就活の自己紹介では何を言う?1~3分で好印象を残すコツ・練習方法も紹介【例文あり】

就活の自己紹介で、何をどの程度伝えればいいのか、どうすれば好印象を残せるかなど、不安を感じる人もいるでしょう。このような悩みや不安に、自己紹介のまとめ方などを交えながらキャリアアドバイザーがお答えします。

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就活の自己紹介では何を伝える?

自分は何をしてきた、どのような人間なのか」を相手に理解してもらうのが自己紹介です。ですから、自己紹介では簡単なプロフィールと学生時代に何をしてきたかを伝えましょう。

就活における自己紹介は、いかにシンプルにわかりやすく伝えられるかが重要になります。1分程度にまとめるのが一般的ですが、3分以内をめどにまとめられれば問題ないでしょう。

また、話す内容を指定されたりすることもあります。その場合の具体的な内容としては、「学校名と氏名」「学生時代に取り組んだこと」などの一般的なものから、「キャッチコピー」「座右の銘」「モットー」「自分を動物に例えると?」といったやや特殊なものまで見受けられます。

いずれにしても、厳密に時間を計られるようなことはありませんし、自己紹介の内容だけで合否を判断されることはありませんので、気を楽にして臨みましょう。

自己紹介を1~3分でまとめるには?

自己紹介には、以下のような要素を盛り込むのが一般的です。人が1分間で話す文字量は300文字程度(3分間の場合は900文字程度)と言われていますので、それを目安に話す内容をまとめましょう。

「プロフィール」についてのまとめ方

プロフィールとは、自分の名前、学校名、学部名、学年などの基本情報です。この情報は冒頭で必ず伝えましょう。プロフィールを大きく言い間違える心配はないと思いますが、「〇〇大学」を「○〇大」などと省略せずに、きちんと正式名称で伝えてください。

「学生時代にやってきたこと」についてのまとめ方

学校で勉強していることやゼミの活動内容、サークルやアルバイト、ボランティア活動など学業以外で力を入れてきた活動、趣味や特技など、自分自身を紹介するのに最もふさわしいと思う内容を簡潔に伝えましょう。書いたすべての項目について語る必要はありません。

あいさつ(結びの言葉)

自己紹介の最後には、「本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます」など、面接の機会を頂いたことへの感謝の気持ちを伝え、「本日は、よろしくお願いいたします」と簡単な結びの言葉で締めます。

自己紹介で好印象を残すポイントは?

自己紹介は、言ってみれば“本の目次”です。大切なのは、あなたのことをより深く知りたいと思ってもらえるような情報を提供することです。その後のやりとりで突っ込んで質問したくなるような、面接担当者の興味を引きつける情報を小出しにするのもいいかもしれません。

例えば、「相撲観戦」「劇団に所属」「防犯ボランティア」など、珍しい活動をしているケースなどは、ちょっとした趣味でも積極的に盛り込んでみるといいでしょう。

一般的に思えることでも、「料理が好きで独自のレシピをSNS上で公開している」などの話題があれば、会話につなげやすいと思います。

表情や視線も好印象につながる

自己紹介は、あなたの第一印象を決める瞬間でもあります。話す内容もさることながら、話すときの姿勢、表情や視線、言葉遣いにも意識を向けましょう。面接担当者の目を見て、明るい表情でハキハキと話すことが、好印象につながります。

面接で自己紹介をしようとする若者
Photo by PIXTA

自己紹介の注意点は?

長くなり過ぎて、ポイントが不明瞭にならないよう注意しましょう。「紹介したいことが2点あります」など、冒頭で伝えたい要素の数を提示すると、簡潔にまとめる意識が働き、聞く方も聞きやすくなります。

また、面接の冒頭ということもあって、緊張のあまり早口になってしまうかもしれません。はっきりとした口調で、落ち着いて話すよう意識しましょう。

略語や専門用語は避ける

学校や仲間内だけで使っている略語、学業や研究の専門用語は、相手に通じないことも考えられます。外部の人に正しく伝わるわかりやすい言葉を選んで話しましょう。

自己PRと混同しない

中には「自分をアピールしなくては」と意気込んで、自己PRになってしまう人もいるようですが、自己紹介は“あいさつの一環”です。一方の自己PRは、これまでの経験から「自分は何ができるか」をアピールするためのもの。それは、自己紹介の後に続く面接担当者とのやりとりの中で伝えていきましょう。

自己紹介の練習方法は?

話すスピードや間の取り方には個人差があります。ですから、その文字量を目安に原稿をまとめ、実際に話しながら携帯のストップウオッチ機能などで時間を計り、適切な原稿ボリュームに調整しましょう。

後は、繰り返し練習するのみです。面接担当者に語りかけるつもりで何度も声に出して練習しましょう。録音して聞き返してみるのもいいでしょう。そうすることで、頭の中のシミュレーションだけではわからなかった、声の大きさや話し方の癖なども確認できると思います。

好印象につながる自己紹介の例文

自己紹介の例文を3つ紹介します。サンプルを参考に、自分のことを自分の言葉で伝える原稿を考えてください。

【例文1】
◎◎大学◎◎学部4年の◎◎◎◎です。ゼミではSDGsに関する取り組みについて研究しています。SDGsの取り組みとして、まずは自分たちにできる身近なことから始めようと考え、キャンパス内でペットボトルをキャップ・ラベル・ボトルに分別する活動の推進や、シェアリング自転車の導入、フリーマーケットの開催などの活動を行ってきました。最近は日常生活や企業活動でもSDGsが注目されるようになり、キャンパス内でも賛同者が増えていることを実感でき、やりがいを感じています。これからもSDGsの見識を深め、仕事にも役立てていきたいと考えています。本日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【例文2】
◎大学◎◎学部4年の◎◎◎◎です。大学では環境デザイン学を専攻し、ゼミでは人と自然が共生する持続可能な社会を築いていく方法について研究しています。趣味は、中学時代に父と始めた山登りです。大学では登山部に所属し、大学の夏休みと冬休みには〇〇山にある山荘で住み込みのアルバイトをしながら、ゼミの研究テーマでもある人と自然が共生する素晴らしさや自然保護と観光との両立の難しさを体感しています。安全に登山をするために足腰を鍛えようと思い、5kmのランニングを日課にしているので、体力には自信があります。本日はこのような貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【例文3】
◎◎大学◎◎学部4年の◎◎◎◎です。大学では情報工学を専攻しています。趣味はゲームです。5歳のときに初めて祖母に買ってもらって以来、ロールプレーイングゲームにはまってしまい、高校時代までは勉強の気晴らしはもっぱらゲームでした。大学に入学してからは、ゲームは遊ぶものから作るものに変わりました。昨年、同じ学部の友人と2人で脳トレゲームを制作してコンペティションに参加したところ、3位に入賞することができ、最近は遊ぶより作る方に夢中です。本日はこのような貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

自己紹介に関するよくあるQ&A

就活相談で学生からよく相談を受ける、自己紹介に関する疑問や不安をいくつかご紹介します。

Q. 頑張ったことがないから、プロフィール以外に話すことがありません。どうすればいいですか?

A. まずは「頑張ったことがない」と自分で決めつけてしまってはいないかどうか、考えてみてください。

実際には、他者と比べて話せるものではないと自分が思っているだけで、学生時代には何かしら取り組んだことのあるケースがほとんどです。どんな小さなことでも良いので「誰かに指示されたわけではなく、自分からちょっとやってみようかなと思って取り組んだこと」を思い出してみましょう。

Q. 集団面接で、ほかの人と内容がかぶってしまっても大丈夫ですか?

A. 問題ありません。

例えば「力を入れてきたこと」が同じでも、「どのように力を入れてきたか」を伝える言葉がまったく同じになることはないはずです。自己紹介は、初めて会った相手とこれから気持ちよくコミュニケーションするための最初のあいさつのようなもの。あまり深刻に考えずに、気を楽にして臨みましょう。

Q. 無難にまとめるべきか、エッジの効いたことを言うべきか、どちらがいいですか?

A. 無理やり考える必要はありません。

例えば企業研究が十分にできていて、「この企業であれば興味を持ってくれるかも」という趣味や特技など、面接のほかの場面では語ることができない内容を自己紹介で伝えるのはいいと思います。自己紹介に正解はありませんから、「自分はどんな人間なのか」が端的に伝わるかどうかで判断しましょう。

Q. 緊張して頭が真っ白になってしまったら、どうすればいいですか?

A. 緊張して何も話せなくなってしまったとしても、焦らなくて大丈夫です。

面接で大切なのは、相手とコミュニケーションを取ろうとする姿勢です。頭が真っ白になってしまったら、「◎◎大学◎◎学部4年の◎◎です。今日はこのような貴重な時間を頂き、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」だけで構いません。プロフィールと面接の時間を頂いた感謝の気持ちを、誠意を持って伝えましょう。


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取材・文/笠井貞子

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