就活の自己PRで使える「粘り強い」の言い換えとアピール方法【例文付き】

「粘り強い」ことを、自分ならではの強みとして伝えるにはどう工夫すればいいのでしょうか。自己PRでの効果的なアピールポイントや注意点などについて、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーがアドバイスします。「粘り強い」の言い換え例や自己PRの例文なども紹介しますので、参考にしてください。

「粘り強い」をアピールすることで企業からはどう見られる?

まず、社会人として求められる「粘り強さ」とは下記のようなものです。

  • 困難なことがあったときに、自分で考えて乗り越えることができる突破力や成長意欲が感じられるような粘り強さ
  • たとえすぐに成果につながらなくても、誰にも褒めてもらえなくても、自分なりに目標や目的を持って取り組み続けることができるモチベーションコントロール力を持った粘り強さ

粘り強いことを自己PRでアピールした場合、企業の採用担当者からは「問題にぶつかっても、すぐあきらめず試行錯誤しながらも乗り越えていける人、成長し続けるために努力できる人、自律心を持って自分のモチベーションを自分でコントロールできる人」だと見られるでしょう。

採用担当者は、どのような粘り強さであるかを具体的に知ることで、「この人はこのような人物なのだ」と判断し、「当社でこんなふうに活躍してくれそうだ」とイメージするのです。

自分ならではの「粘り強い」をアピールするポイント

あなたの「粘り強さ」をより具体的に、そして印象深くアピールするためにも、次の3つのポイントを意識しましょう。

ポイント1. 「粘り強さ」を示すエピソードを振り返り、言語化する

自己PRであなたの強みをアピールするには、エピソードが必要です。まずは事前の準備として、あなたが「粘り強さ」を発揮した状況を振り返り、掘り下げてみましょう

振り返りをするときにはSTARフレームワークの観点で情報を整理するといいでしょう。STARとは、4つの頭文字をつなげたものです。

「S」=Situation(状況)=どのような状況で
「T」=Task(課題)=どのようなタスクを持っていて
「A」=Action(行動)=どのような行動を取ったか
「R」=Result(結果)=どのような成果を上げたか

ポイント2. 直面した問題や取り組んだテーマ、その結果を具体的に伝える

採用担当者は、あなたが取り組んできたことと同じ経験をしているわけではありません。ですから、誰が聞いても伝わるような具体性と客観性を意識して、「どのような難易度のことに、どのようなテーマを持ち、どのように取り組んできたのか」を伝えてください。

一つの方法として、数字を盛り込むことで具体性を持たせることができます。例えば、小学生のころからピアノを続けてきたのであれば、具体的かつ客観的に「コンクールで賞を取ることを目標にしていたが、自分には○○という弱点があったことから何度も逃し続けていた。それを克服するための○○な練習を5年間毎日続けた結果、賞を取ることができた」などと事実ベースで伝えるのです。

ここで注意したいのは、期間の長さが評価の対象になるわけではない、ということ。粘り強さというと、「とにかく長く頑張ってきた」という点にフォーカスしたアピールになりがちですが、どう困難を乗り越えてきたかがわかるエピソードであることが大切です。

たとえ短期間であっても、困難な目標をあきらめずに達成したエピソードをしっかり伝えることができれば、それは「粘り強さ」のアピールになります。

ポイント3. あきらめずに続けるために、どのように自分の気持ちを保ったのかを伝える

なぜ途中であきらめずに続けられたのか」についても伝えましょう。これは、自分の気持ちを保つことができた理由にあたります。

この際、「長く続けた方がいいと思ったから」という一般論ではなく、「すごく大変だったのに、なぜ頑張ることができたのか」という、“裏にある気持ち”を盛り込むと、自分らしい自己PRになります

自己PRの相談を受ける中で、多くの就活生に共通するのは、「なぜ頑張ることができたのか」が伝わらないエピソードになってしまっている、ということです。「どうやって乗り越えたのか」「なぜ頑張ることができたのか」という思いを明らかにするために、まずはできる限りエピソードを書き出し、自分に「なぜ?」と問いかけてみてください。

自問してもうまくいかないようなら、周囲で相談できる第三者と会話しながら考えを整理して、自分の思いを引き出していくといいでしょう。とりとめのない会話のように思えても、アウトプットすることで自己理解が深まり、裏にある気持ちが見つかるはずです。

集中した様子でデスクワークに臨む青年

アピールする際の注意点

自分なりの工夫や試行錯誤がなく、ただ機械的に継続してきたようなエピソードや、自分の意思ではなく強制されていただけで本人の成長が感じられないようなエピソードは、アピールにはならないので注意しましょう。

もう一つ避けたいのは、自分のやり方に固執して、ひたすら同じことを続けてきたようなエピソードです。このようなエピソードは、「粘り強い」というより、むしろ「融通が利かない」「こだわりが強過ぎる」というマイナスな印象を与えてしまう懸念があります。

ただ、こうしたケースは自分では気づけないかもしれません。自分のアピール内容に問題がないか検討するためにも、一度先輩やキャリアアドバイザーなどの第三者に見てもらうといいでしょう

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「粘り強い」は言い換えた方がいい?言い換えるならどんな言葉がある?

「粘り強い」という言葉をそのまま使うより、言い換えた方が伝わるのではと考える人もいるでしょう。「自分の特徴にマッチしている」、「エピソードに合っている」場合は、言い換えた方が、よりあなたらしさを伝えられます。

反対に、「自分の特徴を表現するのに『粘り強い』が一番マッチしている」、「志望企業が求める人物像として『粘り強い』を挙げており、自分の特徴ともズレがない」などの場合は、そのまま使う方が良いでしょう。

つまり、自分の強みをより的確に伝えられる表現であることが重要です。

ここでは、いくつかの言い換えを紹介しますので、参考にしてください。

<自己PRに使える「粘り強い」言い換え一覧>

  • 継続力がある
  • 忍耐力がある
  • 初志貫徹
  • あきらめない心を持っている
  • 根気強い
  • 厳しい状況でもへこたれない
  • 最後までやり抜く
  • 信念を貫く
  • 目標達成能力がある
  • 困難なことにもポジティブに取り組める

気をつけたいのは、言い換えの目的はあくまで「自分の粘り強さを、相手に伝わるように、より具体的に表現する」ということ。単に言葉のバリエーションを増やすだけにならないようにしましょう。一覧の中で、自分の粘り強さのタイプにふさわしいものがあれば、言い換えて表現してみてください。

そこからさらに踏み込み具体的にするには、言い換えるだけでなく、その前後に言葉を補足してみることも必要です。自分の経験を振り返り、粘り強さがあったと感じるエピソードをできるだけ多く書き出し、それぞれについて「なぜ長く続けられたのか」を深掘りしていくと、あなたならではの「粘り強さ」が見えてくるはずです。

「粘り強い」を強みとした自己PR例文

「粘り強い」を強みとする自己PRの例文をご紹介します。エピソードを具体化させていった結果、「粘り強い」という言葉を直接使わないケースも出てきます。これらを参考にしながら、自分ならではの自己PRをまとめてみましょう。

自分の行動をやめずにチャレンジし続けられる粘り強さの自己PR例

私は、自分の行動をやめずにチャレンジし続けた経験があります。

大学で、中学校時代から続けてきたテニス部に入部したものの、レギュラー入りは難しい実力でした。高校時代には小さな大会で優勝したこともある自分を信じて、「2年後にはレギュラー入りする」ことを目標に、毎日部活が始まる前の1時間サーブの自主練習を行い、帰宅後は壁打ちとフットワークのジムトレーニングを繰り返し続けました。半年が経過しても上達を実感できなかった時は退部を考えましたが、レギュラーとしてコートに立つ自分の姿を想像して奮起し、部活前と帰宅後の自主練習、そして時には実績のある先輩やコーチにレクチャーを受けるなどもしながら続けました。こうした努力が実を結び、3年春の大会でレギュラーを獲得し、団体優勝にも貢献することができました。

社会に出ても、目標のためにチャレンジし続ける精神を大切にしていきたいと考えています。

夢の実現のために地道に努力することができる粘り強さの自己PR例

私は、地道に努力して高校時代からの夢を実現させた経験があります。

高校受験の時にボサノバを聴いて感動し、「ポルトガル語を理解して歌いたい」という夢を抱くようになり、大学入学を機にWebサービスを利用して、毎日2時間ポルトガル語の勉強を始めました。身近にネーティブスピーカーがいないので、勉強の成果を実感できず、挫折しそうになったこともありましたが、大好きなボサノバを聴いて初心を思い出し、モチベーションを保ちました。大学3年の春に国際ポルトガル語検定試験の初級に合格し、その夏休みには念願のブラジル旅行をして、現地の人たちとおしゃべりをしたり、一緒にボサノバを口ずさんだりして、夢をかなえました。現在も、中級合格を目指してポルトガル語の勉強を続けています。

社会人になっても、地道な努力で自己成長していく志を持ち続けていたいと考えています。

問題解決のためにあきらめずに対応できる粘り強さの自己PR例

私は、大学2年の時にアルバイトしていたアパレルショップで、問題解決のためにあきらめずに対応した経験があります。

ある時、お客さまから取り置きを依頼されていた服を、ほかのスタッフが誤って販売してしまい、私が担当したお客さまを怒らせてしまいました。他店の在庫を確認するなどできる限りの対応をしましたが、結局在庫は見つからず、心からおわびしました。私は、お客さまにこの店を選んだことを後悔していただきたくない一心で、別の服を提案させていただくお願いをしました。最初は歓迎されていない様子でしたが、今まで着たことのない色やスタイルを試着し、結果的に気に入ってご購入いただきました。2時間近い接客となりましたが、最後は感謝の言葉を頂き、定期的に来店いただくまでになりました。

この経験で実感した、あきらめずに粘り強く取り組む姿勢を、御社(貴社)でも役立てていきたいと考えています。

自己PRに困ったら就職エージェントを活用しよう

本記事では、自分の強みを具体的に伝える方法を紹介しましたが、「自分の強みがまだ見つからない」という人もいるでしょう。「一人で取り組むのは難しい」「これでいいのか自信がない」と感じる場合は、リクナビ就職エージェントに相談することも検討してみてください。

専任のキャリアアドバイザーと対話しながらエピソードを深掘りし、自分一人では気づけなかった強みを一緒に見つけていきましょう。


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田添さんプロフィールカットプロフィール 田添優紀(たぞえ・ゆき)
リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー/SV(スーパーバイザー)。新卒で入社した教育系の企業で働く中で、良い大学に入ることだけがゴールとなっている学生が多いことに違和感を覚えてリクルートキャリア(当時)に転職。現在はSVとして、学生との面談や面接アドバイスを行いながらキャリアアドバイザー向け研修の作成・実施、マニュアルの作成、新人育成など、キャリアアドバイスの質向上に取り組んでいる。モットーは、一人ひとりの可能性を広げる手伝いができるよう、学生と真摯(しんし)に向き合うこと。

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