就活の自己PRで使える「コミュニケーション能力」の言い換えとアピール方法【例文付き】

日常生活はもちろん社会でも役立つのが、「コミュニケーション能力」です。自分の強みであるコミュニケーション能力を、説得力のある自己PRにするにはどうすればいいのか、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが解説します。効果的な言い換え表現や自己PRの例文なども、併せてご紹介します。

「コミュニケーション能力」をアピールすることで企業からはどう見られる?

「コミュニケーション能力」という言葉には、話を聞く、わかりやすく伝える、共感する、周りを巻き込んでいくなど、幅広い意味が含まれています。

社会人となって仕事をする上では、社内外の人たちとやりとりをしながら関係性を構築していくのに必要不可欠なコミュニケーション能力があることは、自己PRのアピール材料になります

面接では、論理的な話し方も判断材料の一つとなります。ですから、結論から話すなどして要点をわかりやすく伝えることができると、「お客さまに対してだけでなく、社内とのやりとりも含めて、仕事を滞りなく進めてくれそうだ」と評価してもらえるのではないでしょうか。

また、コミュニケーションには、言葉で意思疎通する言語コミュニケーションだけでなく、言葉以外で情報を発する非言語コミュニケーションもあります。

身だしなみや視線、表情、あいさつやお辞儀、きちんとした言葉で話すなど、第一印象を左右する非言語コミュニケーションにも注意して面接に臨むことで、「社内外の人と問題なく仕事ができそうだ」という印象を持ってもらえると思います。

自分ならではの「コミュニケーション能力」をアピールするコツ

コミュニケーションが意味するものは多岐にわたるため、その言葉だけを用いても、自分の強みを明確に伝え切ることはなかなかできません。そのため、コミュニケーション能力をアピールする場合は「どのようなコミュニケーション能力なのか」を具体的に掘り下げ、自分の強みとしてより的確な表現にしていくことが必要です。

別の言葉に言い換えるなどして、自分の強みを具体化する

自分の強みを具体的に伝えるには、コミュニケーション能力を別の言葉に言い換えるなどして、わかりやすく表現する必要があります。自分の強みを適確に表現する言葉は、エピソードを概要・課題・気持ち・行動・結果に細分化して、見つけていきましょう。

<エピソードを細分化する手順>

  1. 概要を整理する:いつごろの、どのぐらいの期間の出来事で、どこに所属していた時の、どんな話か
  2. 問題・課題を振り返る:どんなことが課題だと感じたのか、特に何が大変だったか、できなくて悔しかったことはあったか
  3. 気持ちを振り返る:なぜそう思ったのか、自分はどうしたい/どうしなければいけないと思ったのか
  4. 自分の行動・果たした役割を振り返る:課題に対してどういう行動を取ったのか、その中でどういう役割を果たしたのか
  5. 結果を振り返る:その結果、どうなったのか

その能力で何ができるのかまで伝える

エピソードを通じて自分の強みを具体的に伝えるだけでなく、「その能力で、何ができるのか」まで伝えることができると、「この人は、入社後どのように活躍してくれそうか」という企業側の判断に結び付くでしょう。

アピールする際の注意点

エピソードを細分化して強みを具体化していくと、例えば「計画性を持って正確にやり切る力」と「連携を取りながら進める力」というふうに、言い換える言葉が複数になったり、ミックスされたりするかもしれません。

その場合は、「一番の強みは何か」を考え、一番伝えたいことを「私の強みは〇〇です」と冒頭に持ってくるといいでしょう。ポイントは、「相手に自分をどう伝えたいか」「相手にどんな人だと思ってほしいか」を意識して考えてみることです。

グループスタディする国際色豊かな学生たち

「コミュニケーション能力」の言い換えは?

コミュニケーション能力の言い換え表現をいくつか紹介します。どの言葉をどのようなケースで選ぶと良いかについても一部解説していきますので、参考にしてください。

<自己PRに使える「コミュニケーション能力」の言い換え一覧>

  • わかりやすく伝える力がある
  • 論理的に説明できる
  • 交渉力がある
  • 人の心をつかむ力がある
  • 傾聴力がある
  • 共感力がある
  • 相手の立場になって考えることができる
  • 初対面の相手にも物おじしない社交性がある
  • リーダーシップを持って確実にやり切る力がある
  • 連携を取りながら進める力がある
  • 働きかける力(巻き込み力)がある

どんな場合にどの表現を使用したらいい?

言い換え一覧にある言葉の中から3つほど選び、それぞれどのような場合に使うといいのか具体例をご紹介します。

「わかりやすく伝える力」に言い換える場合

「わかりやすく伝える力」とは、自分が考えていることや相手に理解してほしいことを的確に伝えることができる力を意味します。

例えば、家庭教師のアルバイトで、生徒は何がわからないのかを一緒に考え、生徒が理解できるように教える工夫をして成果を出したようなエピソードでは、コミュニケーション能力を「わかりやすく伝える力がある」と言い換えることができるでしょう。

「傾聴力」に言い換える場合

「傾聴力」とは、相手の話に熱心に耳を傾け、相手が本当に話したいことを引き出して理解する力を意味します。

例えば、ボランティア活動などで、被災者から被害状況や愚痴などの本音を聞き出しながら、被災者が本当に必要としていることを理解し、活動に反映させていったようなエピソードでは、コミュニケーション能力を「傾聴力がある」「聞く力がある」に言い換えるといいでしょう。

「働きかける力」に言い換える場合

「働きかける力」がある人は、人との関係を築く力がある人だと言えるでしょう。自分から相手に歩み寄る(働きかける)ことで、相手に興味・関心を持っていることが伝わり、相手も心を開き、信頼関係を構築できるようになります。

例えば、居酒屋のアルバイトで、自分からお客さまに話しかけてほかの店員よりも注文を多く取ったり、お客さまが毎回注文するメニューを暗記した上で好みそうなメニューを勧めて喜んでいただいたりと、自分なりに常連のお客さまを増やす工夫をして成果を上げたようなエピソードでは、コミュニケーション能力を「人の心をつかむ力がある」「人の心をつかむのが得意」などと言い換えることができるでしょう。

「コミュニケーション能力」を強みとした自己PR例文

学業、アルバイト、学祭を題材にしたエピソードで、コミュニケーション能力をアピールする自己PRを3例ご紹介します。自己PRを作成する際の参考にしてください。

学業のエピソードを伝える例文

私は、聞く力を発揮して、成果に結び付けた経験があります。

大学のゼミで、ある村の廃屋を耐震補強して改装し、地域のコミュニケーションスポットにする地方再生プロジェクトに参加しました。地域の人たちが本当に利用したいと思える場所にするため、1カ月間その地域に滞在し、住民の暮らしを体験しながら、困り事や要望に耳を傾け、住む人の立場になって考えてきました。また、説明会では高齢者の皆さんにも見やすいよう図解を多く取り入れた大判の資料を作成して、誰もが見やすい・わかりやすい説明を心がけました。1カ月間の滞在を通して地元の人たちとは親しくなっていましたし、聞き取った要望をかなり反映した内容だったので、プレゼンは滞りなく進み、速やかに着工することができました。

この経験から、相手の話をよく聞き、相手の立場に立って考えるコミュニケーションの重要性を実感しました。御社(貴社)に入社した際には、この経験で学んだことを生かして、事業に貢献していきたいと考えています。

アルバイトのエピソードを伝える例文

私は、論理的に説明して相手の納得感を得ることが得意です。

約2年前からパーソナルトレーナーのアルバイトをしています。マンツーマンで行うトレーニングでは、お客さまから「どんな体を目指しているのか」をヒアリングし、個人個人に合ったプログラムを提案・実践していきます。運動が初めてのお客さまには、筋肉の働きをわかりやすく説明しながら、そこを強化することで日常生活にどう役立つのか、今抱えている肉体的不調にどんな効果をもたらす可能性があるのかを具体的に伝えるよう意識しています。このようにして運動の必要性を理解してもらい、励まし、褒めて、運動を続けるモチベーションを維持するよう心がけてきたことで、私が担当するジムの稼働率は全20拠点中トップとなり、本部から表彰されました。

論理的に説明して相手の納得感を得ていくコミュニケーション力は、どのような仕事にも役立つ力だと思いますので、この力を存分に発揮して御社(貴社)の事業に貢献していきたいと考えています。

学祭のエピソードを伝える例文

私の強みは、リーダーシップを持って確実にやり切る力があることだと考えています。

昨年、学祭の実行委員となり、イベントを開催することになりました。学祭実行委員は3つの担当に分かれ、3人の担当者が10人以上のメンバーを率いることから、全体統括が必要だと考え、私が統括担当を買って出ました。3人の担当者の意見を聞きながら、誰がいつまでに何をするのかがひと目でわかる計画表を作成し、毎週進捗(しんちょく)状況を確認し、メンバー全員で共有しました。また、困っていることがあればすぐに対処できるよう、3部門の担当者に頻繁に声をかけ、計画が遅れ気味のグループには人を補充するなどして遅れをカバーし、学祭に間に合うよう調整しました。おかげで当日のイベントは大盛況に終わり、メンバー全員で喜びと達成感を分かち合うことができました。

リーダーシップを持ってイベントを統括し、確実にやり切った力を御社(貴社)の業務でも発揮し、切磋琢磨(せっさたくま)しながら一日も早く事業に貢献していきたいと考えています。

「コミュニケーション能力」の自己PR方法に困ったら就職エージェントを活用しよう

この記事を読んで、コミュニケーション能力の自己PRに取り組んでみたものの、「自分のコミュニケーション能力を具体的に表現する言葉が見つからない」「自分らしい自己PRに仕上がっているのか自信がない」と不安を感じている人もいるでしょう。

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プロフィール 後藤佑子(ごとう・ゆうこ)リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー。自身の就活経験で感じた後悔「もっと早く動き出して、もっと早く相談できていれば…」という思いから、一人でも多くの学生の道標をつくるべく新卒で大学のキャリアセンターに入職。約8年間の大学職員生活、人材派遣コーディネーターを経て現職のリクルートへ入社。学生さんが自分の「らしさ」に気づき納得感のある就活終了ができるよう、全力で向き合っている。

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