今週は、大学2年生~大学院2年生864人のアンケートを紹介します。
先輩たちがひと月に読む本の量はどれくらいなのでしょうか?
学生は1カ月に平均3冊本を読んでいる
■1カ月に何冊の本を読んでいますか?
大学生・大学院生に、1カ月に何冊の本を読むのか尋ねたところ、全体の半数以上は1~4冊の本を読んでおり、約4人に1人は1冊も本を読まないことがわかった。平均は3.4冊だった。
属性別に見ると、学部生よりも大学院生、理系学生よりも文系学生の方が、多くの本を読んでいる傾向が見られ、特に大学院生にその傾向が顕著に見られた。
一番多く読まれているのは「小説・エッセー」、次いで「専門書」
■どんなジャンルの本を読んでいますか?(複数回答)
次に、どんなジャンルの本を読んでいるのか尋ねたところ、「小説・エッセーなどの文学・評論」が7割を超えて一番多く、次いで「専攻分野に関連した専門書」が約半数、「資格取得のための参考書・問題集」「趣味やPC関連などの実用書」が3割前後で続いた。 「その他」では、「ライトノベル」「就活関連書籍」「マンガ」などが挙げられていた。
先輩たちに聞いた、大学・大学院生にオススメの一冊
リアルボイス編では、今まで読んできた本の中から、先輩たちがおすすめする本とその理由を紹介します。
●『「20代」でやっておきたいこと』。これから、どういう生き方をしていけばいいのか、そのヒントがもらえた気がした。(文学部4年)
●『学校をつくりつづける – 自由の森学園の人と空間』という本。一般的な学校教育とは異なった教育を実践するこの学校のやり方に、教育に関する新たな視点を得ることができた。(教育学部4年)
●図書館で借りたカズオ・イシグロの『私を離さないで』。現代科学技術に警鐘を鳴らすという意味では、パイオニア的著作だと思う。登場人物の心理描写も絶妙で引き込まれた。(大学院法学研究科2年)
●V.Eフランクル『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記』。高校生のときの課題図書だったが、何度も読み返し、その都度、発見がある。僕にとっては、人生の一冊という感じ。(総合政策学部4年)
●『読むだけですっきりわかる国語読解力』という本。なんとなく解いていた国語の読解問題がよくわかるようになった。バイトで国語の塾講師をしているので、指導もやりやすくなった。さらに、今までよりわかりやすく文章を書くことができるようになった!(外国語学部4年)
●『下町ロケット』。町工場のことが少しわかった気がして、工学者として勉強になった。(大学院システム情報工学研究科)
●ゼミの先輩に勧められた『ビジネススクールで身につける会計力と戦略思考力』(大津広一)という本。貸借対照表や損益計算書の見方などを書いてある本なので、会計系のゼミで企業を分析するという課題が出たときにとても役立った。(経営学部2年)
●有川浩の『図書館戦争』。表現の自由や表現の規制についての関心がよりいっそう深まった。(商学部4年)
●ハリーポッターシリーズ。子どものころ、母に読み聞かせてもらったことが、本好きになるきっかけとなり、学生時代は英語の勉強に役立った。長期間にわたってお世話になりました!(法学部4年)
●『ウィニング・アグリー 読めばテニスが強くなる』という本が役に立った。テニスに関する話も充実しているが、トッププロの選手たちの強靭(きょうじん)なメンタルの源泉に触れることは、僕自身のメンタル面での成長にもつながったと思う。今だけでなく、これからも末永く役立ちそうな本。(商学部4年)
●『先送りせずにすぐやる人になる方法』という本を読んだら、やる気がないときにも、自分を机に向かわせられるようになった。(大学院芸術工学研究科)
●『読書について』(ショーペンハウアー)。大学の図書館で見つけて読み始めたら、目からウロコの鋭い言葉の連続に、ただただ圧倒されて、口を開けたまま読みふけっていました。今後の私の思索のバイブルになりそう。(外国語学部2年)
先輩たちが1カ月に読む本は平均3.4冊。小説から実用書に至るまで、実にいろいろな本を読んでいるのには感心したわ。ただ、残念なのは、約4人に1人が1冊も本を読んでいないということ。勉学が本分の大学生・大学院生が本を読まなくてどうするのよ!? というわけで、大学1年生の皆さんは、ぜひ平均的な先輩と同じくらいの週1冊ペースで何かしらの本を読んでみることをお勧めするわ。図書館で借りればお金もかからないわよ!
【調査概要】
調査期間:2013年8月17日~8月19日
調査サンプル:大学2年生~大学院2年生864人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング
文/日笠由紀
イラスト/中根ゆたか