【トルコ編】割り込み御免! トルコでのビジネススタイル

Reported by クルムズベヤズ
トルコのイスタンブールにある日系企業の現地法人に勤務。ヨーロッパとアジアとにまたがる地の利を生かして、休日や長期休暇を利用した家族旅行に出るのが現地での楽しみ。

トルコでの社員教育は「褒めて伸ばす」式が効果的

はじめまして。クルムズベヤズです。トルコのイスタンブールにある日系企業の現地法人に勤務しています。

社内は、私以外に2人駐在員がおり、残りはすべてトルコ人という構成ですが、グループ会社には欧米、アジアのいろいろな国籍のスタッフがいます。取引先や顧客も同様で、多種多様な国籍の方々とのお付き合いがあります。

仕事では、口頭のやりとりでも文書でも、基本的に英語を使っていますが、どうしてもこちらの意図が通じない場合に限り、通訳を介して日本語で伝えることもあります。また、トルコ語しか理解しない現地の現場作業員に対しては、トルコ語を駆使して、なんとか意思の伝達を図っています。

トルコで仕事をしていると、日本では当たり前のことが、ここでは当たり前ではないことに気づかされます。例えば、日本では話をしたい相手が打ち合わせ中だったら、よほど緊急でない限りは、相手が同僚であれ部下であれ、終わるのを待ちますよね。上司相手ならなおさらです。ところが、こちらでは誰もが平気で話に割り込んできて、自分の要件を伝えようとするのです。相手が上司のときだけ、若干遠慮気味に割り込んでくるのが救いではありますが…。

納期管理に関する意識も独特。スケジュールこそ立てるものの、どうやら日程通りに物事を進めることが苦手なようなのです。そのため、顧客に納品する期限が前から決まっていたのに、当日になって「部品が届かない」「まだできていない」といった事態は日常茶飯事。「いつ届くの?」と聞いても「インシャアラー(神の御心のままに)」、つまり「わからない」という返事しか返ってきません。

その一方で、ここぞというときの瞬発力には目を見張るものがあります。私は常々、トルコの人々に、「お人好し」「調子がいい」という印象を持っているのですが、こうした特徴を上手に利用することで、お先真っ暗だったプロジェクトを、一転、成功に導けたこともありました。納期が厳しい業務を頼むのに、「おそらく君にしかできないであろう特別なミッションがあるんだけど、頼めるかな?」とか、「この仕事はすごく短納期で、しかもとても難しいんだけど、無理かな?」といった聞き方をしたところ、彼らは「大丈夫だ! 任せておけ!」と請け負って、その業務に一心不乱に集中してくれたのです。残業もいとわずに取り組む姿は、普段とは別人のよう。その結果、通常だと2週間かかる仕事を、3日で終わらせることができたのです。このとき、「成功したら褒めて褒めて褒めちぎる」「当事者意識を持たせる」といったことが、ここトルコで人を動かすのにはとても大切なのだと気づかされました。

チャイ(お茶)で縮まるスタッフとの距離

このように、トルコでの仕事には、スタッフとコミュニケーションをとることが非常に重要。ただでさえ言語が異なる国で仕事しているのですから、現地の人に自分の伝えたいことがしっかり伝わっているかどうかが、仕事を円滑に進めるためのカギとなります。オフィスでは英語が通じるとは言うものの、お互いに外国語をしゃべっているので、こちらが伝えたいニュアンスが常に相手に伝わっているとは限りません。そのため、仕事以外の場面でも、積極的にスタッフたちに話しかけるように心がけ、自分の考えを理解してもらうことを意識しています。また、毎日必ず現場へ足を運ぶことで、現場作業員の人たちにも顔と名前を覚えてもらえるようにしています。元気にトルコ語であいさつしたり、一緒にチャイ(お茶)を飲むことによって、距離が縮まっていくことを実感します。

また、納期管理が非常に重要な業務であることから、顧客から依頼された業務に遅れが出ないよう、一日に何度も部下に確認することを心掛けています。彼らは基本的にメモを取らないので、口頭で言われただけの納期は、忘れてしまいがち。スケジュールのチェック方法は、口頭で、あるいはメールでプッシュしたりといろいろですが、一日に何回も確認すると、逆に彼らのモチベーションを下げてしまうのが悩みどころです。タイミングをうまく見計らってフォローするように気をつけています。

次回は、トルコでの仕事術についてお話しします。

トルコのイスタンブールを代表するモスク「スルタンアフメト・モスク」の内部。青いイズニックタイルが多く用いられていることから、「ブルー・モスク」とも呼ばれる。

イスタンブール中心部タクシム広場の中央にある独立記念像。広場は、反政府デモの際、デモ隊の本拠地となった。

イスタンブールのアジア側、旧市街にある市場「エジプシャン・バザール」。エジプトから運ばれた香辛料が売られていたことから、この名がついたそう。

「地下宮殿」は、イスタンブールに残る東ローマ帝国時代の巨大貯水槽。世界遺産にも登録されている。

黒海に面した街「Sile」は、イスタンブールから約70キロメートルに位置しており、イスタンブール市民が休日を過ごすのに格好の保養地だ。

構成/日笠由紀

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