就活の自己PRで使える「忍耐力」のアピール方法【例文付き】

あきらめずに目標を達成するまでやり続ける忍耐力が自分の強みである、という人も少なくないでしょう。忍耐力を自己PRでより効果的にアピールするにはどうすればいいのか、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーに話を聞きました。

自己PRで「忍耐力」はアピールになる

あなたが持つ「忍耐力」を具体的に伝えることができれば、良い自己PRになります。なぜなら、忍耐力がある人はストレス耐性が高いと見ることもできますし、そのような状態であきらめずに目標達成までやり続ける能力は、社会で活躍するために必要だからです。

社会人として求められる「忍耐力」とは?

就活生の中には、ひたすら我慢することや耐え忍ぶことができれば忍耐力があると言える、と考える人がいます。しかし、社会人として求められるのは、「あきらめずに困難な状況を自分の力で打開した」「自分からアクションを起こし、工夫をして乗り越えた」というような忍耐力です。

「忍耐力」をアピールすることで企業からはどう見られる?

企業からは、「困難に対して、考え方を変えてポジティブに捉えられるストレスコントロール力がある人」や「高い壁を乗り越えて成長できる人」だと見てもらうことが期待できます。

あるいは、「仕事を簡単にあきらめたり途中で投げ出したりせず、強い責任感を持って取り組んでくれる人」だと評価されるでしょう。

ただし、企業からそのような評価を得られるかどうかは、紹介するエピソード次第です。

自分の「忍耐力」をうまく伝えるには?言い換えは必要?

忍耐力という言葉自体は、抽象的なものです。ES(エントリーシート)や面接の場などで「私には忍耐力があります」とだけ伝えても、どのような忍耐力なのかまではわからず、あなたの強みとしては説得力のないものになってしまいます。そのため、ただ単に別の言葉で置き換えるだけでは、不十分だと言えます。

そこで、まずは「私の忍耐力はどんなものであるか」を考えてみます。「こんな状況があり、その時こんなアクションを取ったことで、自分の忍耐力が裏付けられた」の“こんな”に当たる部分を、実際のエピソードを交えながら詳しく掘り起こしていくイメージです。

エピソードを振り返る際にも「どのような言葉を補って具体的にすれば、自分ならではの忍耐力が伝わるのか」を意識して、自己PRにつなげていきましょう。

就職活動するスーツ姿の学生4人

自分ならではの忍耐力をアピールするポイント

ここからは、具体化させたあなたの「忍耐力」を実際にアピールするポイントを紹介します。

まず、エピソードを伝える際には、

  • 誰が聞いても困難であることが客観的にわかる
  • その状況を打破する方法は自分で考え、乗り越えた

この2点を意識しましょう。大切なのは、自分らしさや工夫したことを伝えること。すごいエピソードでなくてもいいのです

さらに、自分らしさをアピールするためには、次の3つを意識しましょう。

ポイント1. 事実を具体的に伝える

採用担当者が、あなたの直面した困難な状況を明確にイメージできるよう、規模や頻度、人数や期間などを交えて説明しましょう。数字など、誰が聞いても同じ基準でイメージできる客観的な指標を盛り込むことがポイントです。

ポイント2. 困難をどう乗り越えたのか、どんな工夫をしたのかを伝える

企業が最も関心を持つのは、「この人は、何をどう考えて乗り越えたのか」という取り組み姿勢です。困難を乗り越えるためにどんな工夫をしたのかを、しっかりと伝えましょう。

ポイント3. なぜ忍耐力を発揮することができたのかを伝える

「一度始めたら最後までやり切らないといけないと思ったから」だけでは、企業にあなたの強みを伝えきれません。重要なのは、自分の価値観に基づいた行動原理です。誰にでも、途中でやめずに最後まで続けられた理由や、大変な状況を乗り切るために工夫したことがあるはずです。

例えば、「過去にあきらめずに最後までやり切った経験があり、こんな成長を実感できた。だから、一度始めたら最後までやり通すことをモットーにしている」など、自分ならではの「頑張ることができた理由」を伝えてください。

中には、大変なことを乗り越えることが当たり前になっていたり、「特別な工夫をしたわけではなく、ただ耐えただけです」と言ったりする学生さんがいます。そういう人たちは、無意識で行動しているため、アピールするべきことに気づかず、言語化できていないのです。

この“言語化する”という作業を、まずは自分自身で試みてください。その上で、「自分一人で言語化するのは難しい」と感じたら、キャリアアドバイザーの手を借りてみるのもいいと思います。

キャリアアドバイザーとの相談では、キャリアアドバイザーと会話のキャッチボールをしながら、「実はこの時の行動はこんな動機/発想の転換によるもの。だから、最後まで続けられたんだ」ということを一緒に見つけ、言語化していきます。ほかの人と会話することは、自分では気づかなかった新しい引き出しを開けるきっかけにもなるでしょう。

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「忍耐力」をアピールする際の注意点

「やめずに続けた=忍耐力がある」と言えるのは確かですが、自己PRにおいては、「その状況が終わるまでひたすら耐えた」などと表現すると受け身の印象を持たれてしまいますので、主体的に乗り越えていった姿勢を伝えましょう。

また、体力・気力だけに支えられたと受け取られるような「忍耐力」のアピールには注意が必要です。例えば、「部活で、つらい練習をこれだけ続けました」といった話は単なる体力自慢に思われてしまいかねず、アピールとなる企業が限られてしまいます。エピソードとして紹介する場合は、厳しい練習に耐えるために工夫したことや、練習に耐えた結果優勝したなど、成長に結び付く内容を盛り込んでください。

「忍耐力」を強みとした自己PR例文

忍耐力を強みとする自己PRの例文をご紹介します。これらを参考にしながら、自分ならではの自己PRをまとめてみましょう。

打開策を考え、困難な目標を達成できるような忍耐力の自己PR例

私は、困難な目標に対し、さまざまな工夫をして達成した経験があります。

大学3年の時、学園祭の実行委員として、地域のスポンサー企業を集める担当となりました。可能性のありそうな企業に100件電話をしても、アポイントを取れるのは10件程度。実際にスポンサーになってくれる企業は、その半分にも満たない状況でした。そこで、私は「責任者としてなんとしても学園祭の予算を確保して成功させたい」との思いから、3つの工夫をしました。1つ目は、スポンサーになってくれる可能性の高い企業に効率良くアクセスできるよう、企業選びの視点を変えたこと。2つ目は、電話がつながりやすい時間帯を狙ったこと。3つ目は、相手が興味を引く話の切り出し方を工夫したことです。その結果、なんとか前年度を上回る目標金額を達成することができました。

目標達成のため、あきらめずに方法を考え、困難を打開した経験を、社会に出ても生かしていきたいと考えています。

一度始めたことを最後までやり切る責任感があるような忍耐力の自己PR例

私には、一度始めたことを最後までやり切る責任感があります。

子どものころから人前に立つことが苦手でしたが、大学入学を機に「自分を変えよう」と決心し、ゼミのリーダーに手を挙げました。ところが、そのゼミは出席率が悪く、みんなの協力も思うように得られず、自信を失いかけました。それでも、「自分を変えるチャンスなのに、ここで投げ出したら一生後悔する」と自分を奮い立たせ、リーダーとして先頭に立ち、メンバーの得意分野を考えながら各人に合った作業を振り分け、それぞれのモチベーションが上がるような接し方を心がけて課題を遂行しました。その結果、期限通りに提出・発表を行うことができ、教授からも高評価を頂きました。

最後まであきらめずにやり切る責任感を、社会に出ても大切にしていきたいと考えています。

すぐに結果が出なくてもあきらめない高い達成意欲があるような忍耐力の自己PR例

私は、すぐに結果が出なくても、あきらめずに目標を達成した経験があります。

中学時代にサッカー部に所属していたので、軽い気持ちでフットサル部に入部したところ、上級者が多くレギュラー入りにはほど遠いレベルでした。そこで、「2年の冬までにレギュラー入りする」という目標を掲げ、1年目は毎日ほかの部員より1時間早くグラウンドに行って基礎練習に励み、2年目は毎日100本シュートを継続しました。こうして徐々に実力が認められ、3年春の大会で念願のレギュラー入りを果たし、創部以来初となる全国ベスト16入りを果たしました。周りから評価されず落ち込んだ時期もありましたが、長くてつらい受験勉強を乗り越えてこの大学に入学できた喜びと達成感を思い返し、途中であきらめることなく目標を達成することができました。

すぐに結果が出なくてもあきらめない心を、社会人になっても持ち続けていたいと考えています。


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田添さんプロフィールカットプロフィール 田添優紀(たぞえ・ゆき)
リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー/SV(スーパーバイザー)。新卒で入社した教育系の企業で働く中で、良い大学に入ることだけがゴールとなっている学生が多いことに違和感を覚えてリクルートキャリア(当時)に転職。現在はSVとして、学生との面談や面接アドバイスを行いながらキャリアアドバイザー向け研修の作成・実施、マニュアルの作成、新人育成など、キャリアアドバイスの質向上に取り組んでいる。モットーは、一人ひとりの可能性を広げる手伝いができるよう、学生と真摯(しんし)に向き合うこと。

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