リース編

国内市況は頭打ち。新興国への進出と、航空機リースなど成長分野での取り組みがカギに

リース会社とは、情報通信機器・事務用機器・産業用機械・建設機械などを顧客企業に貸し出して利益を上げる企業のこと。オリックス、三井住友ファイナンス&リース、東京センチュリーリース、三菱UFJリースなどが代表格だ。

 

公益社団法人リース事業協会によると、2013年度(14年3月期)のリース取扱高は、前年度比7.5パーセント増の5兆2390億円。リーマン・ショック後、市況は急激に縮小していたが、11年以降は3年連続で拡大中だ(下記データ参照)。背景にあるのは、景気回復に伴い企業の設備投資が増えていること。さらに、消費増税前の駆け込み需要も各社の業績を後押しした。特に好調なのは震災の復興需要が引き続き大きい土木建設機械分野で、リース取扱高は対前年比で12.9パーセントも増えた。また、市場全体の約3分の1を占める情報通信機器分野も、9年ぶりに対前年比でプラスに転じている。

 

ただし、増税後の反動によって、14年度上半期のリース取扱高は対前年同期比で11.4パーセント減となった。また中長期的な視野に立てば、今後は国内企業の海外シフトが続くとみられ、国内市場は伸び悩むことが想定される。

 

そこで各社は、海外展開に力を入れている。特に進められているのが、今後リースの仕組みが広まると見込まれている新興国マーケットだ。例えばインドネシアでは、14年10月、日立キャピタルと東銀リースによる法人向けリース会社の設立、三菱UFJリースによるスラバヤ営業拠点の新設といった動きが相次いだ。また、東京センチュリーリースは14年4月、台湾の統一企業グループと共同で、中国に自動車リース会社を設立している。海外拠点の新設、現地企業の買収・提携によって海外ビジネスを強化しようとする動きは、今後さらに活発化するだろう。

 

航空機リース事業も、今後の成長が期待されている分野。三井住友フィナンシャルグループと住友商事が共同で運営する航空機リース会社・SMBCアビエーションキャピタルでは、14年7月にエアバス社の航空機115機を、14年11月にボーイング社の航空機80機を購入すると発表。経済成長によって航空需要が増えているアジアの格安航空会社(LCC)にリースする方針だとみられる。ほかの企業でも、航空機リース事業を強化する動きが活発だ(ニュース記事参照)。

 

環境・医療分野も、各社にとって成長の柱となりそうだ。例えば、日立キャピタルは日立製作所と連携し、風力発電の事業者向けに発電機のリースを行うサービスを提供している。太陽光発電プロジェクトを推進するリース会社も多い。また、政府が先端技術の導入にリースを活用する仕組みを整備していることにも注目しておこう。これは、最新鋭ロボットや3Dプリンターといった先端設備をリースする会社に対し、一定の損失を補填する制度。これにより、成長分野でリースの仕組みが広がる可能性もありそうだ。

 

国内リース取扱高の推移

2006年……7兆8677億円(対前年比0.9パーセント減)

2007年……7兆1542億円(対前年比9.1パーセント減)

2008年……6兆564億円(対前年比15.3パーセント減)

2009年……4兆9219億円(対前年比18.7パーセント減)

2010年……4兆5553億円(対前年比7.4パーセント減)

2011年……4兆5997億円(対前年比1.0パーセント増)

2012年……4兆8754億円(対前年比6.0パーセント増)

2013年……5兆2390億円(対前年比7.5パーセント増)

※公益社団法人リース事業協会「リース統計(2013年度)」より。ここ3年のリース取扱高は増加基調だが、リーマン・ショック前の水準に比べると3分の2程度に落ち込んでいる。

このニュースだけは要チェック <航空機リースを強化する動きが活発>

・東京センチュリーリースが、米金融グループのCITと共同で航空機リース会社を設立。東京センチュリーリース側が資金を提供し、CIT側が機体を管理する。2年間で2000億円規模を投資し、保有機を増やして海外向け航空機リース事業を強化する予定。(2014年10月10日)

 

・三菱UFJリースが、航空機エンジンのリースやエンジン管理業務を手がけるエンジン・リース・ファイナンス(本社アイルランド)の全株式を取得し、グループ会社化すると発表。同社は13年1月にも航空機リース会社を買収しており、今回も航空機リース部門強化の一環。(2014年5月12日)

この業界とも深いつながりが <銀行との結びつきは強い>

メガバンク
メガバンクと同じ金融グループに属しているリース会社は少なくない

パソコンメーカー
パソコンなどの情報通信・事務用機器は、リース取扱高の大きな部分を占める

病院・診療所
最先端の医療機器を病院や診療所にリースするケースは、今後増えていきそう

 

この業界の指南役

日本総合研究所 副主任研究員 高津輝章氏

gyoukai_vol226_高津さん

一橋大学大学院商学研究科経営学修士課程修了。事業戦略策定支援、事業性・市場性評価、グループ経営改革支援、財務機能強化支援などのコンサルティングを中心に活動。公認会計士。

取材・文/白谷輝英 イラスト/坂谷はるか

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