最近の採用選考では、Web面接から対面面接に切り替えたり、選考過程によってWeb面接と対面面接を使い分けたりする企業が目立っています。
対面面接はWeb面接に比べると、身だしなみやマナーなどもさらに見られるようになります。リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーによる解説を基に、対面面接の流れやポイント、注意点などについて、今一度理解しておきましょう。
目次
対面面接が再び増加しつつある
近年、新卒の採用選考はWebが主流になっていました。ただ、ここにきて、面接においては対面での実施が増えつつあるようです。
『就職白書2023』の「就職活動プロセスごとの実施状況」によると、「面接選考において対面面接を受けた」という2023年卒の学生は前年比5.0%増の53.9%。Web面接を受けた学生も同率の53.9%いますが、前年比では0.4%減少しています。
環境の変化を背景に、面接をWebから対面に切り替える企業が増えていることがわかります。また、「一次面接、二次面接はWeb、最終面接は対面面接」など、Webと対面を組み合わせる企業も少なくないようです。
学生の皆さんはWebでのコミュニケーションには比較的慣れていますが、対面での面接というと構えてしまい、緊張してしまう人も多いようです。事前に対面面接の流れやポイント、マナーなどを押さえておけば、緊張せず自分を出せるようになるでしょう。
対面面接の流れとポイント、押さえておきたいマナー
ビジネスマナーに「これが正解」というものはありません。そして、「必ず守らなければならないもの」というわけでもありません。マナーとはそもそも、相手に対しての配慮や、気持ちよい関係性を保つためのもの。必要以上に気にしすぎることはありません。
就活の面接でも同様で、「マナーを守らねば」と構え過ぎてガチガチになる必要はありません。マナーを気にするよりも、面接の機会をもらったことへの感謝や相手に配慮する気持ちを大切に、肩の力を抜いて臨みましょう。
身だしなみや持ち物は前日までにチェックを
清潔感のある身だしなみは、相手へのリスペクトを示す一つの方法です。相手に不快感を与えないか、ビジネスにふさわしいかどうかを客観的な視点でチェックしましょう。
対面面接では、Webとは違い服装の細かい点も見えるので、清潔感を損ねる原因になるスーツやシャツのシワ、靴の汚れなども前日のうちに確認し対応しておきましょう。髪形は、乱れのない清潔感のあるものが好印象。髪の毛が長い場合は、お辞儀をしたときに顔にかからないよう一つにまとめると、スッキリした印象になります。
面接の10分前までに受け付けを
面接会場には、面接の10~15分前ぐらいを目安に到着するようにしましょう。ほかの学生の面接時間にかかわるので、ギリギリ過ぎるのも、逆にあまりに早く到着するのも避けた方が無難です。
面接のために、普段使い慣れない交通手段や路線を使うこともあるでしょう。迷って遅刻することのないよう、面接会場までの道のりはあらかじめ確認をしておくことが大切。朝の通勤時間帯は混み合いダイヤが乱れることもあるので、時間に余裕を持ちましょう。
面接前の待機時間は、おしゃべりしたりスマホをいじったりせず、姿勢を正して名前を呼ばれるのを待ちます。スマホの電源はあらかじめ切っておくか、マナーモードにしておきましょう。
入室時のポイント
ドアをゆっくりノックして、「どうぞお入りください」と言われてから入室しましょう。
「失礼します」と一礼してから入室し、ドアを閉めたら、面接担当者に向き直って椅子の横まで進み「○○大学の△△です。よろしくお願いします」と名乗って再び一礼を。椅子には「おかけください」と勧められてから着席しましょう。
かばんを持っている場合は、着席時に椅子の脇に置くのがスムーズです。
なお、入室時のノックは3回が適当と言われていますが、正解の回数があるわけではありません。常識の範囲の回数で丁寧にノックすれば問題ありません。
面接中のポイント
面接中は、面接担当者の顔を見ながら笑顔でハキハキとした受け答えを心がけましょう。自然な身ぶり手ぶりを付けるのも、思いがより伝わりやすくなるのでお勧めです。
対面面接では、「会話のマナー」にもさらに気を配りましょう。例えば、相手が聞き取りやすいよう話す速度や声の大きさ、話の長さに気を配る、相手の話を遮らないよう会話の間合いに気をつける、質問されていないことを話さないなど。円滑に受け答えができるような配慮は、学生側にも必要です。
なお、対面面接では、面接中の姿勢の悪さがより目につきやすくなります。猫背になったり足を投げ出したりすると、だらしなく見えてしまうので要注意。背筋をすっと伸ばし、椅子に浅めに座ると、きれいな姿勢を保てます。
関連記事:面接で落ちる理由がわかりません。【面接中の無意識に出る癖(仕草や話し方)が与える印象とは?】就活なんでも相談室 Vol.12
退室時のポイント
面接が終了したら、座ったままで「ありがとうございました」と一礼を。その後、立ち上がりドアの前で面接担当者に向き直り、「失礼します」とひと声かけて退室しましょう。
会社を出るまでが面接と捉えよう
退室後はほっとして気が抜けてしまう人も多いと思いますが、エレベーターの中やオフィスビルの中に関係者がいる可能性もあるので、だらしない態度を取ったり大声でおしゃべりしたりするのはやめましょう。建物を出るまでが面接だという意識で臨むことをお勧めします。
面接に遅刻しそうになったら?スマホを見ながら待ってもいい?【対面面接のQ&A】
対面面接の際に、多くの就活生が迷ったり不安に感じたりしがちな「素朴な疑問」についてお答えします。
遅刻しそうになったらどうすればいい?
交通機関のトラブルなどで面接に遅れそうだと思ったら、その時点で直ちに企業に連絡を入れましょう。少なくとも面接予定時間の前に連絡することが肝心です。
面接の案内をもらった際に、おそらく緊急連絡先の電話番号などを共有されているはず。その電話番号に連絡し、事情を伝えて指示を仰ぎましょう。多くの場合、時間をずらして面接を実施してくれるか、日程をあらためてくれるなど、なんらかの対応をしてくれます。
企業への連絡、お詫びの方法やポイントは以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:インターンに遅刻!どうする?「ばっくれ」はアリ?人事のプロが教えるおわびの例文と心構え
コートはどこで脱ぐ?着る?
冬場や春先などの面接の場合、着ているコートをどこで脱ぐか迷う就活生は意外に多いようです。ビジネスシーンにおいては、コートは面接会場の建物に入る少し前に脱ぎ、コートを手にかけた状態で面接の受付をしましょう。
面接中は、面接担当者に置き場所を指示されるケースが多いですが、特に指示がない場合はコートを軽く畳み、かばんの上に置くとスマートです。面接終了後は、建物の外に出てからコートを羽織りましょう。
控室でスマホを見るのはNG?
控室の姿も、面接担当者に見られていると考えるのが無難です。たとえその企業のホームページなどをチェックしおさらいしているとしても、スマホをいじっている姿はあまり印象がいいとは言えません。
企業情報や提出した書類、面接での受け答えなどを見返したいという場合は、建物に入るまでに再チェックを。どうしても直前にチェックしたいのであれば、プリントアウトして持参しましょう。
マスクは着用した方がいい?
Web面接ではマスク着用はまずありませんが、対面面接では、事前に企業側からマスク着用をお願いされる場合もあります。企業側からマスク着用の指示がなく、マスク着用を希望する場合は、面接当日はマスクを着用の上で訪問し、入室後「マスクを着けたままでよろしいですか?」と面接担当者にひと言断りを入れましょう。
面接中にメモを取ってもいい?
例えば今後の選考予定についてなど、面接の間に重要な情報を共有されることは少なくありません。そんなときにメモを取ること自体はNGではありませんが、「今のお話を覚えておきたいので、メモを取ってもよろしいでしょうか?」など断りを入れ、了承されてからにしましょう。
それでも対面面接に不安を感じたら…模擬面接をしておくと安心
Webでのやりとりに慣れていた就活生の中には、対面面接でのやり取りや立ち居振る舞いに不安を抱えている人もいるようです。
対面面接の流れを確認しポイントをつかんでも、なお不安があるという場合は、本番さながらに面接の練習を行う「模擬面接」をしておくと、実際の面接で緊張し過ぎることなく自分をアピールしやすくなります。
就職エージェントなど就活のプロに、模擬面接をお願いするのも一つの方法。
リクナビ就職エージェントでは、就活に関する専門知識を持つプロのアドバイザーが、マンツーマンで就活に伴走。ES(エントリーシート)添削や模擬面接なども行っています。プロの視点による面接アドバイスを受けることで、面接での受け答えにも自信が持てるようになり、対面面接への不安も軽減できるはず。ぜひリクナビ就職エージェントの活用も検討してみてください。
関連記事:「模擬面接」の効果的なやり方とは?具体的な方法と注意点を紹介
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