身近に「こうなりたい」と思う社会人はいますか?
大学1年生に、身近に「こうなりたい」と思う憧れの社会人がいるかどうかを尋ねたところ、「はい」という答えが約4割、残りの約6割が「いいえ」と答えた。属性別では理系学生よりも文系学生に、「はい」と答えた学生の割合が多かった。
「はい」とお答えの方におうかがいします。その人にはどこで会いましたか?(複数回答)
「その人にはどこで会いましたか?」という問いに対しては、「大学や卒業した小中高などの学校」という答えが半数以上に上り、次いで「家庭(両親や兄弟姉妹・親戚など)」が36.2%で続いた。「その他」では、「習い事先で会った先生」「旅行先で会った人」などの答えが複数寄せられた。
●祖父。視野が広く博識で飾らない人で、話していて自分の人間性が深まる気がする。お歳暮やお中元を一切贈らず贈らせないが、その代わりに記念日や誕生日など、その人の特別な日には贈り物をするなど、味わい深いエピソードに事欠かない人。こういう人が身内にいてよかったと心底思えるし、私もいつかそうなりたいと思う。(情報学部)
●大学の部活の先輩。仕事の休みは土日しかないのに、その土日にほぼ毎週部活を見に来てくれる。(教育学部)
●アルバイト先の飲食店の社員。いつも優しいが、必要なときには厳しく接してくれて、仕事もしっかりとできるから。(教育学部)
●高校のころの先生。人によってそれぞれ立場が違うことをきちんとわかっていて、その上で接し方を変えたりする姿はとてもかっこよかった。何か相談すると、「先生」としての立場からの一般的な答えではなく、その先生自身の考えを話してくれた。(文学部)
●部活の先輩。社会人になっても、自分のやりたいことと、仕事を通じた社会貢献、両方のバランスをうまくとって時間を使っているところに憧れます。(文芸学部)
●大学の教授。いつも、言葉を選んで話をしてくれるのと、情報のさばき方がうまい。ゼミの助手や学生など、自分よりも下のどの立場の人にも配慮した言い方ができる。(文学部)
●自分の姉。相談に乗ってくれて、いつも的確なアドバイスをしてくれる。仕事や結婚など、自分のことも大変なはずなのに、いつも私のことを心配してくれている。(医学部)
●小学校のころの副担任の先生。小学校・中学校・高校と、ずっと手紙のやりとりを続けてくださり、受験の応援もしていただいた。(文化構想学部)
●高校の委員会の先輩。自分のやりたい職業に就くために誰よりも努力をして、その結果、見事にその職に就いているから。自分も、目標を達成するために、先輩以上の努力が必要だと思っている。(経済学部)
●自分の母親と、前のアルバイト先のパートの女性。どちらも母子家庭で、子どもを育てるために毎日働いている姿を見て、見習いたいと思った。(通信学部)
●高校のころ、修学旅行で乗った飛行機で働いていた外国の航空会社のCAの女性。周りが外国人ばかりの中で、堂々と存在感を示していた。僕もその人のように、周囲の環境に適応できる大人になりたい。(人間環境学部)
●高校の時の英語の先生。私が本気で英語教員を目指すきっかけをくれた。皆に慕われて、教え方もとても上手だった。(国際文理学部)
努力して目標を達成したり、人との接し方が上手だったり、時間の使い方が見事だったりと、お手本にしたくなるような「かっこいい社会人」は、意外と身近にいるものなのね。みんなも、先生や家族、先輩やアルバイト先の社員といった周りの社会人の振る舞いや言動について、今までよりもさらに注意深く観察してみては? 「こんなふうになりたい」「こういうところをまねしたい」と思えるポイントが、きっとたくさん見つかるはずよ。
文/日笠由紀 イラスト/中根ゆたか