【アイスランド編】日本人同士のつながりも強いレイキャビク・ライフ

今回は、アイスランドのレイキャビクでの日本人駐在員生活を紹介します。頼れる日本人コミュニティのある駐在員生活はどんな生活でしょうか?

From Iceland (頼れる日本人コミュニティ)トップ画像(写真は、桜山さん友人のMaksym Gryshchenko氏によるもので、レイキャビク名物でもある新年の花火大会。年が明けると同時に、レイキャビクのあちらこちらで花火が上がり始める)

アイスランド在住・現地レポーター 桜山アイスランドを拠点としてグローバルに展開しているIT系企業に勤務。オフタイムの楽しみは、現地の友人とのバー巡り。日本から家族や友達が遊びに来た際には、大型四駆車で旅行に行くことも多い。(写真は、桜山さん友人のMaksym Gryshchenko氏によるもので、レイキャビク名物でもある新年の花火大会。年が明けると同時に、レイキャビクのあちらこちらで花火が上がり始める)

アイスランドでの盛んな日本人交流

こんにちは。桜山です。今回は、アイスランドでの暮らしについてお話しします。

日本語教室や、日本食情報まで!頼もしい日本人女性コミュニティ

現在、アイスランドには60~70人ほどの日本人が住んでいるようです。私の知る限りでは、その大部分がアイスランド人と結婚してこちらに移り住んだ日本人女性で、こうした女性たちが大部分を占める日本人会では、年に数回、懇談会が開かれています。また、そのお子さんたちのための日本語教室も毎週催されている模様。

こうした日本人女性の方々は、アイスランドについて熟知している非常に頼もしい存在であり、これまで何度助けてもらったかわかりません。特に、日本の食材やその代用品、珍しい食料品が購入できる店の情報や、皆さんが工夫して作っている日本食のアイデアなどを、フェイスブック経由で教えてもらったり、手作りの日本食をおすそ分けしてもらったりしています。

最近では、納豆を自作した方がいて、いくつか分けてもらったのですが、私のアイスランド人の恋人がひと口食べてすっかり気に入り、私が食べる前にほぼすべて食べ尽くされてしまいました(笑)。

また、日本の食材を年に数回、個人的に輸入している方がいるのですが、その人を通じて食材を分けてもらえるようになったのも現地の日本人女性のネットワークのおかげです。年に数回ある集まりの際に、おいしい日本料理が食べられるのも、日本人コミュニティがあればこそですね。

日本の留学生とアイスランド大学生の交流も

アイスランド大学日本語学科で日本語を学んでいるアイスランド人の学生や、日本の大学から交換留学生で来ている日本人学生とのつながりもあります。彼らのパーティーや飲み会に参加すると、交換留学生の中には、アイスランドに来て学業以外の活動に精を出す学生さんもいれば、「遊んでばかりでまったく勉強ができない」と嘆く学生さんもいて、留学に対する考え方も実にさまざまなことがわかります。

食事はちょっぴり工夫が必要?数少ない和食材で乗り切る

平日の食事は、勤務時間中なら会社で食べます。平日5日間の昼食と、火曜日・木曜日の夕食は、会社で用意してくれるからです。夕食には、社外の人も連れてきてOKなので、恋人を呼んで一緒に食べたりもしています。それ以外は自炊ですが、手に入る日本の食料品は非常に限られているのが実情です。

調味料は比較的、入手しやすく、醤油(しょうゆ)やマヨネーズは地元の普通のスーパーマーケットで、麺つゆや味噌(みそ)やみりん、酢などは日系企業の作っているものやそれに類似したものがベトナム系マーケットなどで手に入ります。作りたての豆腐も割と手に入りますね。

ただ、やはり日本にいるときと同じようにはいきません。例えば、特定のメーカーのカレーのルーやシチューのもと、お好み焼き用の粉やいなり寿司用のあげ、インスタントみそ汁やチャーハンのもとといった食料品は、日本から遊びにくる友達に頼んで持ってきてもらったりしないと難しいですね。

和食材はほとんどなく、現地の日本人女性たちも代用品を見つけようと試行錯誤を繰り返しているよう。米は、個人的に食材を日本から輸入している前述の方を通して日本米を買うことができます。和食材以外の現地の食材に関して言うと、肉類は豊富なものの、野菜の選択肢が少ないとこぼしている日本人が多いですね。

現地の友人たちと楽しむバー・ホッピング

週末のバー巡りは、仕事の同僚や、大学生たちと楽しんでいます。一緒に飲む同僚のうち、約6割はアイスランド人で、あとはロシア・ドイツ・イギリス・アメリカから来ている人たちが多いですね。話題は、職場で休憩時に話す内容とさほど変わりません。

一方、大学生と飲みに行く際には、その8割がアイスランド人、残りの2割は日本人といったところでしょうか。彼らは基本的に日本語学科の生徒なので、日本のアニメや音楽といったカルチャーに関する話題が多いですね。日本語の学習に関することや、宿題について質問されたりすることもしばしば。いずれにしても、

やはりアイスランドがどれだけ良い国かという話題になったときが一番、盛り上がります。おそらく私たち日本人も、日本を好意的に評価する話題になると同様にうれしく感じるのではないかと思うので、とても共感できますね。

アイスランドの人気観光地、「ブルーラグーン」と「ゴールデンサークル」

日本から友人が遊びに来てくれた際に必ず行くのは、お湯が真っ白な温泉「ブルーラグーン」、そして「ゴールデンサークル」。この「ゴールデンサークル」と呼ばれる地域には、主にシンクヴェトリル国立公園、ゲイシール間欠泉、グルフォス滝があり、観光地として非常に有名です。

この国立公園では、海嶺(かいれい)が地上に露出している「地球の割れ目」を見ることもできます。というのも、日本は大陸プレート同士がぶつかって沈んでいく境にありますが、アイスランドは逆にプレートが生み出されている場所だから。ヴァイキングたちの民主会議「アルシング」や処刑などが行われていたという、歴史的スポットでもあります。

旅行に適したスポットも多数。車でオーロラを見に行くこともできる

「オーロラを見よう!」と、夜中に北の方向に向かって車を出したこともありました。フロインフォッサル(溶岩の滝)やバルナフォスの滝のある地方にキャンプをしに行ったこともあり、次のバカンスには、恋人の出身地である北西フィヨルド地方に旅行に行く予定をたてています。

なお、国外旅行に行くときは、基本的に飛行機で。そういう意味では、同じ島国である日本の「海外旅行」とあまり変わらない気がしますが、周辺にあるフェロー諸島やアイルランド、スコットランドあたりなら比較的安く訪れることができます。

次回は、海外駐在で得られる収穫や、そのためにできることについてお話しします。

レイキャビク郊外のハフナルフィヨルズゥルという街のバー 画像

レイキャビク郊外のハフナルフィヨルズゥルという街のバー。バイキングフェスティバルが開かれていた期間中だったからか、独特の装飾が施されている。

バルナフォスの滝 画像

キャンプで訪れたバルナフォスの滝。氷河が溶けた青白い水が印象的だ。

アイスランドの洞窟 画像

約1キロメートルもの深さがある洞くつを探検したときの光景。「生きて帰れるだろうか?」と命の危険を感じた。

世界最大級の露天温泉である「ブルーラグーン」の待合室 画像

世界最大級の露天温泉である「ブルーラグーン」の待合室。隣接する発電所が汲み上げた地下熱水の排水を利用して作られた人工的な温泉施設だ。

構成/日笠由紀

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