【香港編】香港をまるごと楽しむ方法とは

Reported by HM
メーカーでの海外技術営業の豊富な経験を生かし、香港現地法人の日本側責任者として出向中。週末には、トレッキングなどのスポーツを家族で楽しむ。

海と山のいいトコ取りのレジャーを身近に楽しめる魅力

こんにちは。HMです。今回は、「人種のるつぼ」とよばれる香港の縦横無尽な楽しみ方をレジャーと食の両面から、紹介します。

高層ビルがひしめき合う印象がありますが、実は海と連なる山々に囲まれた香港は、自然が身近でトレッキングが盛んです。週末になると、香港人だけでなく、欧米人も日本人もいろいろなトレッキングコースに繰り出します。2009年にユネスコのジオパーク(※)に認定されたのをはじめ、香港4大トレイルとよばれるコースが全土に張り巡らされており、香港の40パーセントは国立公園に指定されているほどです。

(※)地質を含めた自然環境に親しめる公園。自然保護だけでなく、ツアーなど自然とふれあう活動を行っている。

一番有名なのは、香港島の東側にあるドラゴンバック(竜の背中)というコースです。キツイと評判でしたが、東京の高尾山に登るよりはずっと楽で、海へと続く絶景を眺めながらのトレッキングにすっかりはまりました。手軽に自然を楽しめるトレッキングは、駐在員から人気が高く、日本語で書かれた攻略本があるほどです。

また、島巡りも誰もが楽しめるレジャーとして人気があります。中環(通称Central。香港島北岸)のフェリー乗り場から、大小さまざまな島へ行く船が出ているので、週末ごとに異なる島を訪れて散策しています。香港中心街は交通量が多く自転車に乗れないので島でサイクリングを楽しんだり、また別の島ではピンクドルフィンを見に行ったりと島の特徴に合わせて計画を立てるのが楽しいのです。地元の食堂で食べる海鮮料理は驚くほど新鮮でクセになります。

普段は公共のバドミントン、テニス、スカッシュコートがいたるところにあるので、気軽に予約し利用しています。年間を通じて、室内アイススケートリンクが設けられているので、湿度が高く暑い夏を、快適に乗り切ることができますよ。テニスコートやスケートリンクは日本の方がはるかに少ないのに、錦織圭選手や羽生結弦選手など、世界で活躍する日本人選手が多いのは、あらためて誇らしいことだと思います。

会話を楽しみながら、飲茶とアフタヌーンティーとバーベキュー

スポーツをした後はおなかがすくものですが、スポーツ施設や公園、トレッキングコースにはバーベキューができる施設が整っています。予約はできませんが、無料で利用できるため、景色がいいバーベキュー場は早くから確保しておく必要があります。スポーツ後、地元の鮮魚店でさばいてもらった、まだ動いている獲れたての魚やエビを焼いて食べるのは、最高のぜいたくですね。

早朝のスポーツを楽しんだ後は、朝飲茶(アサヤムチャ)に出かけることがあります。朝飲茶とは、早朝からお茶と共に食べる点心のこと。香港では、週末になると朝7時ごろから大きい円卓でおしゃべりをしながら朝飲茶を楽しむ家族をよく見かけます。両親と離れて暮らす現地の同僚は、週末に両親と顔を合わせ、朝飲茶をしながら1週間の報告をするのが習慣になっているそうです。

14時を過ぎると、飲茶の点心の料金が安くなる「下午茶(ハムチャ)」が始まり、またレストランに客があふれます。この時間帯には日本との打ち合わせからひと息つけるので、駐在員も飲茶のレストランをよく利用します。

香港人の主食としてなくてはならないものは、粥(かゆ)と麺。どんな街にも必ず「粥麺専家」という粥と麺の専門店が3、4軒あります。トロトロになるまでじっくり煮込んだお粥は、魚、豚肉や鶏肉などのだしによって店ごとに微妙に味が異なります。熱いお粥を、揚げパンやシンプルな野菜炒めと一緒に、やけどしないようにふうふう言いながら、かき混ぜずに冷めた表面からすくって食べるのが香港風。夜食やおやつがわりに、お粥は欠かせないようです。

最近では若い人でも英語がしゃべれない人が見受けられるなど、イギリス統治下時代の影響が薄れつつあるのかもしれませんが、いたるところで「アフタヌーンティー」を楽しむ習慣が残っています。また、香港には会員制クラブがあり、入会することでビジネスの情報交換や人脈づくりに役に立つことがあります。こうした有名クラブでの食事を楽しみながらの社交は、イギリス植民地時代の名残と言えるのでしょうね。

次回は、東アジアの一員としての香港、中国、そして日本との関係について感じたことをお伝えします。

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香港島トレッキングで人気1位のドラゴンバック。竜の背中のように見える長く続く尾根のコースで、海風と風景で、運ぶ足も軽くなる。

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街中でオールシーズンオープンしているスケートリンク。誰でも気軽にアイススケートが楽しめる。

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島巡りの楽しみの一つは、その島独特の海鮮料理。

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バーベキューのため、地元の鮮魚店で食材を買う。エビや魚が道路で跳ねていることも。

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朝8時には朝飲茶をする人で満席。話し声と皿の音がBGMの飲茶レストラン。

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イギリス統治下の名残、港にある会員制クラブの『チャイナクラブ』では優雅な時が流れる。

構成/釣田美加

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