大学生活で海外に行ったことはありますか?
大学2年生~大学院2年生に、大学生活において、海外に行ったことがあるかどうかを尋ねたところ、3割強が「はい」と回答し、約3人に1人が海外に行っていることがわかった。属性別に見ると、学部生よりも大学院生、理系学生よりも文系学生の方が、「はい」と回答した学生の割合が高く、特に大学院生は、約2人に1人が海外に行ったことがあるという結果になった。
海外に行った目的は何ですか?(複数回答)
次に、海外に行った目的について尋ねたところ、「旅行」が8割弱でダントツとなり、次いで約3人に1人は「留学」で行っていることがわかった。「学会など授業の一環として」も1割を超えて続いた。「その他」では、「部活の一環として」「海外赴任中の親に会いに」「文化交流事業に参加して」といった答えが見られた。
●パリで自転車の借り方がわからなかったときに、フランス人の女性が案内してくれた。結構な距離を一緒に歩いてくれて、感激した。(旅行で行った・経済学部4年)
●イギリスに旅行したとき、歴史的建造物が数多く残っていて、街並みが美しく印象的だった。日本も古い建物をもっと残すようにした方がいいと思った。(旅行と留学で行った・文学部4年)
●日本にはない海外の人々の生活風景を見ることができて、日本の良さや悪さを再認識した。英語を使わざるを得ない環境に身を置くことで、英語を話すことに抵抗がなくなったのも収穫。今まで以上に英語に興味を持つようになった。(旅行と留学で行った・大学院理工学研究科2年)
●日韓関係が悪化している最中に韓国へ行ったが、実際の人々はそこまで反日的ではなく、冷静に行動していると感じた。メディアからの一面的な情報を鵜呑(うの)みにしてはいけないと学んだ。(文化交流事業で行った・文教育学部2年)
●いろいろな意味で度胸がついた。(旅行と留学で行った・文系学部3年)
●カナダに旅行しました。道に迷った時に、1時間以上かけて一緒に道を案内してくださった女性がいました。ジョギングのついでだと言ってくださる心遣いに脱帽しました。(留学で行った・文学部3年)
●イギリス、中国、アメリカを訪れたことで、日本の文化の良さを知ることができた。また、治安や食事は日本が一番良いと感じた。(旅行と学会参加など授業の一環として行った・大学院理工学研究科1年)
●台湾で、障がいのある人も普通に屋台で働いている姿を見て、日本でも障がい者の人たちがもっと普通に働ける文化ができたら良いと思った。(旅行で行った・社会学部4年)
●世界各国のハイレベルな研究者らの発表やディスカッションを肌で感じたことで、自分も成長しなければならないと感じた。良い刺激を受けることができた。(旅行と学会参加など授業の一環として行った・大学院工学府2年)
●海外では、レディーファーストが社会に根付いていることを実感した。(旅行と留学で行った・文系学部2年)
●カンボジアへ行った際、現地の歴史を学ぶことで、日本がいかに恵まれているかということを再確認した。(旅行で行った・文系学部4年)
●ラオスを旅行した際に、象使いのライセンスを取った。資格がひとつ増えてうれしい。(旅行で行った・教育学部3年)
約3人に1人の先輩が、大学生活の中で海外に行ったことがあるんだね。先輩たちのリアルボイスからは、現地の文化や風景に触れることで、自分のそれまでの価値観を揺さぶられている様子が伝わってきたよ。時間もお金もかかるけど、比較的スケジュールに余裕のある低学年のうちに、海外を経験しておいても良いかもね。
文/日笠由紀 イラスト/中根ゆたか