マレーシアにある日系企業の拠点に勤務。現地では、社内の仲間や顧客、駐在員仲間とのゴルフや日々の食事が楽しみ。
東南アジアのほかの国より住みやすい
こんにちは。ブンガラヤです。今回は、マレーシアでの私の生活についてお話しします。
今の住まいは、妻がこちらの暮らしに早くなじめることが大切だと考え、日本人が多く住むエリアのコンドミニアムを選びました。セキュリティがしっかりしていて、スーパーへと行き来する道も安全と、なかなか良い選択だったと思います。コンドミニアムは200平方メートル以上の広さがあり、約8畳のウォークインクローゼットとは別に3部屋も「storage」(物置部屋)があるほど収納が充実しています。これほど広いのは、駐在員が住む高級な物件だからだと思いますが、マレーシアの人々の一般的な住居も、総じて日本よりは広いようです。
マレーシアは、ほかの東南アジアの国々と比べて、都市として十分に発展していると思います。そのため、ハードシップ(生活環境の厳しさ)は低いのですが、日本と比べると、やはり治安は悪いですね。ひったくりや車上狙いなどの軽犯罪が非常に多く、日本人を狙った誘拐や強盗事件なども起こっています。
それでも、「ローカルのレストランで食事してもお腹を壊さない」「日本の食材が普通のスーパーで手に入る」「自分で自動車が運転できる(現地の運転マナーがそれほどひどくない)」「物価が安い」といったことを考え合わせると、東南アジアのほかの国よりは断然住みやすいのではないでしょうか。特に物価は、ローカルレストランでのランチ代が200~300円程度で済むほどです。また、スーパーの日本食材コーナーに行けば、調味料などは大体そろってしまいます。
日本人の口に合うマレーシア料理
「食」のストレスが少ないのもマレーシアならではかもしれません。中国系マレーシア人のおかげで非常にクオリティの高い中華料理が味わえますし、マレーシア料理もクセのある香菜を使わないので日本人の口に合いやすいようです。日本から来る出張者も、中華レストランやローカルレストラン、あるいはイタリアンや韓国系レストランに連れていってあげれば、皆、非常に満足してくれます。ただ、そのアテンドのせいで、週3~4日は夕食も外食になってしまうのですが…。
一方、電化製品を修理するのに2~3カ月は要するなど、何をするにも時間や手間がかかるところには、ストレスを感じます。物事が思ったように進まないのです。日本にいると、何事もスピーディーに進むので、余計にそう感じるのかもしれません。とはいえ、その分、日本とは違う時間の流れ方をのんびりと味わう楽しみもあるのでしょう。
次回は、海外駐在で得られる収穫についてお話しします。
マレーシアの首都クアラルンプールの住宅街の様子。外国人向けコンドミニアムには、ジムやプールが併設されているものが多い。
マレーシアの伝統工芸品でもある錫(すず)製品の工場で、成形工程を体験。マレー半島は、世界有数の錫の産地だ。
構成/日笠由紀