【香港編】出費のかさむ香港ライフ

今回は、香港での駐在員の生活を紹介します。地価も物価も高い香港ですが、駐在員はどのような生活を送っているのでしょうか?
From Hong Kong (地価も物価も高い香港)トップ画像 (写真は香港のあちこちにあるローカルの果物店。注文すれば、目の前でフルーツを絞ってジュースにしてくれる。香港では貴重なビタミン源となる)

香港在住・現地レポーター TOSHIZO 香港にある日系企業の現地法人に勤務。中国に関連した書籍を読むことや、ゴルフが現地での楽しみ。(写真は香港のあちこちにあるローカルの果物店。注文すれば、目の前でフルーツを絞ってジュースにしてくれる。香港では貴重なビタミン源となる)

香港の住まいには洗濯機がない

こんにちは。TOSHIZOです。今回は、香港での私の生活についてお話しします。
現地での住まいは、「サービスアパート」仕様のホテル。日系の不動産紹介会社を通じて見つけました。掃除とシーツ交換は週2回、簡易キッチンもあるという点では、典型的な香港のサービスアパートと同様なのですが、ホテルなので洗濯機がありません。そこで、ホテル近くの“洗濯屋”を使っています。洗濯物の重さに応じた料金で、洗濯して乾かした後に畳んで返してくれるのです。

香港では郊外を除くと、一戸建ては山の手の豪邸に限定され、それ以外は、細長いペンシルビルのマンション・アパートが林立しています。通常、マンション・アパートにはベランダはなく、また湿度も高いため、部屋干しはカビとの壮絶な戦いを強いられます。よって、洗濯屋に外注化することは、香港人の生活にもすっかり浸透しています。

香港の不動産価格は世界有数の高さ

2012年、香港の繁華街にある不動産賃貸価格、ニューヨークの5番街を抜いて世界一になったという報道がありました。確かに、香港は土地供給が少ない上、投機資金の流入もあり、不動産価格は世界有数の高さと言えるでしょう。その結果、香港政府は市民への住宅供給政策に追われているという報道をよく目にします。

そんななか、多くの日本人駐在員は、香港市街地のサービスアパートあるいは近隣住宅地のファミリータイプのアパートに住んでいます。公共交通機関も発達しており、かつ香港自体が狭いので、自家用車を所有する駐在員はほとんどいないのではないでしょうか。一方で、欧米のエグゼクティブが多く住む山の手の高級住宅街は、生活するには車が必須でしょう。家賃も一段と高くなってしまいます。

外食費が意外とかさむ!駐在員ならではの出費

次は食事について。香港は安くておいしいB級グルメが豊富と旅行ガイドにも書いてありますが、さすがに毎日、ローカル食堂でワンタンメンやチューシュー飯ばかりという訳にはいきません。肉食が多くなるので、和食や欧米人向けのサラダバーなどで、バランスを取るようにしていますが、外食オンリーだと結局は外国人向けメニュー中心のオーダーとなるので、どうしても食費が高くついてしまいます。

加えて、日本だけでなく、中国本土から来る出張者へのアテンドも意外に多いのです。特に、香港と中国本土の洋食の質の差は歴然としているためか、中国本土からの出張者は、ステーキやイタリアンをリクエストすることが多く、その結果、週3日ステーキを食べることもあります。外食費がかさむことよりも、カロリーの過剰摂取の方が頭が痛い問題かもしれません。

香港駐在員の娯楽はゴルフ、山登り、テニスなどさまざま

週末は、ゴルフのために中国本土へ

現地での楽しみのひとつとして、ゴルフが挙げられます。間があくこともありますが、続くときは毎週末、土日のどちらかはゴルフをしています。社内・系列会社とのコンペが定期的にあるほか、会社の同僚や当地駐在の社外の方とプライベートで行くこともあります。

香港はゴルフ場の数が少なく、かつメンバーでない香港駐在員は、通常週末はプレーできません。私自身も香港では会員権を持っていないため、中国本土に出かけてプレーするしかありません。ただし、中国本土でのゴルフプレー代は意外に高く、ゲスト料金だと日本と同じくらいか、あるいはそれ以上のコストがかかっています。

香港、中国本土でしか読めない書籍を読破中!

加えて、読書も楽しみです。香港に限らず、中国関連の書籍には、自然と手が伸びてしまいますね。香港に赴任する前から中国本土、特に中国東北部や上海周辺には何十回も出張で来ていたためかもしれません。大連や瀋陽などは『坂の上の雲』(司馬遼太郎著)の舞台ですし、漫画でも『取締役 島耕作』(弘兼憲史著)では上海駐在生活が描かれていて、面白いですね。『三国志』や『項羽と劉邦』、『阿片戦争』などの長編小説も読みました。現在は、路線を変えて、キッシンジャーの回顧録『中国』を読み始めていますが、西洋人(アメリカ人)の中国観としてとても興味深く感じます。

香港に関しては、他社駐在者の薦めで『香港の水 日本人の記録』(木本正次著)という本を読みました。すでに絶版となっているため、香港駐在にならない限り、なかなか読む機会すらない本だと思います。20年ほど前にNHKでも『ホンコン・ドリーム 私の愛した日本人』という邦題で2時間ドラマが制作されています。日本の建設会社が香港のダム建設を受注し、その完成までを描くなかで、当時の香港の状況がうかがえるだけでなく、現場に携わる日本人と香港人の悲恋、敗戦から立ち直る過程での戦争帰り世代の「国を背負う思い」がリアルに伝わってきます。

 

このほかにも、山登り・テニス・ボートなどのスポーツや食べ歩きが日本人駐在員の代表的な余暇の過ごし方として挙げられます。駐在期間は、おカネには代えられない貴重な時間ですので、出費を惜しまず(笑)、いろいろなことにトライしていきたいと思います。

次回は、海外駐在を通じて得られる収穫についてお話しします。

商業用不動産賃貸平米単価が世界一高いラッセルストリートの街並み。 香港 画像

商業用不動産賃貸平米単価が世界一高いラッセルストリートの街並み。Times Squareというショッピングモールの周辺には、高級ブランド店がいくつも軒を連ねている。

日本の高菜に煮たカラシ菜系の野菜の漬物「梅菜」と豚肉の煮物「梅菜扣肉(メイツァイコウロウ)」香港 画像

日本の高菜に煮たカラシ菜系の野菜の漬物「梅菜」と豚肉の煮物「梅菜扣肉(メイツァイコウロウ)」。「梅菜」は、中国恵州の名産品でもある。とてもご飯が進むお気に入りの料理だ。

構成/日笠由紀

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