【カンボジア編】カンボジアの人々に「会社で働く」意味を教える

Reported by 永遠の野球小僧
カンボジアの首都プノンペンにある日系企業の現地法人でマネジメントを担当。現地での趣味はゴルフ。また、近々野球のナショナルチームの審判の手伝いを始める予定。

本当に相手のことを知るには現地語も必要

はじめまして、永遠の野球小僧です。カンボジアの首都プノンペンにある日系企業の現地法人でマネジメントを担当しています。日夜、メコン川流域の躍動の息吹を感じることのできる工業団地で働いています。

 

2011年に操業を開始した製造工場で、数千人の従業員がいますが、99パーセントがカンボジア人。ほかにタイ人、日本人、マレーシア人が全部で 30名ほど駐在しており、将来的にはカンボジア人によるマネジメント体制にしていく予定です。

 

カンボジアの歴史をたどると、1970年代にポル・ポトという政治家が率いていたカンボジア共産党、いわゆる「クメール・ルージュ」が、自国民を大量虐殺しました。主に、学者や僧侶といった知識人、国の発展のために海外から帰国していた留学生や資本家、親ベトナム派や反乱の可能性を疑われたクメール・ルージュ内の人間も含まれていました。

 

そのため、中間管理職を担うはずだった40代の人口が絶対的に少なく、早い時期の若手社員の教育と育成が必要な状況です。現時点では、日本人、タイ人がマネジメントを担当せざるを得ません。

 

製品はすべて輸出で、出荷先は全世界に広がっています。私の仕事は工場全体の指揮監督ですが、日本人スタッフとの会話以外、現地スタッフとのコミュニケーションは基本的に英語です。ただ、従業員同士のコミュニケーションは現地語であるクメール語、もしくはタイ語になります。

 

カンボジアには、中国の大都市やほかの東南アジアの都市よりも英語を話せる人が多くいます。ただし、より密接な関係を現地の従業員たちと構築する、また大切な案件の決定に際しては、やはりクメール語の能力が必要です。これは、決して簡単なことではありません。数字までクメール語で書かれると、今の私ではまったくお手上げです。

 

カンボジアの人の性格は、おおむね穏やかで素直、几帳面で、真面目に仕事に取り組んでくれます。ちなみに、私たちの製造部門の従業員の多くは、首都プノンペンではなく、地方の、それも農村の出身者。就職するまで家で農作業や子守りの手伝いをやっていた人たちなので、私たちのような企業に就職することの意味を認識してもらうのには、大変な労力と時間が必要。だから正式な配属前に、2~3週間のトレーニングを行います。「会社に就職するとは」「チーム・ワークとは」など、基本的な教育から行っているのです。

 

 

仕事をする上では時間感覚と情報の共有が大切

私はこれまでドイツに10年以上、アメリカに9年、シンガポールやオランダにも数年間赴任したことがあります。ビジネススタイルという点で、これらの国々の人々とカンボジア人を比較すると、仕事に対する姿勢にいくつか違いが感じられます。

 

日本や先進国では仕事をする上で時間厳守は大前提ですが、発展途上の代表国の一つであるカンボジアでは、待ち合わせや会議のスタート時刻などが厳しく管理されていないなど、まだまだ時間の観念がありません。

 

その人たちに、時間厳守やビジネスの常識を理解させることに、大変苦心しています。それは、ドイツやアメリカ、オランダといった先進国とは異なった次元の問題点です。スタッフ(多くは大学卒)の中には、直接指示された仕事の範囲について、先進国の人たちと変わらないレベルで対応できる人材も多くいます。そのような人たちの大部分は英語を話しますし、その比率は、中国やタイよりも高いと思います。

 

また、カンボジア人のスタッフは組織で働いた経験があまりないため、ビジネス的な時間感覚はもちろん、「達成したい具体的な目標」をみんなでシェアすることが必要。そのため、会社としての目標、部署としての目標を明確化かつ具体化するのが、マネジメントをする上で大切なことです。加えて、カンボジア人のスタッフは、全体的に年齢が若く経験不足な面があります。「目標達成のために自分たちは何をすべきか」を自分たちで考えてもらうためにも、会社側が「目標の具体化をする作業」が大切。

 

実際にそれを行ったことで、たとえ単純な作業であっても、その一つひとつに対し仕事の本当の意味を理解しようとしてくれました。そして、どうすればもっと良い成果を出せるかを自分たちなりに考えてもらうことで、全体的な効率化につながっていきました。

 

 

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中央奥のビルが金融の中心「カナディアタワー」、右隣の「バタナック・キャピタルビル」は建設が大幅に遅れ、現地の人の間で「いつまでも終わらないペンギン・ビル」といわれている。

 

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最高級ホテルの一つ「Sofitel Phnom Penh Phokeethra」のロビー。日本円で1泊1万7500円かかる。

 

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「プサー・トゥールトンポン」(別名:ロシアン・マーケット)。生活雑貨から観光客向けお土産まで品数は豊富。

構成/大根田康介

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