「入学以来、最大のピンチ!」という事態に遭ったことはありますか?
大学生・大学院生に、「入学以来、最大のピンチ!」と言える事態に遭ったことがあるかどうかを尋ねたところ、全体の半数以上が「はい」と回答した。
属性別に見ると、学部生よりも大学院生の方が、「はい」と答える学生の割合が多い傾向が見られた。
それは、どんな事態でしたか?(複数回答)
次に、どんな事態に遭ったのかを尋ねたところ、「友人関係がうまくいかなくなった」が約2割で一番多く、次いで「授業が難しくてついていけなくなった」が15.9%、「失恋した・彼氏彼女とうまくいかなくなった」「生活費や授業料が足りなくなった」がほぼ1割で並んだ。「その他」では、「病気になった」「就活がうまくいかなかった」「部活についていけなくなった」などが挙げられた。
●大学の授業が難しくてついていけなかったが、教授の研究室を訪ねて、直接教えてもらうことによって理解できるようになった。普段から予習復習しておけばよかったと思う。(保健福祉学4年)
●仕送りを計画的に使わなかったせいで、生活費が足りなくなった。家計簿をつけて1日の収支をきちんと整理することで、お金の流れを見えるようにしたら、やりくりできるようになった。初めから家計簿をつけるべきだった。(経済学部4年)
●あまり親しくない友人の話を、本人がいないところでしていたら、悪口として本人に伝わってしまった。一時はかなり悩んだが、時間が解決すると考え、その友人とも普段通りに接するようにしたところ、なにごともなかったように本人と話せるようになった。噂(うわさ)話というのはつくづく面倒なものだということがわかり、面倒に巻き込まれないためにも誤解を招くような話をしないようにしようと思った。(教育学部4年)
●彼氏と別れそうになったが、一旦距離をおいてそれぞれの生活に集中してみることで、気持ちに余裕ができ、仲直りできた。普段からきちんとそれぞれの生活を大切にして付き合っていればこのような事態は回避できたと思う。(経済学部4年)
●レポートの提出が遅れて進級が危うくなったが、教授になんとか受理をお願いしてギリギリ進級できた。前もってしっかりとレポートに取り組んでいればよかった。(理学部3年)
●初めてのアルバイトで接客をすることになったが、要領をつかむことができず、結局そのバイトはクビになった。接客業は向いていないと思い、かわりに学校で有償ボランティアの仕事を始めたところ、こちらは続いた。収入は減ったが、とても満足して働いている。(文学部4年)
●友人と意見が合わず、冷戦状態に。向こうが意固地になってしまったので、自分がおおらかな気持ちで接するようにしたところ、ひとまずは解決した。(工学部4年)
●テストの日に寝坊してしまい、単位を落としそうになったが、日ごろの真面目さが認められ、特別に追試を受けさせてもらえることになりました。規則正しい生活をしていれば、寝坊なんてしなかったのにと反省中です。(経済学部3年)
●大学の講義が難しくてついていけなくなった。わからないことは友達と協力して教えあい、講義内容を理解しようと頑張ってなんとか乗り切った。普段からもう少し真剣に講義を受けないとまた同じことになると思う。(学芸学部4年)
●経済的に苦しくなり、授業料が払えなくなりそうになった。夏休みのアルバイトを多めに入れて稼ぎつつ、大学には授業料の半額免除を申請した。(経済学部2年)
●彼氏と別れようとしたら、ゴネた相手がストーカー化しそうになった。サークルの先輩に間に入ってもらって、なんとか解決。(大学院社会科学研究科2年)
●飲み会続きで、生活費がピンチに。情けないことに、社会人の弟にお金を借りた。もっと節約すればよかったと思う。(薬学部3年)
みんな、大学生活の中でいろいろなピンチに遭遇しているんだね。自分の努力や行動で解決したり、家族や友人、大学の先生などの力を借りたり、あるいは時間を置いてうまくやり過ごしたりと、さまざまな方法で切り抜けていることがわかって、ほっとしたよ。「今、まさにピンチの真っただ中!」というみんなも、一人で抱え込まずに、いろんな解決法を試してみては? そして、ピンチじゃないみんなも、先輩たちが失敗から得た教訓を生かして、今からできる回避法を検討してみたらいいんじゃないかな。
文/日笠由紀 イラスト/中根ゆたか