ゲーム(ソフトメーカー)編

ゲーム専用機向け市場からスマホゲームへシフトが続く。中国市場での取り組みに注目

一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)がまとめた『2014CESAゲーム白書』によると、2013年における家庭用ゲーム機向けソフトの国内市場規模は2537億円だった。今回から調査手法が変更されたため、以前と単純に比較することはできないが、08年に3980億円だった国内市場規模は、09年(3442億円)、10年(3341億円)、11年(3185億円)、12年(2932億円)と徐々に小さくなっている。

 

その背景として挙げられるのが、オンラインゲーム人気だ。中でも目立つのが、スマートフォン向けのソーシャルゲーム。CESAによれば、11年に369億円だった市場は、13年には3591億円と10倍近くにまで伸びた。また、PC向けやフィーチャーフォン(いわゆる「ガラケー」)も含めたソーシャルゲーム全体の市場規模は、11年の2669億円から、13年には5346億円に拡大。家庭用ゲーム機向けソフトの市場規模を上回った。

 

こうした流れに対応し、これまで家庭用ゲーム機向けソフトを手がけてきた企業が、次々とスマホ向けゲームに参入している。例えば、『ドラゴンクエスト』シリーズで有名なスクウェア・エニックスは、13年11月、スマホ向けに『ドラゴンクエストポータルアプリ』の配信を開始。あわせてドラゴンクエストシリーズの第1作を無料配信し、わずか1日で100万ダウンロードを突破するヒットとなった。スクウェア・エニックスは、その後も同ポータルアプリ上にドラゴンクエストシリーズのゲームを次々と配信し、人気を博している。
また、『三國志』シリーズなどで知られるコーエーテクモホールディングスも、過去の人気作品をスマホ版としてリリース。さらに、これまではPCや家庭用ゲーム機向けに作られていた『信長の野望』シリーズで、最新作をスマホ専用アプリとしてリリースした。今後も、スマホ向けゲームに注力する傾向は続きそうだ。

 

テレビ放送、グッズ販売なども視野に入れ、ゲーム以外の分野で収益を目指す動きも盛んだ。その代表格が、レベルファイブが手がける『妖怪ウォッチ』シリーズだ。これは家庭用ゲームを核に、マンガ、アニメ、映画、おもちゃなどに手を広げることで大きな売り上げを得ている。また、バンダイの『アイカツ!』も、アーケードゲーム、家庭用ゲーム、アニメ、映画、おもちゃなどを同時展開している。

 

複数ゲーム機への対応は、各社にとって重要な課題。13年、据え置き型家庭用ゲーム機の「PlayStation 4」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)と「Xbox One」(マイクロソフト)が発売された。こうした次世代機やニンテンドー3DS(任天堂)などの携帯型ゲーム機、パソコンに同じゲームを提供すれば、1つのコンテンツで多くのユーザーを取り込み、収益性を高めることができるだろう。

 

外国製ゲーム機の販売が解禁された中国市場にも、注目が集まっている。14年10月には「Xbox One」、15年3月には「PlayStation 4」が発売され、今後の盛り上がりが期待できそうだ。また、ソーシャルゲームを中国に売り込もうとする動きも活発。バンダイナムコゲームスは中国のソーシャルゲーム大手テンセントと組み、人気マンガ『ナルト』を題材としたゲームを中国で配信。また、ガンホー・オンライン・エンターテイメントもテンセントと協力し、日本の大ヒットゲーム『パズル&ドラゴンズ』を配信した。今後も、中国市場参入に関するニュースをチェックしておきたい。

 

ゲーム(ソフトメーカー)業界志望者が知っておきたいキーワード

ネイティブアプリ
スマートフォンや携帯電話にダウンロードして利用するアプリのこと。App StoreやGoogle Playといった携帯端末向けアプリマーケットから入手するソフトは、これに相当する。一方、Webブラウザでアクセスして利用可能なアプリは「Webアプリ」と呼ぶ。ネイティブアプリの方が多機能で動きの速いゲームを作りやすいが、開発コストがかかるなどのデメリットもある。
アイテム課金
オンラインゲームなどで、ゲームを有利に進めるためのアイテムを有料で販売すること。現在は、無料でゲームを遊べるようにし、アイテム課金によって利益を得ようとするゲーム(F2P=Free-to-Playとも呼ばれる)が増えている。
クロスメディア
キャラクターや物語といったコンテンツを、さまざまなメディアに展開すること。ゲームで人気の出たキャラクターを、アニメ、マンガ、おもちゃなどでも活用することで、多くの収益を生み出すことができる。
プロゲーマー
ゲームをする様子を見せることで報酬を得ている人のこと。ゲームソフト会社がプロゲーマーを支援し、自社製品の宣伝に役立てようとする機会が増えている。

このニュースだけは要チェック <中国市場での動きが活発化しそう>

・コーエーテクモゲームスが中国で、海洋冒険シミュレーションゲーム『大航海時代Ⅴ』ブラウザ版の正式サービスを開始。中国のソーシャルゲーム市場はかなり大きいとみられ、国内の人気シリーズがどれほど受け入れられるのか注目されている。(2015年6月16日)

 

・任天堂が、ソーシャルゲームプラットフォーム「mobage」を運営するディー・エヌ・エーと業務・資本提携すると発表。これまで家庭用ゲーム機に的を絞っていた任天堂がソーシャルゲームに参入したことで、業界に大きな衝撃が走った。(2015年3月17日)

この業界とも深いつながりが<玩具メーカーや出版社などと協力してコンテンツを育てる>

おもちゃ
ゲーム関連のキャラクター玩具は、おもちゃ会社にとって売れ筋商品

ポータルサイト・SNS
SNSを介さずに遊べるネイティブアプリが増えると、SNS運営企業には痛手

出版
ゲームキャラクターをマンガ作品化、アニメ化する際などに協力する

 

この業界の指南役

日本総合研究所 主任研究員 吉田賢哉氏

yoshida_sama

東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程修了。専門は、新規事業戦略やマーケティング戦略、企業のビジョンづくり・組織戦略など。製造・情報通信分野などの業界動向調査や商品需要予測も手がける。

 

取材・文/白谷輝英 イラスト/坂谷はるか

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