「就活のギモン」徹底研究

Vol.4 すぐに辞めずに済む会社選びのコツってある?

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海老原嗣生(えびはらつぐお)●20年以上雇用の現場を見続けてきた経験を生かし、雇用ジャーナリストとして活躍。内閣府若年雇用対策チーム、広島県雇用推進アドバイザー、京都精華大学講師を務める。漫画『エンゼルバンク』の主人公であるカリスマ転職代理人のモデルにもなった。『日本で働くのは本当に損なのか~日本型キャリアVS欧米型キャリア』(PHP研究所/税抜き820円)など著書多数。

ブラックかどうかを見極めたいなら、大手ならネットの掲示板をチェック、中小なら会社見学をしよう

今、「ブラック企業」が問題視されています。ブラック企業だけは何とか避けたい!という学生の声をよく聞きますが、「ブラック」の定義が人によって曖昧なのが気になります。私は「明らかな法律違反をしている企業」と定義していますが、まずは「自分の中でブラックの定義を持っておく」こと。それをベースに、会社を見極めるといいでしょう。

 

そこそこの規模の企業であれば、私はネットの掲示板やクチコミサイトを見ることをお勧めしています。これらのサイトはかなり偏った意見が多いですが、方向性に大きな間違いはないと思っています。例えば、「若い人が多く激務すぎてブラックだ」という噂の企業が、真逆であるケース(=年配者が多くて暇など)はまずありえません。捉え方の程度の差はあれど、ネットで語られるベクトルには間違いはないでしょう。

もちろん、ネットの噂だけではなく、OB・OGにも話を聞き、実際のところをしっかりヒアリングすることも重要です。慎重を期すのであれば、取引先企業や下請け企業を調べてそこのOB・OGに話を聞くのも、よりリアルな話が聞けるのでお勧め。入社しようと思っている会社を本気で見極めようと思うならば、それぐらいの努力はできるはずです。

 

相手が中小企業の場合は、大手よりは情報収集が難しくなります。お勧めしたいのは、「御社のことをより深く理解したいので、ぜひ会社見学をさせてください」とお願いして、自らの目で会社の雰囲気をチェックすることです。

選考が進んでいる段階であれば「1日体験入社をさせてください」とお願いするのも手でしょう。内定後にそんなお願いをしてみてもいい。中小だからこそ、こういうお願いにもフットワークよく対応してくれる場合もあります。実際の職場の雰囲気を体感することで、伝わってくるものが必ずあるはずですし、先輩社員にこっそり「本当のところ」を聞いてみるのもいいでしょう。そもそも、「会社見学や体験入社はNG」とにべもなく断られたら、怪しいかもしれません。

 

ただ、たとえブラック企業でなくても、「入社後のミスマッチ(合わないと感じること)」はどの企業に入ろうが起こり得ることです。連載初回でもお話ししましたが、日本型雇用は新人に雑務から仕事を任せ、徐々に責任ある仕事を任せることでじっくり育て上げていくもの。そういう場面で、先輩や周囲と肌合いが合わないと、指示ひとつにもストレスがたまるものです。

入社早々そんな気持ちにならないために、企業選びの際に重視してほしいのが「社風」です。「仕事が合わない」と思っても、その後の努力次第で仕事が楽しくなったり、いよいよ合わなかったら将来的に異動を申し出ることもできます。でも、「社風」ばかりは個人の努力でどうなるものではないからです。

 

とはいえ、社会人経験のない学生が、企業の社風をチェックするのは難しいでしょう。どういう社風が自分に合いそうか、ピンとこない人も多いと思います。そんなときは、面接の場で自らをさらけ出すことをお勧めします。つまり、マニュアル通りの受け答えをするのではなく、デキそうな学生を演じるのではなく、いつもどおりの自分を素直にさらけ出すことです。そうすれば、企業の方が「この学生はウチの社風に合いそうかどうか」を判断してくれますよ。

とりわけ、中小は千差万別だから、あなたが「企業を見極める」くらいのつもりで、いろいろ受けてみるのが良いのではありませんか。

 

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・自分の中で「ブラック企業の定義」を持とう
・大手企業であれば、「ネットの掲示板やクチコミサイト」を参考に
・中小企業の場合は、会社見学をお願いして「自らの目で会社の雰囲気をチェック」
・「社風」を重視しよう
・企業の方が社風に合っているかを判断できるよう面接の場で「自らをさらけ出す」

 

 

取材・文/伊藤理子 撮影/鈴木慶子

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