入学してから大きな挫折を味わったことがありますか?
2016年3月に4年制大学・大学院を卒業する予定で内定を得て就活を終えた大学4年生・大学院2年生に、大学に入学してから大きな挫折を味わったことがあったかどうかを尋ねたところ、「はい」と回答したのは約4割で、「いいえ」と答えたのは約6割だった。属性別では学部生よりも院生、文系学生よりも理系学生の方が、「はい」と答える人の割合が高い傾向が見られた。
その挫折経験は、その後のあなたの就活に役立ちましたか?
次に、その挫折経験が、その後の就活に役立ったかどうかを尋ねたところ、約4人中3人が「はい」と回答し、大多数の先輩が、挫折経験を就活に役立てていることがわかった。属性別では、大学院生よりも学部生、理系学生よりも文系学生の方が、「はい」と答える人の割合が高い傾向が見られた。
●部活の全国大会メンバー選考直前に骨折し、メンバーから外れた。怪我(けが)をした今の自分にできることが何か、後輩に何を伝えるべきか、自問自答を繰り返したことをアピールしたら、組織の中での自分の立ち回り方が面接で評価された。(商学部4年)
●同じゼミの選考に2回とも落ちたことから、チャレンジ精神だけでなく目的意識を持つことの重要さを学び、何をするにも目的を考えるようになりました。(社会情報学部4年)
●研究活動が思うように進まず、教授からダメ出しの毎日だったことから、研究が自分には向いていないのだと感じた。そこで、研究活動の中で何が一番自分にとって楽しいのかを考えることで、「自分が何に喜びを感じるか」「どんなことにやりがいをおぼえるのか」が分析できて、就活の場面でも自分の軸が定まった。(大学院アジア・アフリカ地域研究科2年)
●バイトでの人員不足や売り上げ低迷時に、スタッフの士気が下がり、リーダーとして店の雰囲気を変えることに苦労したので、何かを変えたいときは自分から変わらなければならないと実感し、それからは明るい挨拶(あいさつ)や声掛けを心がけ、仕事も積極的にするように努めました。この経験を通じて、人から「一緒に働きたい」と思ってもらえる人物像が自分の中ででき上がり、就活時にも明るいふるまいや熱心さを評価してもらえたように思います。(事業構想学部4年)
●軽音楽サークルで、練習不足から後輩に後れを取ってしまった。悔しさをバネに、熱心に練習をして実力をつけてから、自分なりのスタイルを確立できたことが就活でも役立った。(国際教養学部4年)
●留年したことは就職活動では不利となったが、逆に自分にカツを入れて頑張れた。(工学部4年)
●アルバイト先でその場しのぎで勝手に動いてしまったことでお客さんを怒らせてしまったので、それからは、しっかりと上司に確認をしてから動くようにしました。就活でも、疑問があればよく確認するようになったと思います。(人間科学部4年)
●サークルのイベントの幹事を務めていたが、仕事量が多く上手(うま)くまとめることができないときもあり、困っていた。そこで、サークルの同級生数人に情報を共有して、協力してもらうことで解決。それ以降、人に協力を求めることを学び、就活でもアピールポイントとして話せた。(文化情報学部4年)
●研究室内で人間関係でのトラブルを経験したことで、企業においても、やりがいだけでなく、社風や人間関係を重視して見る必要性がよくわかりました。(大学院人間科学研究科2年)
●就活の面接で落ちまくった。理由はおそらく話が長いからだと思ったので、「質問に対しての答えと、その答えから予想される次の質問への答えをくっつけて話すのが敗因」と分析し、そのことを面接で失敗談として話したら、「失敗した原因に自分で気づいて直せる人なんだね」と面接担当者に評価されて内定を頂けた。(工学部2年)
●高校入試、大学入試などで不合格になったことのない私は、ゼミの選考で初めて不合格というものを味わい、「自分はそれほど優れた人間ではないのかもしれない」ということに、そこでようやく気づきました。具体的に何が、というわけではありませんが、その経験がその後の行動すべてにかかわってきている気がします。(文化構想学部4年)
●大学4年の夏、第1志望だった教員採用試験に不合格に。そのあとめげずに、試験での失敗をバネにして就活を行うことができた。(経済学部4年)
挫折経験のある先輩は約4割で、その約4人に3人がその経験を就活に役立てたということは、先輩たちの約3割が挫折経験を就活に生かしていることになるね。大学生活、アルバイト、部活やサークル活動、そして就活そのものでの挫折から、先輩たちは多くのことを学んでいる様子。みんなも、失敗が続くときや、大きな挫折を味わったときは、「この経験から必ず何かをつかみとってやるんだ」とポジティブに捉えてみると良いかもね。
文/日笠由紀
イラスト/中根ゆたか
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