人事1304人に聞いた 「総合職、エリア総合職、一般職に求めるものとは?」【人事のホンネ】

インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムや採用選考に関する人事のホンネを聞いてみるこの企画。今回のテーマは、「総合職、エリア総合職、一般職に求めるものとは?」です。

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「総合職」「エリア総合職」「一般職」の一般的な違い

まずはじめに「総合職」「エリア総合職」「一般職」の一般的な違いを説明します。企業によっては、これらの職掌(しょくしょう)別に採用を行っていますので、概要を押さえておくと良いでしょう。企業によって役割・定義・表記は異なるため、厳密な区分については各企業の採用要綱を確認してください。

総合職とは

会社の基幹業務に携わり転居を伴う異動がある社員のこと。

エリア総合職とは

総合職とほぼ同じ業務に携わり転居を伴う異動がない社員のこと。

一般職とは

主に定型的な業務に携わり転居の伴う異動がない社員のこと。

では、どれくらいの企業がこれらの職掌(しょくしょう)別に採用を行い、それぞれ、どのような資質や素養を求めているのでしょうか? 人事1304人に聞きました。

[調査概要]
調査期間:2014年9月19日~9月24日
調査サンプル:新卒採用を担当している人事1304人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング

総合職、エリア総合職、一般職など、職掌別の採用を行っている企業は約4分の1

■あなたの所属する会社では職掌別採用を行っていますか?

あなたの所属する会社では職掌別採用を行っていますか?に対する回答の円グラフ

職掌別採用を「行っている」と答えた人事の割合は約4分の1の26.5%、「行っていない」と回答した人事は73.5%という結果に。

「行っている」と回答した人事を業種別に見ると、銀行(70.8%)、保険(50.0%)、自動車メーカー(40.0%)、総合商社(36.7%)、通信(35.3%)などで割合が高くなりました。

※母集団が10人以下の業種は除外。

総合職、エリア総合職、一般職…それぞれの職掌に求めるものは?人事の回答をまとめて紹介

ここからは、企業の人事に聞いた「総合職、エリア総合職、一般職…それぞれの職掌に求めるもの」を企業群・業界ごとに紹介します。

銀行

「ストレス耐性、気配り、改善する力…職掌ごとに異なる」(銀行/40代男性・人事歴23年)のイメージ

総合職に求めるものの中で最も重視するのは、ストレス耐性です。というのは、キャリアの第一歩として支店での法人営業を担当することが多いから。お客さまからの融資の要望にシビアに交渉・対応していかなければなりませんし、扱う金額が億を超えることもあるため、プレッシャーは生半可なものではありません。

次に、エリア総合職の場合は、気配りができることと、地道に、かつ堅実に仕事ができること。個人を中心とした地域のお客さまと営業担当として長く付き合う仕事ですから、「この人なら信頼できるな」と思ってもらえることが大事です。

そして一般職は、まずは、自分の役割や上司・先輩からの指示、業務マニュアルなどを理解して着実に業務を行うこと。そして、できることなら、より良いサービスを提供できるよう、業務の進め方を改善していく姿勢が欲しいですね。

総合職:バランス感覚、高度な思考力、他人との親和性。
エリア総合職:地域への貢献意欲。
一般職:高度な事務処理能力、人柄の良さ。
(銀行・50代・人事歴12年)

電機メーカー

総合職:総合職の中から、将来、会社を背負って立つ人が出てきてほしいので、グローバルな視野を持って、仕事に取り組むことを期待する。
エリア総合職:しっかりと現場を支える、粘り強さと向上心。
一般職:向上心、協調性があること。
(電機メーカー・60代・人事歴1年)
総合職:ローテーションへのこだわりの少なさ。
エリア総合職:柔軟な考え方。
一般職:実行力。
(電機メーカー・40代・人事歴1年)

食品メーカー

総合職:数年かけてすべての業務を経験したのちに、特定の職種を担当してもらうため、過酷な研修を耐え抜く忍耐力。
エリア総合職:その地域特有の原材料や文化を利用・応用できる力。
一般職:事務処理能力。
(食品メーカー・50代・人事歴15年)

アパレルメーカー

総合職:全国転勤が可能で、職務に対しての意欲が高いこと。
エリア総合職:地域に根づき、高い意識を持つことと、一定地域であれば異動可能であること。
一般職:しっかりと業務に取り組み、その拠点の核となる人物になってくれること。
(アパレルメーカー・20代・人事歴7年)

化学メーカー

総合職:グローバル本社の基幹社員としての幅広い教養と、優れた実務対応力。
エリア総合職:担当職務のスペシャリストとしての業務の深化。
一般職:サポート社員にとどまらず、職域を広げていく意欲。
(化学メーカー・40代・人事歴20年)

建設業

総合職:いろんなことにチャレンジして人間性を大きくしてほしい。
エリア総合職:その道一筋に頑張ってほしい。
一般職:チームワークを重んじてほしい。
(建設業・50代・人事歴24年)
総合職:与えられた仕事に貪欲に取り組むこと。
エリア総合職:その職種のスペシャリストになるという自覚。
一般職:常に昇進していきたいという気持ち。
(建設業・50代・人事歴3年)
総合職:経営側に立ったマネジメント力。
エリア総合職:経営側に立って考えられるだけでなく、業務を拡大するべく行動できること。
一般職:勤勉さと、先を読んで行動する力。
(建設業・40代・人事歴4年)

ソフトウェア会社

総合職:打たれ強さ、柔軟性、行動力。
エリア総合職:協調性、リーダーシップ。
一般職:勤勉さ、素直さ。
(ソフトウェア会社・50代・人事歴30年)

百貨店

総合職:柔軟性と臨機応変さ。
エリア総合職:すぐになじめる適応力。
一般職:そつなくこなせる器用さ。
(百貨店・20代・人事歴3年)

専門サービス

総合職:どんな仕事に対しても前向きに、率先して取り組む意欲。
エリア総合職:エリア限定とはいえ「総合職」という意識を持った行動。
一般職:一般職=サポート役ではないという意識。
(専門サービス・30代・人事歴14年)

編集部より

人事の声で目立ったのが、一般職に求めるものに「前向きさ」「向上心」を挙げる声。「一般職に求めるのは、仕事の正確性と改善力」(電機メーカー・50代男性・人事歴30年)などの声に代表されるように、決められた業務を「こなす」のではなく、どうすればよりスムーズに業務を進められるかなどについて積極的に考える姿勢が必要なのでしょう。

また、紹介した人事の声から、企業や業種によって、各職掌に求められるものは異なることも読み取れます。どの職掌で働きたいかは、企業ごとに、それぞれの職掌の役割と求められるものをよく調べて考えたいものですね。

文/浅田夕香 イラスト/斎藤ひろこ(ヒロヒロスタジオ)


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記事作成日:2015年2月17日 記事更新日:2024年2月1日

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