【ブラジル編】納期意識が薄いブラジル人スタッフ

Reported by おはぎまん
ブラジルのサンパウロにある日系メーカーの製造・販売子会社に勤務。現地スタッフたちとのサッカーや、週末のサッカー・テニス、ブラジルのペットショップで出会った飼い猫と戯れるのがオフの楽しみ。

ペースを乱されることが大嫌い

はじめまして。おはぎまんです。ブラジルのサンパウロにある日系メーカーの製造・販売子会社に勤務しています。

職場は、ブラジル人が8割を占め、残りの2割が日本人という構成です。顧客も、7割がブラジル人、3割が日本人となり、いずれもブラジル人とのやりとりの方が多くなります。

仕事では、同じくらいの割合で英語と日本語を使い、口頭のやりとりの場合も英語か日本語のいずれかとしています。現地のスタッフには、日本語ができる人も多いためです。ブラジルの公用語であるポルトガル語しか話さない相手とは、通訳を介してやりとりすることに。メールや文書の場合は、原則的に英語と日本語を併記しますが、必要に応じて社内の通訳・翻訳部署に依頼して、ポルトガル語に翻訳したものを併記することもあります。

日本とのビジネススタイルの違いとしては、「納期」の概念が一番でしょうか。ここブラジルでは、約束は基本守られないと考えておいた方が良いくらいです。また、納期に遅れたことについて相手に詰め寄ると、語気強く言い訳を繰り返し、しまいには逆切れして余計に遅らせるという嫌がらせまでする始末。揚げ句の果てに、仕事そのものを放棄してしまうこともあり、日本のような「納期順守」の考え方は通用しません。当然ながら、納期を守る姿勢を自ら示して、「背中を見せる」ことで学ばせるといったやり方も通じません。どうやらそのような精神論が理解される文化ではないようです。

この背景としては、彼らがおしなべてプライドの高い人物であることが挙げられると思います。とにかく自分のペースを乱されることを嫌うのです。ただし、その一方で、交渉次第で柔軟な対応をしてくれることも多いと感じます。驚くほど融通が利くのです。日本と違ってマニュアルがない分、相談ごとには乗ってくれるし、そういった場面では、日本人よりも親身になってくれる人が多いように感じます。ダメかなと思っても、とりあえずゴリ押ししてみると、なんとかなってしまうこともしばしば。これは、仕事に限らずプライベートの場面でも感じることです。かえって日本の方が、業務があまりにマニュアル化していて融通が利かないことが多いのかもしれません。

また、仲の良い人や何かを教えてくれる人に対しても、非常に良い対応をする傾向があります。私自身の経験で言うと、基本的に利害関係を構築するのが良いようで、私も早速、実践しています。例えば、スケジュールの組み方、部品などができるまでの基礎知識といった仕事のノウハウや、日本の本社の状況などの情報で彼らが担当業務で使えそうなもの、彼らのスキルアップ・キャリアアップに役立ちそうな情報を提供してあげると、反応が良いですね。

現地スタッフとサッカー仲間に

加えて、自分の考えや日本の本社の意向を押しつけないように気をつけています。「日本ではこうやっている」「本社がやれと言っているからやれ」とは絶対に言いません。日本の本社に対しても、「ブラジルではこうだから」などと言って要求をはねつけることはせず、両者の落とし所を常に探りながら結論を導くようにしています。私の仕事の大半はこの調整業務と言っても過言ではないかもしれません。

さらに、彼らに指示やアドバイスをするときは、必ずそうすることの必要性や「うれしさ」を説明し、相手が納得したものしか実行させないようにしています。例えば、業務を整理した一覧表や日程表、マニュアルなどの作成を勧めたいときは、「作りなさい」と命令するのではなく、「作ると部下の管理が楽になるよ」と言葉をかけます。「仕事が楽になる」「スキルが上がる」といったメリットをメインに指示をするわけです。なお、「会社のためになる」という言い方はしません。転職が当たり前というブラジルの人々は、概して忠誠心が低いので、会社にどんなにメリットがあると言っても、彼らにとっては意味がないのです。

そして、たとえ彼らが失敗したとしても、絶対に怒らないようにしています。これは、赴任前、日本での業務でも外国人と接していた経験があったので、その時に学んだやり方です。加えて、過去に海外子会社に出向していた元上司からも、同じ心構えを教わりました。プライドの高い彼らを叱ったり、威圧的に接するのはNGなのです。

彼らは、一度、友人関係になってしまうと、何かと便宜を図ろうとしてくれたり、友人を紹介しようとしてくれたりします。とにかく友人を大事にする傾向が強いのがブラジル人社会なのです。そこで私も、毎週決まった曜日に現地スタッフとサッカーをしたり、一緒にサッカー観戦に行ったりして、信頼関係を深める努力をしています。自動車が好きなスタッフと販売店に試乗しに行ったり、モーターショーに行くこともあるし、月2~3回程度、現地スタッフと食事をすることもあります。ブラジルでは、夜は家族と過ごす時間なので、ランチになることが多いですね。日本にいたころは、業務以外で部下と交流することなど、まずなかったことです。

次回は、ブラジルでのFIFAワールドカップ(TM)開催についてお話しします。

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ブラジルとアルゼンチンにまたがるイグアスの滝。滝の約8割はアルゼンチン領、約2割はブラジル領に位置している。

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低層建造物と高層ビルとが混在するサンパウロの街。サンパウロには、100メートルを超える高さの超高層ビルも少なくない。

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サンパウロの中心部にあるビルの壁に、ブラジルを代表する建築家オスカー・ニーマイヤーの肖像画が描かれている。

構成/日笠由紀

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