ゲーム(ハードメーカー)編

新機種の登場で海外市場は活況。オンラインゲームと「仮想現実」への取り組みが盛んに

家庭用ゲーム機は、テレビに接続して楽しむ据え置き型と、持ち運んで遊ぶ携帯型(ポータブル型)とに大別できる。据え置き型ゲーム機としては、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(ニュース参照)の「プレイステーション4(PS4)」、任天堂の「Wii U」、マイクロソフトの「Xbox One」が代表格。一方、携帯型ではソニー・インタラクティブエンタテインメントの「プレイステーション・ヴィータ(PS Vita)」、任天堂の「ニンテンドー3DS」などがある。

 

一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の『2015CESAゲーム白書』によると、2014年における家庭用ゲーム機の海外市場は1兆5790億円。前年(1兆1172億円)より約41パーセントも増えた。13年11月に新機種プレイステーション4とXbox Oneが相次いで発売され、市場は活況を呈している。特にプレイステーション4は、15年11月下旬から16年1月初頭にかけての年末・年始商戦において、全世界で570万台を販売するなど好調だ。

 

これに対し、国内家庭用ゲーム機市場は1378億円で、前年(1558億円)より約12パーセント減となった。プレイステーション4など新機種が登場したにもかかわらず、国内市場は縮小傾向に歯止めがかかっていない。主な原因は2つ挙げられる。1つ目は、これまでゲーム機に費やされていたお金と時間がスマートフォンに奪われていること。2つ目は、スマートフォン上で遊ぶ「スマホゲーム」の市場が拡大していることだ。

 

こうした中、任天堂やソニー・インタラクティブエンタテインメントは、海外市場の取り込みにさらに力を入れている。今後は北米や欧州だけでなく、新興国でもゲーム需要が高まるとみられており、グローバル市場を意識したゲーム機開発が重要だ。また、オンライン機能の充実も大切な課題。ゲームソフトをインターネット経由でダウンロードして遊ぶサービスは当たり前のものになったし、インターネットを通じてほかのプレーヤーと対戦・協力する「オンラインゲーム」の人気も高い。近年注目されているのが、異なる機種で遊ぶプレーヤー同士でも対戦できる仕組み作りだ。例えばマイクロソフトは、同じゲームのパソコン版とXbox One版を遊んでいる人同士が、オンライン上で対戦・協力可能な仕組みを構築する計画だと発表している。

 

据え置き型ゲーム機の分野では、スマートフォンより高性能・高機能である利点を生かして新たな市場を切り開こうとする動きが活発。その象徴が、16年10月に発売が予定されている「プレイステーション VR」だ。プレイステーション4と接続されたゴーグル型の機器(ヘッドセット)を装着することで、目の前の仮想空間を楽しむことが可能。複数のソフトメーカーが対応ゲームの開発を表明しており、市場の拡大が期待されている。

 

強力なライバルであるスマートフォンの分野と協業する試みも進んでいる。任天堂は15年3月、スマホゲームも手がけるDeNAとの提携を発表した。今後は、任天堂が持つキャラクターなどを活用したスマホゲームの提供などが活発化しそうだ。

 

ゲーム(ハードメーカー)業界志望者が知っておきたいキーワード

VR
Virtual Reality(バーチャルリアリティー)の略で、日本語では仮想現実と訳される。コンピュータグラフィックス(CG)を用いて、街並みや室内といった空間を三次元的に表現すること。コンピュータの性能が高まることで、より現実に近い表現が可能となっている。

AR
Augmented Realityの略で、日本語では拡張現実と訳される。コンピュータを使い、現実の世界に文字や絵などを付け加えることで多くの情報を提供したり、状況をわかりやすく伝えたりする技術のこと。グーグルの「Ingress(イングレス)」は、AR技術を生かしたゲームの代表例と言われる。

ダウンロードソフトウェア
DVDなど物理的なものとして提供される「パッケージソフト」とは異なり、インターネットを通じてダウンロードしたデータをゲーム機内のハードディスクなどに取り込んで楽しむゲームソフトのこと。特に据え置き型ゲーム機の分野では、一般的な存在になりつつある。

ヘッドマウントディスプレー
頭に装着(=ヘッドマウント)するディスプレー装置のこと。プレイステーション VRもその一つだ。外の世界と遮断された環境で目の前の映像に没入することができるため、よりリアルなゲーム体験に役立てられると期待されている。

このニュースだけは要チェック <任天堂の次世代機には注目が必要だ>

・ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、プレイステーション向けオンライン機能などを担当するソニー・ネットワークエンタテインメントインターナショナルと統合し、「ソニー・インタラクティブエンタテインメント」に社名変更すると発表。ハード、ソフト、ネットワークなどを統合して競争力を高める狙いだ。(2016年1月26日)

 

・「任天堂がWii Uの生産を終了する」という一部報道に対し、任天堂が否定コメントを発表した。しかし、同社は新型ゲーム機「NX」の開発を進めており、2016年中には詳細が発表される見込み。近い将来、Wii Uから「NX」へのバトンタッチが行われることになりそうだ。(2016年3月23日)

 

この業界とも深いつながりが <パソコンとゲームの融合が進むか?>

電子部品メーカー
センサーなど電子部品の進化が、ゲームに新たな可能性をもたらすケースは多い

パソコンメーカー
マイクロソフトはWindowsパソコンとXbox Oneの融合を目指していると言われる

携帯電話メーカー
スマホゲームは強力なライバルだが、協力して新たなコンテンツを作る可能性も

 

この業界の指南役

日本総合研究所 主任研究員 吉田賢哉氏

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東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程修了。専門は、新規事業戦略やマーケティング戦略、企業のビジョンづくり・組織戦略など。製造・情報通信分野などの業界動向調査や商品需要予測も手がける。

 

取材・文/白谷輝英 イラスト/坂谷はるか

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