ポータルサイト・SNS編

利便性向上、魅力的なコンテンツの提供などでユーザーを増やすことが、収益増に直結

ポータルサイトとは、インターネットの入り口として機能するサイトのこと。Googleのように検索エンジンを中心とした「検索型ポータルサイト」と、Yahoo! JAPANのように検索エンジン、ニュース記事、オークション機能、ネット通販など複合的なサービスを提供する「総合型ポータルサイト」がある。国内ではYahoo! JAPANが確固たる地位を占めているが、世界的に見ればGoogleが大きなシェアを占めている地域が多い。

 

一方、SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略だ。FacebookやGoogle+、mixiなどの「コミュニケーション系SNS」が代表格。短文でコミュニケーションするTwitterやLINEも、広く使われている。さらに、ゲームをサービスの中心にすえたGREE、Mobage、コロプラ、動画共有によって交流を図るYouTubeやニコニコ動画、イラストや写真によるコミュニケーションが中心のpixiv、Pinterest、Instagramなども、SNSの一種ととらえることができる。

 

ポータルサイトやSNSにとって大きな収入源は、サイト上に表示される広告枠を販売する「広告収入」である。電通が発表している「2014年 日本の広告費」によれば、14年におけるインターネット広告費は、対前年比12.1パーセント増の1兆519億円だった。市場規模は05年(3777億円)の3倍近くにまで拡大しており、今後もしばらくは成長が期待できるだろう。このところ急速に進められているのが、ビッグデータ(キーワード参照)を活用して広告効果を高めようとする取り組みだ。各社は、年齢や性別といった属性情報、ネットの閲覧履歴や購買履歴、スマートフォンからサービスを利用した際の位置情報などを収集・分析することで、サイトを訪れている人がどのような人か把握。それを基に、各ユーザーにできるだけ合った広告を表示しようとしている。また、スマートフォン向け広告や動画広告なども今後の成長が期待されている分野だ。ポータルサイト・SNS各社にも、モバイルや動画への対応をいっそう強化することが求められるだろう。

 

ネット通販やオークション、有料の動画視聴サービスなどによる「手数料収入」も有力な収入源だ。LINEは13年12月、eコマース向けサービスの「LINEモール」を開始。成長著しいeコマース業界に、新たな収益源を求めているものとみられる。一方、Yahoo! JAPANを運営するヤフーは、オークションサービス「ヤフオク!」の出品手数料を、13年10月に無料化。こちらは、出品者数を増やして広告収入増につなげるのが狙いで、企業によって経営方針が異なっているのが面白いところだ。

 

ゲームを有利に進めるための有料アイテムを販売したり、一定の料金を支払うことで広告表示をなくしたりすることで生まれる「課金収入」も重要だ。例えば、mixiの運営会社であるミクシィは、大ヒットしたスマホ向けゲーム『モンスターストライク』の課金収入が寄与し、業績が改善。また、LINEではコミュニケーションを楽しくさせる「スタンプ」の売り上げが、全体の約15パーセントを占めると言われている。

 

どのポータルサイト・SNSでも、ユーザー数を増やすことが収益拡大につながる。そのため、ユーザーが高い頻度で利用してくれるような、魅力あるサービス・コンテンツを提供できることがカギだ。例えば、Googleは検索エンジンやSNSのGoogle+をそれぞれ単独で提供するのではなく、メールサービスや地図サービスなどと組み合わせて提供することで、自社サイトの利用頻度を高める努力をしている。また、インターネット関連サービスには、多くのユーザーを集めたサービスにさらに多くの人が集中し、「一強多弱」の状況になりやすい傾向がある。他社に先んじて新しい良いサービスの内容を考え出し、実行に移すことができるかが問われている。

 

ポータルサイト・SNS業界志望者が知っておきたいキーワード

ビッグデータ
ネットワークなどを通じて集められた「膨大なデータ」のこと。SNSに投稿されるたくさんの書き込み、写真なども、コンピュータの高性能化などによって分析可能となった。現在、広告分野などへの応用などが急ピッチで進められている。
ライフログ
個人の生活(ライフ)を記録(ログ)として残すもの。パソコンや携帯電話などを使い、買い物、動画の視聴、外食などの履歴をデジタルデータとして記録する試みが始められている。
デジタルサイネージ
街中に存在する、デジタル表示可能な看板のこと。それまでポスターを貼っていた場所が、デジタルサイネージに置き換わるケースが増えている。また、インターネット上の広告とデジタルサイネージを連動させる取り組みも進んでいるところ。
スマホ対応
ポータルサイト・SNSを、パソコンではなくスマートフォン・タブレット端末で利用する人が増加。各社にとって、スマホに最適化されたサービスの提案は、より重要になっている。

このニュースだけは要チェック <LINEとグリーが共同出資した新会社に注目>

・LINEと、GREEを運営するグリーが共同出資し、新会社「Epic Voyage(エピック・ボヤージュ)」を設立すると発表。モバイルゲームの分野で高い開発力を持つグリーが、アジア地域で多くのユーザーを集めるLINE上でゲームを提供する。グローバル市場でユーザーを増やせるか、今後に注目したい。(2014年10月9日)

 

・ヤフーが、「Yahoo! 路線情報」において国内主要空港のフライト運行状況の情報提供を開始。電車やバスだけでなく、飛行機に関する情報提供も行うことで、自社サービスの利用頻度向上を図っている。このように、サービスの質を高める試みはどの企業でも熱心に取り組まれている。(2014年12月10日)

この業界とも深いつながりが<広告会社と一緒に働く機会が増える傾向に>

広告
広告収入は重要。インターネット広告会社と協力する機会も、今後増えそうだ

携帯電話キャリア
スマートフォン・タブレット端末でポータルサイト・SNSを見る人が増加中

ゲームソフト
ゲームソフトメーカーがソーシャルゲームの開発を手がけるケースも多い

 

この業界の指南役

日本総合研究所 主任研究員 吉田賢哉氏

yoshida_sama

東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程修了。専門は、新規事業戦略やマーケティング戦略、企業のビジョンづくり・組織戦略など。製造・情報通信分野などの業界動向調査や商品需要予測も手がける。

 

取材・文/白谷輝英 イラスト/坂谷はるか

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