【マレーシア編】年功序列のしがらみがないマレーシアの会社

Reported by りん
マレーシアにある日系メーカーの現地法人に勤務。現地での楽しみは、マレーシア国内ならびに周辺のアジア諸国への旅行やゴルフ、ダイビングなど。

20代でプロジェクトリーダーを任される

はじめまして。りんです。マレーシアにある日系メーカーの現地法人に勤務しています。

 

職場の同僚は、華僑(中国系)が90パーセント、マレー系マレーシア人が8パーセント、インド系マレーシア人が2パーセントという構成です。取引先は、華僑80パーセント、マレー系マレーシア人13パーセント、日本人5パーセント、インド系マレーシア人2パーセントとなります。マレーシアはもともと多民族国家で、国民は、マレー系マレーシア人、華僑、インド系マレーシア人の順に多いので、私の職場環境には、いかに華僑が多いかがおわかりかと思います。

 

仕事で使う言語は、英語です。同じ民族同士で話すときは、各民族ごとに中国語やマレー語になる場合もありますが、ビジネスシーンでは基本的には英語を使うことが常となっています。

 

これはもしかするとマレーシア全体というよりも当社だけの特徴かもしれませんが、年功序列によるしがらみが少ないことにも驚きました。もちろん役職に応じた階層はありますが、あくまでも実力の世界なので、上司をはじめとした上の職級の方々は、ほとんどが能力が高くて心から尊敬できる方ばかり。加えて、20代でプロジェクトリーダーを任されることも少なくないため、その若さでも社長や副社長といったマネジメント層との距離が圧倒的に近く、トップの存在を身近に感じながら仕事ができるのです。例えば、月例ミーティングやプロジェクトの進捗確認のためのミーティングでは、20代の社員が、社長や副社長と直接やりとりする場面もあるほど。経営層の考え方、物事の進め方を若いうちから目の当たりにして、実際に体験できるので、私自身も成長できている自覚があります。

 

加えて、彼らはとても「open minded」だと思います。日本語で言うと、考え方が柔軟で偏見がなく、新しいものや考え方を受け入れやすい、といったところでしょうか。また、彼らと仕事をする際は、必ず自分の意見を求められます。言われた仕事をやる「やらされ仕事」ではなく、自分で切り開いていく仕事をする必要があるのです。日本の企業には「若手を教育する」という文化がまだ残っていて、後輩社員が困っていたら、先輩社員が手を差し伸べて、ヒントをくれたり、助けてくれたりすることも少なくないと思いますが、こちらでは、皆、自分のことで手いっぱい。自分の仕事は、自分で計画を立て、自分で動かないと先に進みません。“まずは深く自分で考え、自分なりの意見を述べて、進め方の合意をとる“の繰り返しで仕事を進めていくようになりました。反対意見に対しても説得できるように準備をするようにもなりましたね。

 

感謝の言葉をその都度伝える

彼らと一緒に仕事をする上で気をつけているのは、価値観やバックグラウンドなどがその人ごとに異なることを前提として、その人ならではの性格、やり方を意識しながら対応をすること。仮に相手が部下だとしても、彼らが個々の仕事をしてくれることによって自分のプロジェクトが成り立っていることに対する感謝の気持ちを、その都度、話し言葉やメールで常に伝えるようにしています。赴任してきたばかりのころは、「私一人じゃ何もできなかったわ」と言ったり、最近は「○○してくれてありがとう!」とお礼を言ったり。

 

加えて、マレーシアの職場は、役割分担がはっきりしていて、オフィスの掃除だけを請け負う人もいれば、お茶くみだけを任されている人もいます。そういった仕事をやってくれる人がいるからこそ、仕事は回るのだと私は思っています。そこで、そうした人たちにもなるべくその都度、「ありがとう」と言うようにしています。なかなかお礼を言われることなど少ないらしく、びっくりする人もいるようです。

 

部下には、たまにカジュアルなランチをごちそうしたり、自分で作ったものをふるまったりして、仕事以外のコミュニケーションもとるようにしています。例えば、プロジェクトや何かの作業が一段落したときなどは、5~6人を誘って、日本食レストランで和食をごちそうします。年に1~2回は、20人くらいを自宅に招いて、手巻き寿司パーティーをやったり、日本式のカレーをふるまったりもします。私が住むコンドミニアムには、共用施設としてキッチン付きパーティールームがあるので、多少、人数が多くても大丈夫なのです。

 

毎日の職場環境を気持ちの良いものにしたいので、一緒に働く人たちがどういうふうにモチベーションを持って仕事をしてくれるか、相手をよく観察し、日々の会話を通じて理解することも心がけています。例えば、華僑の人たちは、昇給や昇進がモチベーションになるようなので、予算に余裕があるときは、海外の出張に同伴させてあげるなど、新しいことを経験させてあげることで、彼らの上昇志向を満足させています。マレー系マレーシア人には、現状に満足して「このままが心地良い」という人が多いように思えるので、楽しく働いてもらえるように、チームで働く楽しさや、やりがいを感じてもらえるように心がけていますね。

 

次回は、多民族国家マレーシアについてお話しします。

 

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ペナン州のジョージタウンにある「チョンファッツィマンション」。プラナカン様式の邸宅であり、「ブルーマンション」とも呼ばれる。

 

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同じくペナン州のプラナカンマンション。「プラナカン」とは、15世紀後半からマレーシアやシンガポールにやってきた中国系移民の子孫のこと。彼らが現地の女性と結婚したことによって、中国やマレーの文化とヨーロッパの文化をミックスさせた、独自の生活スタイルが生まれた。

 

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マレーシアの首都クアラルンプールにある超高層ビル「ペトロナスツインタワー」。マレーシアの国立石油会社ペトロナスによって建築された。

 

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同僚たちとのやりとりに使っているSNS「WhatsApp」。「明日、朝ごはん買ってくるつもりだけど、もし欲しかったら絵文字で教えて」と声をかけた同僚に、次々に「買って来て」と頼む様子がわかる。

 

構成/日笠由紀

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