【サウジアラビア編】得られる経験と任される仕事の面白さが駐在の収穫

Reported by nk4
サウジアラビアで国家規模で展開しているプロジェクトに日系企業として参加している。現地での楽しみは、料理や外食、ゴルフやサッカーなどのスポーツと、釣りやバーベキューなど。

問題を解決した経験が自分の糧になる

こんにちは。nk4です。今回は、駐在生活で得たものについてお話しします。

仕事で使う言語は英語のみなので、英語力は、赴任時よりも向上しているかもしれません。仕事で使う以外には、時間のあるときに字幕なしで映画を見て、リスニングのトレーニングをしています。映画のジャンルには特にこだわりはありませんが、アクションは不向きなように思います。

また、一人で車に乗るときは、英語で放送されているラジオ番組を聴きながら、そこで話されている英語を後追いで繰り返す「シャドーイング」もしています。毎日、車で15分ほどの道のりを自分で運転して通勤しているので、その間も英語のトレーニングができるわけです。

駐在手当も出ていますが、それよりも残業代の方が、正直ありがたいですね。なぜなら、海外では残業上限規定が日本国内とは異なり、海外にいる方が、残業代が多く加算されるからです。今と同じ業務をする前提で他社に移れば、収入額はもう少し増えるかもしれませんが、今の会社で得られる経験や、任される仕事の面白さを考えると、不満はありません。

それは、幅広い業務を任せてもらっているため、あらゆる問題解決のプロセスを経験として自分の中に蓄積できるからです。加えて、プロジェクトのスピード感の中で周りを引っ張る躍動感、任される裁量権の大きさなども、他社では味わえないだろうと思っています。

日本人が築き上げてきた信用を損なわないように

サウジアラビア駐在を命じられた時は、「来るべき時が来た」と感じました。私の会社では、サウジアラビアは避けて通れない国だからです。そして、サウジアラビアでは、こちらが日本人とわかった途端に、現地の人たちの態度が変わります。尊敬の眼差(まなざ)しで見られるし、握手を求められることもあります。彼らのこうした反応は、これまでサウジアラビアで仕事をしてきた日本人が、彼らの信頼を得ようと努力し、見事に成功した結果にほかなりません。そうしたサウジアラビア人と接するたびに、「先輩たちが築き上げた信用を自分が損なうわけにいかんな」と責任を感じます。かくいう私は、よくフィリピン人に間違われますが(笑)。

私の大学時代は部活動一色で、学業については、「単位をいかに効率的に取るか」というスタンスでしか臨んでいませんでした。今思えば、もっと大学でいろいろな講義を真面目に受けておけばよかったと後悔しています。特に、専攻していた分野とは別の講義を受けておけば、どれだけ人間としての幅を広げることができただろうと思います。社会人になると、勉強時間を確保するのは難しいし、相当のエネルギーが必要。学生の皆さんには、そういった悔いを残さないように勉強することをお勧めします。

また、これからは今まで以上に国内だけのビジネスは難しくなるので、どの業界でも海外駐在は避けられなくなってくると思います。どんな国で働くにせよ、最終的に人柄を認められたり信頼が得られるかどうかが問われると思いますので、語学力などを理由に尻込みしたりせずに、ぜひ果敢にチャレンジしてください。

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紅海に面したビーチでSUP(スタンドアップパドルボート)の練習をしている光景。始めたばかりということもあり、ちょっぴりへっぴり腰になっている。

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空気を入れるタイプのSUPなので、海に浮かべる前に空気を入れなければならない。

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サウジアラビア南西部にあるアブハという街。標高2000メートルという山の上にあるため、夏でも涼しくて快適。避暑地として、サウジアラビア人にも人気がある。

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アブハに向かう途中の道には、野生の猿も生息している。

構成/日笠由紀

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