AGESTOCK

団体プロフィール
設立
:2006年 活動内容:イベント企画・制作・運営、フリーペーパー『AGESTOCK』の企画・制作・発行 学生人数:150人(男女比=5:5/学年構成=1年生80人・2年生70人) 活動拠点:都内 活動日数:月4回

「学生の熱意は、限りない可能性を持つことを証明する」。それが、2015年に設立10年目を迎えるAGESTOCK(エイジストック)が大事にしてきた思いです。学生、アーティスト、企業を巻き込んだ大規模イベントの実施と、フリーペーパーでの情報発信を通じて、同世代の学生と社会に“学生の熱意”が持つパワーの計り知れなさを伝えていきたい。そんなパッションを持つAGESTOCKのメンバーに話を聞くベく、週1の全体ミーティングにお邪魔しました。

明確な役割分担が大イベントを成功に導く

来場者7000人の大規模イベント『AGESTOCK』を実施

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2014年11月には両国国技館にて『AGESTOCK2014 in 両国国技館』が開催され、5時間に及ぶ熱意あふれるイベントを運営。シンガーソングライターの大原櫻子さん、HYさんなど人気アーティストによるステージのほか、200人を超える学生の公募ダンサーによるパフォーマンスなどが行われました。イベントの企画から運営までを担当するAGESTOCKのイベント局には約60人が在籍し、1年前から会場やコンセプトの決定、アーティストへの出演交渉、学生パフォーマーの公募などを進めてきました。『AGESTOCK』のイベント終了をもって組織の代表である3年生が引退するため、フィナーレでは壇上でAGESTOCK代表があいさつ。安堵(あんど)感、達成感、引退の寂しさなどさまざまな感情があふれて涙するのも、AGESTOCKイベントの風物詩だとか。

春、秋の年2回、フリーペーパー『AGESTOCK』を発行

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フリーペーパーの作成は、約15人のフリーペーパー局メンバーが担当。ライター、デザイナー、カメラマンとそれぞれ役割を持ち、毎号決めるテーマに沿って、インタビュー記事やコラムの執筆、広告出稿していただく企業とのタイアップ記事の作成などを進めていきます。32ページの冊子、5万部を首都圏の大学やその周辺のカフェに置いてもらったり、『AGESTOCK』のイベントで配布したり。新入生歓迎シーズンに合わせて発行する春号は、新1年生に手渡しすることもあるそうです。

6つの局で成り立つAGESTOCK。週1のミーティングで情報共有は欠かさない

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「イベント局」「フリーペーパー局」「メディア局」「広報局」「渉外局」「総務局」の6つの局で成り立つAGESTOCK。Webサイトのデザイン、制作、運営を担当するメディア局や、TwitterやFacebookなどのSNSを使ってイベントとフリーペーパーの宣伝活動を行う広報局、企業などの協賛先を募る渉外局など、局の仕事分担は明確です。週1回のミーティングでは、局ごとに集まり活動状況の進捗を確認する局ミーティング(写真)、学年ごとに情報共有を行う学年ミーティング、全体ミーティングと3種類のミーティングが行われます。大規模団体ゆえ、取りまとめが大変そうですが、つねに円滑なコミュニケーションが行われるよう総務局が進行役として機能しているなど、組織としての成熟度の高さに驚かされます。

代表者インタビュー

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写真左から

小室洋樹さん/渉外局 明治大学政治経済学部経済学科 1年

榎本翼さん/イベント局・クリエイティブチーム映像チーフ 日本大学商学部経営学科 2年

吉田成也(なるや)さん/AGESTOCK代表 慶應義塾大学経済学部経済学科 2年

小柴麻利亜さん/広報局 共立女子大学国際学部 1年

Q1 活動の目的や活動する上で大切にしていることは?

イベント運営とフリーペーパー発行を通じて、「学生の熱意は、限りない可能性を持つことを証明する」ことが、AGESTOCKの活動理念です。また、代表として「最高のAGESTOCKをつくる」と「局員のインプットを増やす」という2つのマニフェストを掲げています。メンバー間で議論を深めていろんな考えを吸収していく一方、せっかく10年近い歴史がある団体なのだから、AGESTOCKのこれまでの活動も振り返り、過去の事例もどんどん取り入れていきたいと思っています。(吉田さん)

イベントを通じて、普段かかわることのない人同士をつなげたい、という思いもあります。私は、『AGESTOCK2014 in 両国国技館』の中で「学生パフォーマンスショーケース」という学生パフォーマーによるステージ作りを担当。ステージでは、一緒に練習したこともないダンサーやチアリーダー、バトントワリングやボイスパーカッションのメンバーが一堂に集まって同じステージ上で演技を披露することになりました。一つの演技を作り上げていく中で、徐々に仲間の輪が広がっていき、お互いが相手の演技から刺激を受けるように。同じ時、同じ場所でパフォーマンスをするという「イベント」ならではのつながりを、これからも生み出していきたいです。(榎本さん)

Q2 団体に入ったきっかけは?

新入生歓迎説明会で見たオープニング映像がかっこよすぎて「入りたい!」と即決。学生が手がけたとは思えないイベントのクオリティーの高さに「学生でもこんなことができるんだ」とわくわくしたのを覚えています。もともとイベント企画に興味があり、AGESTOCKはWebサイトで調べて興味を持っていました。(榎本さん)

友人に誘われて新入生歓迎説明会に行った時、スーツ姿でプレゼンテーションしている先輩たちがものすごく大人に見えて、かっこいいなと。AGESTOCKでは新歓をスーツで行うのが伝統なんです。また、さまざまな大学の学生が集まるAGESTOCKに入ることで、交友関係が広がるんじゃないかと思いました。(小柴さん)

Q3 活動を通じて何を学んだ? どんなことを得ている?
私はイベントやフリーペーパーの協賛先を募る渉外局なのですが、企業にあいさつに行き、AGESTOCKの活動を説明したりと社会人の方と触れ合う機会が多く、ビジネスマナーや敬語の使い方などを学びました。(小室さん)

代表になり、決断する難しさと面白さを実感しています。イベントを検討する際は1DAYイベントにするか、2DAYにするか、そして会場はどこにすべきかなど、メリット、デメリットを考慮し、メンバーの意見を聞きながら決めるのがとても大変です。だんだんと決断のスピードも上がり、「こういう理由だから、この選択をしよう」と論理的に考えられるようになってきました。(吉田さん)

Q4 ズバリ、AGESTOCKに入って良かった?

はい!『AGESTOCK2014 in 両国国技館』のフィナーレで、3年生の先輩たちがステージ上であいさつをしながら泣いているのを見て、尊敬し合える仲間と一つのことをやり遂げることは本当に素敵だなとあらためて思いました。(小柴さん)

今までで一番心に響いたのは、『AGESTOCK2014 in 両国国技館』を見てくれた協賛企業の社員の方に言われた「大学生のクオリティーではないね」という言葉。AGESTOCK全メンバーが1年間通してやってきたことの集大成をほめてくれた。それが本当にうれしかったですね。(小室さん)

Q5 逆に大変だった・つらかったことは?

Twitterの140文字という限られた文字数で、AGESTOCKの魅力を伝えるのにひと苦労。Facebookページでのコラム執筆も担当していますが、伝えたいことをわかりやすくコンパクトにまとめる難しさをいつも痛感しています。(小柴さん)

協賛企業が決まらないときは本当にしんどいですね(苦笑)。協賛金が集まらなければ、イベント運営もフリーペーパー発行もできなくなってしまうので、責任は重大。アポイントすら頂けないことはしょっちゅうありますが、だからこそ、「一緒に盛り上げたい」と協賛いただけたときの感動はひとしおです。(小室さん)

《社会人との出会い・つながり》

渉外局は、AGESTOCKの中でも最も社会人の方と話す機会が多くある局です。大学生活を送っているだけでは経験できないことをしたいと思って渉外局に入ったのですが、実際に、企業のアポとりからあいさつ、プレゼンテーションなど貴重な経験をたくさんしています。企業は、当然ながら自社のメリットも考える必要があるため、どうしたらAGESTOCKとWin-Winの関係を生み出せるのか、アポの前にはその会社のことを一生懸命調べていきます。「もっとこう話した方がいいよ」など、アポでうかがった企業の方からご指導いただいたり、アドバイスをもらうこともあり、毎日が勉強です。(小室さん)

《これから団体・サークル選びをする皆さんへ》

入学早々やりたいことを見つけるなんて難しいので、まずは面白そうだと思ったサークルや団体に片っ端から入ってみてはどうでしょう。だんだんと自分に合っているもの、合っていないものがわかってくるはず。そこから絞ってもいいのではないでしょうか。(小室さん)

大学生活は、社会人になる前の最後の自由な時間。漫然と過ごすのではなく、何か情熱を傾けられるものを見つけられるよう、先入観を持たずいろんなことにチャレンジしていってください。(榎本さん)

取材・文/田中瑠子 撮影/刑部友康

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