになり「与えられたものの範囲で学べばよい」というスタンスでいては、本当の成長は望めないでしょう。キヤノングループには、創業期から「自発・自治・自覚」の「三自の精神」が受け継がれており、行動指針の原点となっています。当社の社員には、まず「自分がどうなりたいのか、何をしたいのか」を考え、その目標に向かって自分を高めるために「会社の制度を活用する」という姿勢を持っていてほしいと思います。

当社には、複数の企業が合併しながら成長してきたため、多様な人材が集まっています。キヤノンのプリンターのように、多彩な色を打ち出して画を描きあげる「マルチカラーの文化」が脈打っています。私はそこに当社の良さがあると思っています。金太郎飴のように似たような人材ばかりでは、面白みがないでしょう。さまざまな個性の集まりであることを生かす一方で、グループとしての一体感をさらに高めていくことができればと考えています。今の雰囲気を大切にしながら、キヤノンのブランドに誇りを持って働ける人、「この会社に入ってキヤノンの仲間になって良かった」という人をさらに増やしていきたいですね。

学生の皆さんへ

最近、若手社員を見ていると、「ぶつかりあうことに慣れていないな」と感じます。仕事に真剣に取り組んでいれば、時には職場で怒声が飛び交うこともあるもの。そういった「本気だからこそ起こる衝突」に、おそれずぶつかっていける人になってほしいと思います。それからもう一つ大切なのは、変化を楽しむ姿勢です。企業には、世の中の移り変わりに応じてビジネスをどんどん変えていくことが求められます。私自身、営業の仕事を志望して入社し、最初に担当したのはワープロ専用機の販売でした。今はワープロという商品自体が世の中からなくなり、私は当社で人事の仕事をしています。企業もそこに属する個人も、変わっていくのが当然なんです。変化をおそれず、常に新しいことにチャレンジし、それを楽しめる人になってください。

同社の30年の歩み
1982年
7月に住金システム開発株式会社を設立。住友金属工業のシステム子会社として発足した。
1997年
6月に、住金控制系統(上海)有限公司[現商号:佳能控制系統(上海)有限公司]を設立し、国外での事業をスタート。
2002年
後に合併する株式会社アルゴ21が策定にかかわった、ITSS(各種IT関連サービスの提供に必要とされるスキルを明確化・体系化した指標)が12月に経済産業省より発表された。
2003年
株主が、住友金属工業株式会社からキヤノン販売株式会社(現商号:キヤノンマーケティングジャパン株式会社)に変更。それを機に商号をキヤノンシステムソリューションズ株式会社に変更し、子会社となる。
2005年
ITSSに準拠した人事制度、研修制度に。
2008年
株式会社アルゴ21と合併し、キヤノンマーケティングジャパングループにおけるITソリューション事業の中核企業としてキヤノンITソリューションズ株式会社に商号変更。
2009年
キヤノンネットワークコミュニケーションズ株式会社と合併し、システム基盤事業を大幅に強化。運用・保守サービスやインターネットデータセンター事業の本格参入。
2010年
キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社設立に伴い、同社の子会社に。連結子会社12社、社員数は約6000名で構成。グループ内のITソリューション事業におけるシナジー強化、スピード経営の推進を目指す。
この記事を共有する

取材・文/千葉はるか 撮影/平山諭 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

  • ほかの企業も見る
page top