【UAE編】海外駐在に必要なのは専門性・実行力・問題解決力

Reported by シュクラン
UAE(アラブ首長国連邦)のドバイ首長国にある日系企業の現地法人に勤務。現地で大切にしているのは、家族と過ごす時間。特に、マンション内のプールで子どもと遊ぶのが楽しみ。

週1回、カフェでネイティブとフリートークを

こんにちは。シュクランです。今回は、海外駐在に必要な能力についてお話しします。

海外駐在を希望していた私は、日本のオフィスにいるときから、上司をはじめとする周囲の人たちに、折に触れて希望を伝えるようにしていました。同時に、当時の自分の職場で与えられた職務についても、成果を出して実績を積めるようにと、最大限の努力を惜しみませんでした。

語学については、海外赴任前の1年間、週1回の頻度で約1時間のレッスンを受けていました。レッスンと言っても、出勤前にカフェでネイティブの先生と会い、フリートークをするというもの。その都度、授業料として3000円と数百円の交通費を支払うという方式でした。その日の英字新聞の記事の中から興味のあるテーマを選んでフリーディスカッションをしたり、会社で作成した英語のメールを添削してもらったりして、有益な経験ができたと思います。日本人の奥様がいましたが、彼自身は日本語がまったくできなかったため、そのおかげで日本語に頼らず英語だけを使う良い訓練になりました。親しくなってからは、一緒に草津温泉にドライブに行ったり、先生のご自宅でサンクスギビングのお祝いをしたりと、レッスン以外でも家族ぐるみでのお付き合いがありました。

日本にいる間は、毎日「ジャパンタイムズ」という英字新聞を読むように心がけていました。毎朝、日本経済新聞に目を通してからジャパンタイムズを読むと、単語の意味や話の流れが推測できるものも多く、とても理解しやすいのです。おかげで、語彙を増やしながら楽しく読むことができました。

加えて、専門性を身につけるために、簿記の勉強を始め、3級と2級を同時に受験して合格しました。今は、アメリカの公認会計士資格「CPA(R)」の勉強も始めています。

赴任後は、現地のスタッフと積極的にランチやディナーに行くように心がけています。週に1回程度はランチやデザートのアイスを食べに行き、仕事の話やドバイでのイベントの話、週末の予定や、イスラム教の習慣について尋ねたりして、「語学のトレーニング」「コミュニケーション」「イスラム文化の理解」など、あらゆる意味でとても役立っています。支払いは、誰かが「今日は自分が出す」といってみんなの分を払うことが多く、それが持ち回りに。たまに「日本式に『割り勘』にしよう」と言って、割り勘にすることもあります。

駐在員のスキルはシビアに評価されている

これは私個人の考えですが、駐在員とは、自社(日本本社)のカルチャー、ひいては「日本」という国の文化を伝え、相手にも共有してもらえるように努める伝道者のような存在ではないかと考えています。もちろん、語学力は必要ですが、あくまでも仕事をする上でのツールのひとつにすぎません。海外では、「専門性」「実行力」「問題解決能力」を備えた上で、現地スタッフと良好なコミュニケーションがとれることが、最も重要なのです。その点、現地スタッフたちは、私たち駐在員を実によく観察していて、その能力もシビアに評価しています。いざというときは、日ごろの観察を生かして、「誰が助けてくれるか」「誰が信頼できるか」を瞬時に判断した上で、よりふさわしい相手を選んで相談してくることが、見ていてよくわかります。

海外で仕事をすることで、私自身も、自信を得ることができました。最善の案を提案し、それを着実に実行することで、その姿をきちんと見てくれていた相手の理解と信頼が得られたことが、自分の自信につながったのです。言葉や文化を超えた信頼関係を築き、お互いを尊敬しあって共に高め合い、共通した価値観のもとに目標を達成することで得られる達成感は、日本語で細かい言い訳ができてしまうような環境ではないからこそ余計に実感できます。

海外駐在の醍醐味(だいごみ)は、日本の大きな組織で働いているときよりも裁量を与えられ、相応の責任を負って仕事ができること。そのためにはきちんと自分で考えて、積極的に意見を述べ、自ら行動することで自分の思いを人に伝えられることが大切です。そのためにも、学生のうちから目的意識を持って物事を考え、実行し、達成する訓練をしておくといいと思います。私自身は、学生時代、そこまで高い意識を持って行動できていなかったので、その反省も込めて皆さんに提案する次第です。加えて、日本の外から日本を見ることで、日本の良さ、日本にいる家族、友人の大切さに気づくのも、海外駐在で得られる大きな財産だと思いますよ。

中東の代表的スイーツ「デーツ」(別名ナツメヤシ)。日本でもとんかつソースなどに使われている。

ドバイのメインストリート「シェイク・ザイード通り」沿いに建ち並ぶ高層ビル群。

ドバイにある公園。入り口には見ての通り行列が。

同じく公園の光景。高温の上、乾燥しているドバイでは本来自生しない芝生が、行き届いた手入れによって維持されている。

構成/日笠由紀

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