海外駐在員ライフ

Vol.364 【ニューヨーク編】新たな成長の機会を与えてくれたニューヨーク駐在

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Reported by Bluebird
アメリカ・ニューヨークにある日系金融機関の支店に勤務。現地での楽しみは、家族と行くアメリカ国内旅行や、ニューヨークでの外食など。

電車内で英語のリスニング音声を聴きながら通勤

こんにちは。Bluebirdです。今回は、ニューヨーク駐在で見えてきたことなどを中心にお話しします。

 

当社では1年に1回、今後どんな業務に就きたいかという希望を人事部に出せるのですが、私の場合、第1志望ではなく第2志望として、海外勤務に対する希望を挙げていました。それは、40代という自分の年齢を考えると、「海外には行ってみたいけど、いざ行けと言われたらどうしよう?」といった迷いがどこかにあったからではないかと思います。海外駐在の苦労はいろいろ耳に入っていたので、希望はあるものの、そのために積極的に動くほどではなかったといったところでしょうか。

 

それだけに、海外転勤の辞令が下りた時はとても驚きました。第2志望だからあまり見てはいないだろうと思っていたので、「会社って、意外とよく見ているものだな」と妙に感心したものです。私の場合、赴任前のTOEIC(R)テストのスコアは750点。会社の一般マネジメント層に求められる基準である「730点」はクリアしていたものの、こちらで業務に当たるには、この水準の実力では不十分と言わざるを得ません。赴任してから1年余りがたとうとしていますが、いまだに相当、苦労しています。

 

そういうわけで、語学力にはあまり自信がなかったこともあり、駐在先としては、できれば非英語圏のアジアがいいなあと考えていました。英語を母国語としない同士であれば、ネイティブスピーカーを相手にするよりも少しラクなのではないかと考えたからです。ところが、いざふたを開けてみたら、行き先はニューヨーク。英語のネイティブスピーカーを相手にしなければならないことになったのです。

 

そうなった以上、英語が上達するように頑張るしかありません。英語力を鍛えるために心がけているのは、とにかく「耳に入れる」、つまりたくさんの英語を聴くということ。加えて、定型の言い回しを数多く、意識せず使えるように、何回も実際に口に出して体に覚えさせるということでしょうか。そのために、『即戦力がつくビジネス英会話』(ディーエイチシー刊)という本を繰り返し読み、暗記するようにしています。私の場合、あれこれ手を出すよりも、一冊、「これ」というものを決めて繰り返す方が良いようです。

 

電車通勤の移動時間も、英語の勉強に充てています。『起きてから寝るまで英語表現700』(アルク刊)という本に付いているCDの音声をiPodに移し、電車の中でひと通り聴くようにしているのです。こうして、日常会話のフレーズを自分の中にストックした上で、仕事の場面で実際に使っていくこと、それが何よりもの上達への近道だと思っています。

 

マンネリ化していた世界から未体験ゾーンに

私のアメリカ・ニューヨーク駐在は、まだ1年足らずということもあり、これといった目に見える成果は今のところ挙がっていません。まだまだ苦しみの最中と言ってよいほどです。とにかく、日本にいた時とは、仕事の環境も違えば、相手も違う。仕事の質も違うし、マネジメントの仕方も違う…。まるで、まったく別の“戦場”に送り込まれてしまったような気分です。

 

しかし、ともすればそれまでの仕事に慣れきってマンネリ化しかけていた自分に、新たな刺激を与えてもらう良い機会だったようにも思います。なにしろ、日本では、先に起きることがある程度予測できる上に対処法もわかっていたので、どんな場面でも十分に管理、コントロールできていたことが、こちらでは、今までまったく経験のない事態について瞬時に判断を求められてしまうわけです。今、私が苦しんでいるのは、まさにそのせいなのですが、その一方で、自分の経験だけでは計り知れない世界があるという発見ができたことは、自分にとってさらなる成長のチャンスだとも思います。

 

将来、海外で仕事をしたいと考えている皆さんには、学生でいる間に、何かひとつのものをきちんとやり遂げておくことをお勧めします。私は新卒の人事採用を手伝っていたこともあるのですが、その経験から言うと、「就職のために予備校に行った」「資格を取った」といったタイプの経験や成果を、採用側はあまり評価しません。仕事に必要な資格など、就職してからでも取れるからです。

 

それよりも、「学生時代にどんな取り組みをして、そこから何を得たのか」「そして今、どんなことを考えているのか」…採用側は、そうした観点で学生を見ています。私自身、たくさん勉強した人よりも、いろいろなことを経験し、その経験を通じて、どんなことを考えたのか、そこから得た教訓を「一家言」としてきちんと語れるような人に伸びしろを感じたものです。

 

海外での仕事に、テストの問題のような決められた答えはありません。特にアメリカの金融マーケットは、選択肢が非常に多く、すべてを選ぼうとすると、時間と能力の点で限界に直面します。幅広い選択肢がある中で、「自分はここを切り開くんだ」という明確な意見を持たないことには、渡っていくことのできない“戦場”なのです。だからこそ、時間が豊富にある今のうちに、明確な意見を持ち得るだけの“自分”を確立できるような経験を、たくさん積んでほしいと思います。

 

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モホンク マウンテンでは、ハイキングだけでなく、湖でボートを漕いで遊ぶこともできる。冬はアイススケート、クロス・カントリースキーなどのウィンター・スポーツの楽しみも。

 

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同じくモホンク マウンテン。左後方のホテルは、古城のようなたたずまいが印象的だった。

 

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英語力アップに役立った教材の数々。ビジネスに特化したものは、すぐに実地で使えて助かった。

 

構成/日笠由紀

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